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解放军文职招聘考试 次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。答えは、1・2・3・4から最も適当なものを一つ選びなさい。

来源:长理培训发布时间:2017-05-21 10:34:56
 2級読解(1)
問題Ⅰ 次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。答えは、1・2・3・4から最も適当なものを一つ選びなさい。
「勤勉こそ美徳である」という言葉は、21世紀には死語にしたい。「心豊かに生きることこそ美徳である」という言葉をそれに代えたい。
これまで日本人はよく働く国民であると世界的に評価されてきた。( ① )、最近は②事情がだいぶ変わってきた。日本人は働き過ぎだというのである。働くことだけに一生を費やしてしまう日本人は、「働きバチ」にたとえられ、非難の対象にさえなっている。もちろん、「働きバチ」にも③言い訳がないわけではない。狭い国土、高い人口密度、乏しい地下資源。日本という国が生き延びていくには、とにかく働くしかなかったのである。これを支えてきたのは④勤勉以外の何ものでもない。
しかし、そうは言っても、世の中というのは常に動いている。20世紀の日本と21世紀の日本が同じはずはない。勤勉さのおかげで物質的に恵まれた日本は、⑤そのことを土台にして新しい方向へと進んでいかなければならない。物質がすべてというこれまでの考え方は、当然、反省されなければならないし、働きさえすればあとはどうでもいいという思想も改めなければならない。たとえば、過労死の問題。人間は生きるために働くべきなのに働いたために死んでしまう人がいる。何かを変えなければならない時に来ているのである。
そこで考えられる物の一つがコンピュータである。コンピュータという言葉を聞いただけで、何か難しい、面倒くさいというイメージを持つ人がいるが、⑥そう言う人にあって話を聞いてみると、たいていこれまでの考え方を変えずにコンピュータを頭から嫌っている。これまでの考え方というのか、もちろん勤勉こそ美徳であるという考え方である。なぜコンピュータを使うのか、その最も大事なところがきちんと理解されていない場合が多い。つまり仕事をこれまでよりもたいくさんするためにコンピュータを使うのだと考えているのである。しかし、⑦これは大きな違いである。間違いと言って悪ければ、改めるべき習性と言っても良いかもしれない。
問1( ① )に入る言葉は 次のどれか。
1 それで   2 ところで   3 ところが  4 だから
問2 ②「事情がだいぶ変わってきた」とあるが、これはどういうことか。
1 よく働く国民の一生の過ごし方が変わった。
2 世界の日本人に対する見方が変わった。
3 働くことに対する日本人の意識が変わった。
4 日本人の働き過ぎだという評価が変わった。
問3 ③「言いわけ」とは、どんな言いわけか。
1 働かなかったら日本は生き延びただろうという言いわけ
2 働かなければ日本の国土は狭くなっただろうという言いわけ
3 働かなければ日本は生き延びられなかっただろうという言いわけ
4 働かなかったら日本の人口はますます増えただろうという言いわけ
問4 ④「勤勉以外の何ものでもない」とあるが、ここで何の意味か。
1 勤勉だけである。
2 勤勉以外の何かである。
3 勤勉と何かである。
4 勤勉だけではない。
問5 ⑤「そのこと」は何か。
1 「働きバチ」と言われること
2 物質的に恵まれたこと
3 勤勉こそ美徳である
4 地下資源が乏しいこと
問6 ⑥「そういう人」は、どういう人のことか。
1 これまでの考え方でコンピュータを避けている人
2 コンピュータの使い方にまだ十分慣れていない人
3 コンピュータをまだ使ったことがない人
4 仕事をするためにコンピュータを使っている人
問7 ⑦「これは大きな違いである。」とはあるが、なぜか。
1 コンピュータの使い方をよく理解する前に、コンピュータを使っているから。
2 コンピュータの最大の利点は仕事の時間を短くすることにあるから。
3 コンピュータは1日2時間だけ使うものだから。
4 コンピュータを使って少ししか仕事をしようとしないから。
文章1:32312  12  
問題Ⅱ 次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。答えは、1・2・3・4から最も適当なものを一つ選びなさい。
(1)おじさんの中学生のときはどうだったろう。
いたずら好きのAと仲良しだったときがある野球のうまいBや、頭のいいCや、家が貧しいけれどマジメなDと仲良しだったときもあるでも、クラスが変わるたびに友だちが変わっていき、①中学の三年間を通じて一人の友だちと深くつきあうことはなかったDとは夏休みにいっしょにアルバイトをやったりして親友みたいだったのに、いつの間にかつきあわなくなっている
②これはだれでもそうじゃないかと思うんだ。友だちは変わってゆくその場かぎりのつきあいといえばいえなくはないけど、自分の求めているものが変わってゆくから、③相手を自然に変えてゆくのだと思う。
おじさんの場合、いたずら好きのAと仲良しだったときはおじさんもいたずらがしたかった。いたずらをして気持ちがスカッとすることを求めていた。でも、いたずらではほんとうに気持ちがスカッとしないことにやがて気づいて、Aとつきあわなくなった。BやCやDについてもそのときどきにおじさんが求めていたものを彼らがあたえてくれたんだねと意識したわけじゃないけど、そのときの自分の益のなる相手を求めて、つきあう相手がおのずと変わっていったのだと思う。だからといって、④こうした相手を友だちと呼べないかというとそうではないんだね。
利己的のようだけれど友だちというのは自分に益になる相手のことなんだその相手とつきあうことで自分が得をする。しかし、その益なり得なりの中身が問題なんだね(中略)。
たった一度しかあわなくてもその影響が人生にすばらしく作用すれば⑤これは立派な「友だち」だ。実際には会わなくたって、たとえばその人のことをテレビで観たり本で読んだりしただけですばらしい影響を受けたら、これは友だちなんだね。
もっとも実際に会わなければ厳密には友だちとはいえないけれど、生きる上で心に影響を受ける相手とはそう何人も出会えるものではないこともおじさんの経験から言える。
しかし⑥君自身がそれを求める心構えでいなかったら、中学生のときはおろか一生友だちには出会えないだろう。
問1  ①「中学の三年間を通じて一人の友だちを深くつきあうことはなかった」とあるが、それはなぜか。
1  野球がきらいだったから
2  夏休みにアルバイトをしたから
3  よくけんかをしたから。
4  求めるものが変わったから
問2  ②「これ」は何を指しているか
1  夏休みにアルバイトをすること 2 いたずらが好きなこと
3  友だちが変わること           4 友達が多いこと
問3  だれが③「相手を自然に変えてゆく」のか。
1  だれか      2 だれでも     3 友だち      4 親友
問4 ④「こうした相手」とは、この場合どんな相手のことか
1 いつも自分の利益になる相手
2 中学時代に自分の利益になる相手
3 そのときどきに自分の利益になる相手
4 大人になってからも自分の利益になる相手
問5 ⑤『これは立派な「友だち」だ』とあるが、この場合どんな意味か。
1 友たちになったほうがよい    2 友だちといってよい
3 友だちといってはいけない    4 友だちにならなくてもよい
問6 ⑥「君」とは、だれのことを考えられるか
1 中学生たち                  2 中学生の親たち
3 筆者の昔の友だち            4 おじさんの友だちだったA
問7 この文章に出てくる「おじさん」とは、だれのことか
1 筆者自身                    2 筆者のおじ
3 中年の男性                  4 友だちのおじ
問8 結論として筆者はどんな「友だち」を求めるべきだと言っているか
1 その場かぎりの友だち
2 長くつきあっていける友だち
3 経験的に助けてくれる友だち
4 人生に影響をあたえてくれる友だち
正解
43232114
(2)
子供の頃、私は母や近所のおばさんたちが、「うちの子はまだご挨拶もできませんで。」などと言っているのを聞いて、どうしてあんなことを気にするのだろうと、不思議に思っていた。①大きくなってからも、大人の人たちが、「あの人の挨拶は立派だ。」とか、「あの人は挨拶の仕方も知らない。」とか言っているのを聞くと、②たいした意味もないことを、どうしてそんなに問題にするのだろうと、おかしく感じていた。天気がいいとか悪いとかいうような、わかりきったことを言い合うよりも、お互いに誠意を持っていることこそ大事なのではないか、誠意はだまっていても通じるはずだ、と決め込んでいた。
私はその後、学校を出て、ある中学校の教師になった。その学校へ行ってまず驚いたことは、先生も生徒も、朝、顔を合わせると、「おはようございます。」帰るときは、「さようなら。」と、かならず声に出して挨拶していることだった。
③それまで私は、知っている人に会うとだまって頭を下げ、親しい友人には「やあ。」と言うと、会釈をするぐらいのものだった。が、生徒や同僚たちが明るく挨拶し合っているところを見ると、いつのまにか、こういう挨拶をするのも意味のあることだと感じられてきた。(a)、ほかの人たちと同じように、「おはよう」や「さようなら」を声に出して言おうとしてみると、それはなかなか容易なことではない。簡単な言葉だと思っていた「おはよう」や「さようなら」が、④簡単に言えない。だいいち、容易に声が出ない。思い切って言ってみても、なんというあやふやな「おはよう」であろう。それに比べて、同僚や生徒の「おはよう」は実にはっきりしていて気持ちがいい。私は、なるほど「おはよう」にも、りっぱなのとそうでないのとがあると、初めて気がついた。
⑤きまりの悪い思いをしながら、毎日努力して言っているうちに、(b)私にもはっきり言えるようになってきた。それと一緒に、声に出して言う本当に明るい挨拶は、決して口先だけでできるのではない。心の真実が、そのまま身の構えになり、声になったものこそほんとうの挨拶である、ということがわかってきた。
問1 誰が①「大きくなってからも」なのか。
1 近所の子
2 近所のおばさん
3 筆者
4 大人の人たち
問2 何が②「たいした意味もないこと 」なのか。
1 子供はまだ挨拶ができないこと
2 挨拶の仕方
3 天気
4 お互いに誠意を持っていること
問3 ③「それまで」はいつまでのことか。
1 中学校の教師になるまで
2 大人になるまで
3 朝、先生や生徒と顔を合わせるまで
4 声に出して挨拶するまで
問4 (a)の中に何が入るか。
1 つまり   2 ところで  3 しかし   4 したがって
問5 ④「簡単に言えない」とあるが、どうしてか。
1 難しい言葉だから。
2 今まで挨拶をしたことがないから。
3 挨拶は必要ないから。
4 声に出す挨拶は意味がないと思っていたから。
問6 ⑤「つまりの悪い思いをしながら」とあるが、どんな意味か。
1 気持ちが悪いと思いながら
2 恥ずかしいと思いながら
3 言いたくないと思いながら
4 きまった言い方がないと思いながら
問7(b)の中に何が入るか。
1 どんどん   2 だんだん   3 ゆっくり   4 そっくり
問8 結論として筆者は何を言いたいのか。
1 大きな声で挨拶すれば必ず心の真実が通じる。
2 誠意があれば明るい挨拶ができる。
3 毎日努力すれば立派な挨拶ができるようになる。
4 誠意を声に出してこそほんとうの明るい挨拶になる。
32132   224
(3)
幼いときは二度ない---という。だから、幼い時代を大事にせよ、といった意味である。
なるほど、その通りである。だが、皮肉屋の私は、この言葉に反論したい。確かに幼い時は一度しかないが、中年だって、老年だって一度しかないのである。われわれは幼い時代を大事にすべきであるが、同様に中年を大事にすべきであるし、老年を大事にしなければならない。①若い時代だけを特別視する必要はないのである。
わたし自身は先ごろ、五十三歳になった。昔の呼称だと、もう立派な“老年”である。だから、ひがんで言っているのではない。私は、老年には老年のよさがあると思っている。(中略) 人生のそれぞれに違った②人生のこくがある。私はそう思っている。私たちはそれぞれの段階に特有な人生の喜びと悲しみを味わいながら生きたい。
( ③ )、どうして幼い時代だけが特別視されるのか!私には不思議である。思うに、人々は幼い時代を準備段階と考えているようだ。幼い時にしっかりと学問や体験の蓄積をしておかないと、後になって困る。だから、幼いうちから遊びほうけていてはいけない。と、結局は、若者に自制と禁欲を呼びかけているのである。
でも、私は、④それは間違いだと思う。幼い時代に、幼い時代に特有の人生の喜び、悲しみを体験しておかないと、中年や老年になって、その段階での人生の喜び、悲しみが味わえない。若者はそのことを銘記すべきである。
(注1ひがむ:素直でなくなる
(注2遊びほうける:遊びに夢中になる
(注3銘記する:忘れないように心に強く残す
問1「幼い時代だけを特別視する必要はない」とあるが、それはなぜか。
1 幼いときは一度しかないから。
2 自分が皮肉屋だから。
3 幼い時代と同様に、中年、老年も大事だから。
4 老年には老年のよさがあるから。
問2「人生のこく」とは、ここではどのようなことか。
1 人生の特別さ
2 人生の喜びと悲しみ
3 人生の大切さ
4 人生の準備段階
問3( ③ )の中に入る最も適当な言葉はどれか。
1 だからといって
2 それどころか
3 したがって
4 にもかかわらず
問4「それは間違いだと思う」とあるが、何が間違いであると思うのか。
1 幼いうちから遊びほうけること
2 幼い時代にしっかりと学問ゃ体験の蓄積をすること
3 幼い時代を特別視しないこと
4 若者の自制と禁欲を呼びかけること
答案:3244
問題Ⅲ 次の(1)から(5)の文章を読んで、それぞれの問いに対する答えとして最も適当なものを1・2・3・4からーつ選びなさい。
 (1)  泡の別の役割は、ビールにふたをして空気に触れさせないことである。そこで、コップにつぐときは表面から五分の一ぐらいに泡を立てる。どんな商品でもそうだが、とくにビールは空気に触れると、酸化して風味が落ちる。ビールの酸化は、空気に触れたときからはじまり、どんどん進行し、温度が高くなるほど速くなる。酸化したブールは、金属臭やひなたくささが感じられる。ビールをつぐとき、「まあ、それをぐっとあけてから……」といって勧める光景はよくあるが、これにはりっぱな理由があるのだ。それは、上から落下してきたビールが残っていたビールをかき混ぜ、空気をビールの中に吹きこみ酸化を促進することになるからである。
【問い】 ここで言う「ビールの泡の役割」は何か。
1 ビールの温度を低く保つ。   
2 ビールの酸化を防ぐ。  
3 空気をビールの中に吹きこむ。   
4 金属臭やひなたくささを取る。
(2)「豊かな人が税金を払い、貧しい人は税金を払わなくてよい」という考えについて、4人の人が意見を述べたが、それを読んで後の問いに答えなさい。
Aさん  「豊かな人はたくさんお金を持っていて、多少贅沢をしたって税を払うことができるはずです。貧しい人はやっと生活しているのだから、税金を払ってもらうのは気の毒です。」
Bさん  「税金は政府の仕事の費用になるんです。貧しくても政府の仕事のおかげで
生活しているんだから、税金は利益に応じて払わなければ。」
Cさん  「貧しい人は税金を払えないかもしれない。貧しい人のために豊かな人が
お金を出すことで貧富の差が縮まるんです。」
Dさん  「豊かな人は、はじめから豊かなんじゃなくて、一生懸命働き努力して豊かに
なったんです。貧しいのは働かないでお金を使ってばかりいたんじゃない
んですか。」
【問い】 「豊かな人が税金を払い、貧しい人は税金を払わなくてよい」という考えに
賛成の人は何人いますか。
1 一人   2 二人   3 三人   4 四人
(3) 最近若い女性を中心に、低カロリーチョコレート、つまりカロリーの低いチョコレートの需要が高まっています。そこで、うちの会社でも来月、低カロリーチョコレートの新製品を発売します。このチョコレートは低カロリーチョコレートはこれが初めてではありません。去年出したものは砂糖をいっさい使わず、ミルクに含まれる糖分まで取り除いて、徹底的にカロリーを減らしました。今回の製品はミルクの中の糖分はそのまま残してあるので、まろやかな味を損なわれていません。いくらカロリーが低くてもおいしくないんじゃあ、という女性たちに喜んでもらえると期待しています。
【問い】文章の内容とあっているのは、次のどれか。
1 チョコレートの新製品は、去年のものよりカロリーが約2割低い。
2 チョコレートの新製品は、ミルクの糖分取り除いて、低カロリーにした。
3 チョコレートの新製品は、低カロリーだが、まろやかな味がする。
4 チョコレートの新製品は、カロリーは低いが、まろやかさがない。
(4) 私は14年間、スチュワーデスとして働いてきましたが、最近、体の不自由な方へのサービスについて、以前とは違う考えを持つようになりました。以前は、その方が何かおっしゃる前に、何をして欲しいかを察して、先回りして助けて差し上げるのがサービスだと考えていました。でも、よく考えてみますと、誰でも自分でできることは自分でやりたいと思うのではないでしょうか。ですから、お客様にとってありがた迷惑のこともあるわけです。ですから最近は、「どのようにお手伝いしたらよろしいですか」と、はじめにお聞きするのが、サービスの第一歩だと思うようになりました。
【問い】 文章の内容とあっているのは、次のどれか。
1 最近、体の不自由な人に対して、手伝うとありがた迷惑になるので手伝わない
と考えるようになりました。
2 最近、体の不自由な人に対して、何か言われても何もサービスしない方が良い
と考えるようになりました。
3 最近、体の不自由な人に対して、して欲しそうなことを察して、先にしてあげ
ると考えるようになりました。
4 最近、体の不自由な人に対して、何か手伝う前に、はじめにどうしたらいいか、
本人に尋ねると考えるようになりました。
(5) 私は子供の時に、自分の気持ちをあまり顔にあらわさないほうだったが、このことを今ではとても残念に思っている。というのも、今になって分かったのだが、両親が私のために計画してくれたことに喜びをさほどあらわさなかったために、何度も大きな失望を彼らに与えたと思われるからである。
【問い】 文章の内容とあっているのは、次のどれか。
1 子供のとき、自分の気持ちを顔にあらわさず、たびたび両親を失望させたことを残念に思っている。
2 子供のとき、両親が私のために計画してくれたことに、たびたび失望をあらわしたことを残念に思っている。
3 子供のとき、自分の気持ちを顔にあらわさず、両親が何もしてくれなかったことを残念に思っている。
4 子供のとき、両親をがっかりさせたくて、わざと表情に出さなかったのを、今では後悔している。
2級読解(2)
問題Ⅰ 次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。答えは、1・2・3・4から最も適当なものを一つ選びなさい。
人間が環境に適応してうまく生きていくためには、子供にしろ、学生にしろ、あるいはまた社会人にしても、さらに一家の主婦でも一国の総理大臣でも、自分のおかれた状況を意識し、その中での自身の立場をより知り、考え、それによって今どのように行動したらよいかを正しく判断することが求められます。この場合に動員される精神機能が、知能です。したがって知能には、直感とかひらめきのような瞬間的に心に浮かぶ判断力から、瞬間的には分からないが、長期間熟慮の末にようやく一つの判断にたどりつく心の働きまで、含まれることになります。
( ① )、心の働きの道筋や精神活動の手続きを踏まない本能的行動や動物本来の反射的行動などは、知能とは言えません。たとえとして、②野生のサルが食べ物を探して食べる行動を見てみましょう。
まず、サルが空腹を覚えることは、動物本来の生理的感覚ですから知能ではありません。しかし、その空腹感によって、食べ物を求めようとするとき、どこに食べ物がありそうかと考え、そちらの方向へ移動をはじめようとするのはサルなりに判断が働きますから知能でしょう。ところで、移動の際、どの道を通ったら完全で効果的かの選択は知能によりますが、走ったり歩いたりの筋肉運動自身は、機械的になされますから知能活動とは言えません。(A)
ともかくそのようにして、ある物体目撃し、それが食べ物か否かの判断はサルの知能によります。つまり、サルはその物体を直感的にか にかいずれにせよ観察して、③それがやはり食べ物だと見抜きます。そこで食べ始めるわけですが、元来物を食べる行為は無防備になることですから、サルは安全に食べられる場所を探せなければなりません。安全と思われる場所で食べ始めても、不意の外敵におそわれないよう絶えず周囲に気を配っていなければなりません。このような用心は( ④ )。(B)
一方、サルが食べ物をムシャムシャ食べる際、食べ物を噛むことは機械的に行われ、同時に唾液が口中に出てくることも反射によるものですから知能とは言えません。十分噛んでから胃のほうへ飲み込むことも消化管の反射運動ですので知能ではありません。(C)
さて、このようにサルで観察される知能的行動と反射的・本能的行動の絡み合いは、⑤レベルに大きな差はあるものの、人間の場合にも原則として当ててはまると思われます。つまり、人間では、サルと比べて知能を必要とする事柄が圧倒的に多いのですが、日常生活が知能と反射・本能によって、営まれていることは、サルも人間も共通ではないでしょうか。(D)
動物でもサルよりずっと進化の程度が低くなっていくと、その行動は知能によるものがだんだん減っていき、本能や反射に支配されるものが大部分となってきます。(中略)
端的な例ですが、アメーバの行動は安全に周囲の状況に対する反射によって起こるのであって、アメーバが、多少であっても知能を働かせて行動することがあるとは考えられません。言い換えれば、アメーバは知能などなくても生きていかれるし、子孫も栄えているわけです。
問1( ① )の中に入る適当な言葉を1,2,3,4から選びなさい。
1 これによって  2 この中で  3 これについて  4 これに対して
問2 ②「野生のサルが食べ物を探して食べる行動」とあるが、サルが食べ物を探して
食べるまでの行動の説明はどこまでか。
1 (A)     2 (B)    3(C)      4(D)
問3 ③「それ」は何を指すか。
1 その本能    2 そのサル   3 その物体   4 その直感
問4 ( ④ )の中にどんな文を入れるか。
1 知能と見るべきでしょう
2 知能とは言えないでしょう
3 サルの行動ではいないでしょう
4 サルにしか見られないでしょう
問5 ⑤「レベルに大きな差はあるものの」とあるが、これに最も近い内容はどれか。
1 サルのほうが知能が高いと判断される場合も多くあるが
2 他の動物は、サルよりずっと進化の程度が低いように見えるが
3 サルの生活に知能は必要ないので、比べるのは難しいが
4 知能を必要とする事柄は、サルより人間のほうが遙かに多いが
問6 本文の内容から考えて、次のうち「知能」と呼べるものはどれか。
1 食べ物を食べたいと思う。
2 食べ物かどうか見抜く。
3 食べ物に近ずくとき足を使う。
4 食べ物を口を中で噛む。
問7 筆者は、人間とさるはどんな点で同じだと言っているか。
1 知能的行動と反射的・本能的行動によって生活しているという点で
2 食べ物を探して食べるまでの行動がよく似ているという点で
3 どちらも、ほかの動物と比べて知能が非常に高という点で
4 どちらも、機械的・反射的行動がほとんど無いという点で
文章3:43314 21
問題Ⅱ 次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。答えは、1・2・3・4から最も適当なものを一つ選びなさい。
(1) これは終戦後間もないころ、①友人から聞いた話である。彼はだいたいが慎重な運転をする男だったが、ある日のこと、横町から突然、そば屋の青年が自転車で飛び出してきて、彼の自動車と衝突してしまった。
幸い青年に怪我はなかったが、自転車はめちゃめちゃ。早速大勢の人垣ができ、警察官もやってきた。友人が「私には責任はない。その青年の不注意だ。」と主張すると、その話を聞いた警察官は、「とにかく5000円払えば立ち去ってもよい。」と言ったという。
友人が、「ちょっと待ってください。私には落ち度がないのに、なぜ罰金を……」と問い返すと、彼は「いや、罰金じゃない。青年が可哀想じゃありませんか。」と答えた。その青年はおそらく店にいられなくなるだろう、だからせめてめちゃめちゃになった自転車の代金の一部だけでも、と警察官は考えたのだろう。
②④悪くすると、これは大きなトラブルになりかねない。友人は根が日本びいきで、日本語も日本人的心情も理解していたから、それ以上の論争にはならなかったが、どちらがよいか悪いかの問題ではなく、西洋と日本では、法や正義に対する考え方が、全く違うことが分かる。この警察官の考え方の中には、正義とか法とかいう理念よりも、極めて日本的な情けや情けといったものが深く入り込んでいたのである。
これは、実は人間味のある態度、考え方で、友人の話を聞いた私は⑤大きい感動した。理屈や理性だけで判断を下すのではなく、その前後の事情や個々の状況を参考にして、より人情味にあふれる決定を下すというのは、まさに人道的だと思う。
西洋的な法の観念に慣らされた者が、このような⑥③日本的に心情を理解するのは、かなり難しいことであるが、こういった⑦不合理な部分が許されるからこそ、日本は世界でも珍しく住みよい、人間の触れ合いのある国で居られるのではないだろうか。これらは、日本人が、自らの長所として、もっと自覚し、誇りを持って好いことである。
しかし同時に、こういった情けは、何とも定義しにくいものであり、客観的な法の理念の中に入れることは、なかなか難しい。そして、もしそれを許すなら、しまいには人権を守ることさえできなくなってしまう。
問1 ①「友人から聞いた話」の内容に含まれるのは、次のどれか。
1 事故で大勢の人が死んだ。
2 事故で怪我をした人はいない。
3 事故で友人は大怪我をした。
4 事故で自動車が使えなくなった。
問2 ②「悪くすると」とあるが、例えばどういうことか。
1 青年がその事故で病気になったりすると
2 警察官がその青年にお金をあげたりすると
3 私がそれを他の人に話したりすると
4 友人がそれを法的に問題にしたりすると
問3 ③「日本的心情」について、筆者が言いたいことは次のどれか。
1 人道的な面もあるが、自動車事故があると損がする人もいる。
2 人道的な面もあるが、法の理念が対立するところがある。
3 人道的な面もあるので、日本の警察官はもっと誇りを持つべきだ。
4 人道的な面もあるので、西洋の法律にも取り入れるべきだ。
問4 ④「不合理な部分」とは、どんなことを言うのか。
1 理屈だけで判断しないこと
2 罰金が安すぎること
3 西洋的な法の考え方に慣れていること
4 日本が住みやすいこと
2421 
(2)泳げないくせに、海が好きである。
幼い頃持っていた絵本に、夏の終わりの夜の海辺の情景があった。ひと夏を海辺の別荘ですごした少年と少女と母親が、しゃがんで線香花火をしているのである。海は暗くて、夜空を火球が走っている。見えるわけもないのに、ひとでやはまぐりが大きくはっきりとかきこまれている。花火の火で、三人の顔がほの明るく照されていた。大体そんなふうだったと思う。その脇に文字があって、それははっきり覚えている。「のこり花火は、①さびしいな。あしたは、汽車で帰るのよ」というのであった。海辺に別荘をもってひと夏をそこで過ごす。そんなすばらしいことがあるだろうかと子供心に思った。( ② )、私の父親は安サラリーの新聞記者だったから、8畳と6畳の賃貸しのアパートで暮らしていたので、③それどころではなく、そんな夢は叶うわけもなかった。それから数年間、海の全くないところで暮らした。そののち、夜ふけてくると風邪の具合で海が鳴っているのが聞こえる土地に住み着いた。夏の夕方など、自転車に乗っていった。海に近かずくにつれて路に砂が多くなる。そして、もうこれ以上乗ったままでは進めない、というところまで来ると路は終わっていて、松林の続く砂地になる。
自転車を引きずるようにしてさらに進むと蒼黒く変色しはじめている海が、いきなり視界にひらけた。今、日は堕ちたばかりで、まだ地平線近くには残像があるが、むくむくと這い上って来た積乱雲は蒼白で、東の空をいっぱいに占めている。波は狼の歯のように白い。
流れついた板の上に腰を下ろして、刻一刻と暗くなっていく夏の海を、いつまでも見ている。
泡が呟き、波は去っていく。なんかが起る。そんな予感を感じさせるのだった。あの頃からもまたずいぶん時がたった。もう幾年も、そんな夏の夜の海を見ない。
問1  ①なぜ「さびしい」のか。
1 花火がもうおわってしまったので、なんとなく寂しく感じたから。
2 ひと夏を海辺の別荘で楽しく過ごしたが、明日は帰らなければならないから。
3 明日、汽車で帰るのがどうしてもいやだったから。
4 ひと夏を海辺の別荘で楽しく過ごす少年と少女がうらやましかったから。
問2 ( ② )に入る、最も適当な言葉はどれか。
1 さらに   2 だから  3 ところで     4 しかし
問3  ③「それ」は何を指すか。
1 夏休みを家でのんびりと過ごすこと。
2 この母親や少年と少女と一緒に海辺の別荘に行くこと
3 8畳と6畳の賃貸しアパートで暮らすこと
4 海辺に別荘を持って、ひと夏をそこで過ごすこと
問4 この文章の内容として最も適当なものはどれか。
1 幼いころ読んだ絵本の中の海辺の情景にあこがれていたが、やがて海の近くに住むことができるようになり、とても満足している。
2 海が好きなのは、幼いころ、海の近くに住みたいとずっとおもっていたからであり、大人になってからも、大好きな夏の海をいつまでも見ていることがある。
3 絵本の中の海辺の情景にあこがれていた幼いころのこと、そして、海の近くに住んでいたころよく見た夏の海の様子が、今でも深く心に残っている。
4 昔見た夏の海の様子ははっきりと覚えているが、大人になった今では、もうそんなに海を見たくはない。
2443
(3)泳げないくせに、六日と十日とかいった長い夏休みが定着してきているようだ。しかし、私のようなフリーのアナウンサーには夏休みがない。週数回、決まった仕事をいただいているので、「休みたいとは申しわけない」と思ってもみる。
だが、「休めない」とか「忙しい」といった言葉に少しはずかしさも感じている。大学三年の時『パパラギ』という本を読んで以来だ。
『パパラギ』というのは「白人」という意味で、二十世紀初頭に、初めて文明社会を見た南太平洋のある島民の語るはげしい文明批判だ。彼は文明社会に感心するどころか、お金や物、仕事、時間、情報に追い回される毎日を笑う。
彼の島ではだれも忙しいなんて言わない。しかし、文明社会の人々は自分自身が作り出した忙しさに疲れ、いざ暇ができると遊びたいという欲望までなくしてしまっている。彼は「文明社会の①こんな貧しさを我々は、けっしてまねしてはいけない」と言う。
この本は「発展」や「勤勉さ」などの近代をささえる②価値観をくつがえしてしまうから、納得してもすぐさま実行する( ③ )。でも、あふれる情報、短い時間の中で本当に有意義なものだけを味わう余裕を持てば、少しは豊かになれるかもしれない。
新出単語
初頭(しょとう) 开始的时候
いざ 一旦,好啦
覆す(くつがえす) 颠覆,推翻
問1 ①「こんな貧しさ」はどんな意味か次の4つから選びなさい。
1 物のためにお金を使ってしまう
2 だれも忙しいと言わないこと
3 自分自身で作り出した忙しさに疲れていること
4 文明社会を感心すること
問2 ②『価値観をくつがえしてしまう』はどんな意味か次の4つから選びなさい。
1 価値観を否定してしまう
2 価値観を認めてしまう
3 価値観を許してしまう
4 価値観を古くしてしまう
問3 文中の( ③ )の中にどんな言葉を入れたらよいか。
1 ほうがいい 2 わけだ  3 どころだ  4 わけにはいかない
問4 上の文章の内容と合っているものを一つ選びなさい。
1 大企業ではまだ六日とか十日といった夏休みが一般的ではない。
2 島民は文明社会にとても感心した。
3 島民の考え方は絶対に実行できない。
4 筆者は『パパラギ』という本の中に、学ぶべきものがあると感じている。
3144
問題Ⅲ 次の(1)から(5)の文章を読んで、それぞれの問いに対する答えとして最も適当なものを1・2・3・4からーつ選びなさい。なものを1・2・3・4からーつ選びなさい。
 (1) ぼくの伊豆の別荘がキツツキに攻撃されている話は、確か、どこかでしたと思う。ぼくの家は、キツツキにスイスチーズのように穴だらけにされてしまった。もうほんとうにひどかった。穴を開けたままにしておくと、コウモリが入り込んだり、別の鳥が巣を作ったりするしかたがない、大工さんに穴を塞いでもらった。ペンキも塗り替えてもらった。ちょうど、十年はたったところだし、これぐらいの修理はしかたないか、と諦めた。新しいペンキの匂いは、キツツキを遠ざけてくれるだろう。そう考え、支払いのときの胸の痛みを柔らげる準備をした。
【問い】 「十年はたった」とあるが、いつから十年経ったのか。
1 キツツキに別荘を攻撃されてから。
2 別荘のペンキを塗り替えてもらってから。
3 別荘が建てられてから。
4 筆者が別荘を修理しようと思ってから。
(2)人間は生まれてから沈黙の期間が約一年間あります。その間に回りの人たちの話す言葉を言葉として認識し始めます。そして、その後、物事と言葉の対応から言葉を次第に身につけ、次に、状況に合わせて自分から決まり文句や二語分を言い始めます。一度ある場面で、模倣でなく自発的に口にした表現を子供たちは忘れることなく、いつまで引き出して使います。言葉を出す時には、常に状況があり、その状況を即座に判断し、瞬時に何を話すかを頭の中で考えているのです。この過程が大事なのです。一度言った言葉を忘れないのは、思考を通してそれを自分の口から使うことによって、自分の言葉として定着していくからです。
【問い】 下線部の「この過程」を現しているものを一つ選びなさい。
1 物事と言葉の対応 →状況の認識  →思考
2 思考       →状況の認識  →自分の言葉
3 状況の認識    →思考     →自分の言葉
4 状況の認識    →自分の言葉  →思考
 
(3) 単身赴任は、どの家族にとっても、大変な(  )の末の決断である。様々な要素を考え合わせたあげく選ぶ道だ。二年ほど前の総務庁統計局の推計によると、単身赴任者は増え続け、約四十五万五千人になっていた。
【問い】 (  )に入れる適当なものを選びなさい。
1 喜び    2 悩み    3 苦しみ     4 悲しみ
(4)人は良く美しい言葉、正しい言葉について語る。しかし、私たちが用いる言葉のどれをとってみても、単独にそれだけで美しいと決まっている言葉、正しいと決まっている言葉はない。ある人があるとき発した言葉がどんなに美しかったとしても、別の人がそれを用いたとき同じように美しいとは限らない。それは、言葉と言うものの本質が、口先だけのもの、語彙だけのものではなくて、それを発している人間全体の世界を(中略)背負ってしまうところにあるからである。人間全体が、ささやかな言葉の一つ一つに反映してしまうからである。
【問い】文章の内容とあっているのは、次のどれか。
1 美しい言葉が、正しい言葉はいつどこで使われても美しく、正しいものだ。
2 有る言葉が、美しいか正しいかと言うことは、その言葉を使う人の美しさ、正しさによって決まる。
3 私たちはできるだけ、美しい言葉、正しい言葉を使うよう、心がけなければならない。
4 一つ一つの言葉は、それを使った人の人間像を映し出すといえる。
(5) 「成田の飛行場なんかでね、アメリカ出張から帰ってきたビジネスマンが、迎えの人と握手してるのをよく見ますがね、あれはね……。ニューヨークの空港では握手で別れてきても、こっちへ帰ってきたらやっぱりお辞儀しなきゃ……。アメリカ式が何でもいいなんて思ってる人は本当の国際人じゃないね。」
【問い】作者が言いたいなのは何か。
1 空港で握手するのはおかしい。
2 ビジネスマンはお辞儀をするべきだ。
3 アメリカ人は国際人ではない。
4 国によって挨拶を使い分けるべきだ。

2級読解(3)
問題Ⅰ 次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。答えは、1・2・3・4から最も適当なものを一つ選びなさい。
集団の中での人間の行動を見てみると、なかなか面白い。例えば、満員電車に乗っている人々を観察してみると、①こんなことに気がつく。駅に停車したときに新たに乗り込んでくる人たちは、電車の奥に向かって、ある一定の方向に進む。( ② )電車の中に立っている人たちは、この新たな乗客のじゃまにならないような立ち方をする。乗っている人も乗ってくる人も、ある一定の動きをするのである。一人一人の乗客は全くの他人であるが、③この時ばかりは違う。狭い場所を共同で使う仲間であり、混雑した電車を毎日利用している仲間なのである。新入りの仲間のために、すでに余裕のあまりなくなっているスペースを、分けてあげようとしているとも見える。そして、電車が規則的に揺れるのに合わせて、少しずつ少しずつ、より衝突の少ないポジションに身を動かしている。このとき、人の流れに逆らうような立ち方をしている人がいるとすれば、それは満員電車を利用した経験のあまりない人だろう。
また、駅やデパートのエスカレーターの乗り方にも、人々の中に④一定のルールがあるようだ。エスカレーターに立つ時、右でも左でも、どちらか一方に立ち、片側を空けて立つのがエチケットらしい。その右か左かどちらを空けるかについては、同時にエスカレーターに乗っている人々の立ち方に合わせているようで、あとから乗ってきた、急ぎの利用者が通りやすいように「追い越しに車線」を作っている。もし、エスカレーターの中央で、大きな荷物を両方の手に下げて立っていたりしたら、後からやってきた、元気の良い、急ぎの人に⑤にらまれることになるだろう。
エレベーターの中でもそうだ。途中の止まった階で乗り込んでくる人々はエレベーターのドアに向かうように、180度向きを変えて立つ。そして、そうすることにより、お互い顔を見合わせる必要が無くなる。エレベーターの中で、他の利用者の顔を真横から見るような位置に立ったりすると、⑥不必要な誤解をされるから、気を付けた方がよい。
都会で生活していると、込んだ場所に行くことが多い。そのような場所で見知らぬ人々に取り込まれているのは、考えてみると気味が悪いものだ。しかし、視点を変えて、この見知らぬ人々を観察して見るくらいの気持ちで接してみると、これはまた、なかなか興味深いものになる。誰が満員電車に乗るベテランか、だれが公衆道徳を心得た人で、誰がルール違反か、などと考えてみると、けっこう退屈しないものだ。しかし、観察にあまり熱心になりすぎて、降りるべき駅や階を間違えたり、まったくの他人を直接見つめるような失礼をしないよう、( ⑦ )。
問1 ①「こんなこと」は何を指すか。
1 集団の中には面白い人がいること
2 満員電車に乗っている人はおもしろいこと
3 電車に知っている人が乗ってくること
4 満員電車の中では人が一定の動きをすること
問2 ( ② )に何が入るか。
1 また   2 すべて   3 すでに   4 まだ
問3 ③「この時ばかりは違う」とあるが、どうしてか。
1 同じ電車に乗ると友達になるから。
2 いつも同じ電車に乗る知り合いだから。
3 仲間のような意識ができるから。
4 満員電車に乗るのは特別な人だから。
問4 ④「一定のルール」とは、どういうことか。
1 片側を空けて立つこと
2 前後の人とは反対の側に立つこと
3 前の人を追い越して進むこと
4 荷物は片手に下げて持つこと
問5 ⑤「にらまれることになるだろう」とあるが、なぜだと考えられるか。
1 荷物を持ってエスカレーターに乗るのは危険だから。
2 元気のいい人が手伝わなければならなくなるから。
3 急ぎでいる人が追い越して進めないから。
4 エスカレーターは元気の良い、急ぎの人が使うものだから。
問6 ⑥「不必要な誤解をされる」とあるが、誤解をするのは誰か。
1 途中から乗り込んできた人
2 180度向きを変えて立つ人
3 他の利用者の顔を見るように立つ人
4 他の人に見られていると思った人
問7 ( ⑦ )の中には、どんな文を入れたらいいか。
1 くれぐれもご注意を
2 やめるべきである
3 お知らせ下さい
4 自信がありますか
43313  41
問題Ⅱ 次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。答えは、1・2・3・4から最も適当なものを一つ選びなさい。
 (1) 日本の気候の特徴は、はっきりと四つの季節に別れていることである。と言うと、しばしば外国人の方からお叱りを受ける①そうだ。他の国々だって季節は四つある。別に日本だけが特別なわけじゃない。
確かにそうかもしれない。でもこれは、日本と外国を比べるときに必ず使われてきた言い回しなのだ。あるいは、日本の英語教育の中では、既に常識となっている表現であるといってもいい。だから、日本の学生が、外国人に向かって日本のことを説明するときには、必ず話しのどこかにこのフレーズが入れられる。もちろん、特別に日本の気候は素晴らしいと誇りたいわけではない。ただ、「外国に日本を伝える」という状況になると、②条件反射的に口から出てしまうのだ。
( ③ )、そんな決まりきったないようの話しなど、外国の人が聞きたがるはずがない。彼らが聞きたいのは、たとえば日本の文化や、国際問題に対する一日本人の見解であり、要するに心の底から湧き上がって来る真実の声なのだ。けれども、そんなことを話せるようにする英語教育は日本にはほとんど無い。英語を使える人間は増えても、英語でコミュニケートできる人間はなかなか現れてこないのだ。
こうした現状の背景には、日本が育ててきた固有の文化を知らない日本人が多いということがある。語るべき内容を持っていないのだ。話せる④わけがない。どうも英語教育だけに問題があるのではなさそうだ。
情報が瞬間的に世界中を飛び交い、地球の反対側の国で起きた出来事が、まるで隣の家で起きた事件であるかのように報道される時代にあっては、とりわけ自分の本音を正直に語れる勇気と能力が必要とされる。まず語るべき内容をしっかりと自らの内に持つことである。そのうえで、地球上の国々と仲良く付き合ってための英語とは何か、日本の英語教育、さらには日本人の英語観を改めて見直す時期に来ているようだ。
問1 ①「そうだ」と同じ使い方の「そうだ」は、次のどれか。
1 雨が降りそうだが、出発した。
2 あの車はとてもよさそうだ。
3 彼も一緒に行きたそうだ。
4 友達は朝早く出かけたそうだ。
問2 ②「条件反射的に」とは、なぜか。
1 外国人のためには、この表現が一番良いと決まっているから。
2 日本の学生の英語能力が足りないので、この表現がよく使われるから。
3 日本のことを外国に伝えるときに、使われることがある言い回しだから。
4 日本の英語教育の中で、常識となっている表現だから。
問3 ( ③ )に入る言葉は何か。
1 また   2 しかし    3 さらに   4 そして
問4「わけ」と同じ意味の「わけ」は、次のどれか。
1 お願いだから、そんな訳の分からないこと言わないで。
2 一日に五回も電話するなんて、それじゃ彼女も怒るわけだ。
3 あの仕事に比べたらこんな仕事、わけはない。
4 なにもしていないのだから、そんな物受け取るわけにはいかない。
4424
(2) 地球の長い歴史のなかで、いまからおよそ35億年以上も前に生命が海で誕生したといわれています。そうして、原始的な生物が進化の長い道のりをへて海の中で徐々に変化し、一部の生物はやがて陸上へとあがっていったといわれます。陸上動物の体液が、海水の組成にひじょうによく似ていることはよく知られています。このため、①海は「生命の源」、「母なる海」などといわれます。
ところで、私たち人間はどのような環境でも生きられるのではなく、大まかに見た場合には、地球をとりまく大気が現在のような②条件下でないと、安定した生活は成りたたないのです。温度にしても、湿度にしても、酸素あるいは二酸化炭素にしても、かぎられた範囲の中でなければ、人間は長期にわたって安定して生活しつづけることは不可能です。このような大気の条件を比較的安定した状態で保つのに、海はきわめて重要な役割を演じているのです。食糧の供給というような面のみならず、人間生存の場としての地球の環境を維持するうえで海のはたしている役割を正しく理解することは、私たちが快適な生活をつづけるためにも、また他の多くの生物がこの地球上で繁栄しつづけるためにも、③たいせつであるといわなければなりません。
昔から「青い海」とよくいわれてきました。たしかに人工衛星から撮影した地球の写真を見ると、海のかなりの部分が青く見えます。しかし、ミクロに見ると、内湾や沿岸部をはじめとして、海の汚れは近年いちじるしいものがあります。海岸にたって見たとき海が青く美しく見える場所は、現在の日本ではどのくらいあるでしょうか。海の汚れは、その大部分が私たち人間のいろんな活動の結果なのです。いちじるしく発展した産業活動はもちろんのこと、私たちの日常生活の結果としても海が汚れていきますし、戦争もまた海を直接間接に汚すことに大きくかかわっています。近年、海洋開発の名のもとに、海の多面的な開発利用が各方面で検討されています。私たち人間は、陸にしても海にしても、それらを多かれ少なかれ④改変することなしには生きてゆけないまでに活動をひろげてしまいましたが、いまや、海の利用が、長い目で見て地球環境にどのような影響をおよぼすかを十分に考慮したうえで、賢明に行動しなければならないときにきていることをつよく認識しなければなりません。
新出単語
大まか(おおまか) 粗枝大叶,粗略,草率
とりまく 围住,包围,围绕
ミクロ 微观的
多かれ少なかれ(おおかれすくなかれ) 或多或少,多多少少
問1 ①「海は「生命の源」、「母なる海」などといわれます」とあるがなぜか。
1 35億年以上前に生命が誕生したから
2 原始的な生物が長い道のりをへて変化したから
3 海で生まれた生物が陸上動物に変化したから
4 生命が生まれたのは海だったから
問2 ②「条件下」とあるが、何の条件か。
1 大気 2温度と湿度 3温度と湿度と酸素と二酸化炭素 4食糧の供給
問3 ③「たいせつである」のは何か。
1 海が食糧の供給や環境の維持に重要な役割をはたすこと
2 海のはたしている役割を正しく理解すること
3 私たちは快適な生活を続けること
4 多くの生物が地球上で繁栄すること
問4 ④「改変する」と同じ意味で使われている言葉はどれか。
1 開発   2 活動   3 検討   4 海洋
4121
(3) お盆を故郷で過ごしてきました。10年ぶりに帰ったものですから、①何もかも懐かしくて、毎日山や野原などを歩き回りました。でも、昔、子供の頃友達と遊んだ城跡の見晴らしい台に登って、②がっかりしてしまいました。
あのころは、青々とした野原で牛がのんびりと草を食べている姿を楽しんだものです。そして、その向こうには、青い海がどこまで続いていたはずです。でも、10年ぶりに見た故郷の風景は、牛のかわり、鈍く光るたくさんの工場と大きな石油タンクで海が見えなくなっていたのです。
ただ昔が懐かしい、というだけで故郷の変わった姿を批判する( ③ )はありません。地方の経済的な発展についても理解しているつもりです。けれど、自然の姿を全然考えないような変化や発展などに賛成できません。自然と( ④ )した形での発展を、私たちはもっと考えていかなくてはならないのではないでしょうか。
問1 ①「何もかも」と同じような意味の言葉はどれか。
1どちらも  2どれかが  3どれもこれも  4どれでもなくて
問2 ②「がっかりして」とあるが、なぜか。
1 10年間ずっと故郷に帰ることができなかったから。
2 10年ぶりに帰った故郷の姿が、大きく変わっていたから。
3 昔の友達が居なくなって、とてもさびしくなったから。
4 草を食べている牛が、ほとんど居なくなってしまったから。
問3 1気   2頭   3心   4手
問4 1協力  2調和  3変化  4批判
文章1:3212
問題Ⅲ 次の(1)から(5)の文章を読んで、それぞれの問いに対する答えとして最も適当なものを1・2・3・4からーつ選びなさい。なものを1・2・3・4からーつ選びなさい。
(1) ある有名な野球監督が、現役中、少なくともゲーム中には、実に無表情で誰に対しても二コリともしないということで、有名だったそうです。それが引退してから、ある新聞記者の問いに答えて、ある人間に笑顔を見せたということになると、その人には親しみを持っているけれども他の人間にはそうでないということの表示になる、だから自分は、現役のあいだは、選手の個々と常に全部同じ距離を持っているということを示すために、表情を変えなかったんだということを言ったそうです。
これは管理という行為を見事にあらわしているエピソードだと思いますが、人と人が触れ合って理解していくことを殺す作業であることははっきりしています。そこでは部下の“性格”理解は支配し操作する支配の一部となる。そればかりか、管理のための行為のくり返しが、管理者の性格を限定し作り出していく。
【問い】 この文章では、「管理する」とはどういうことか。
1 監督が選手の世話をすること    
2 人と人が触れ合って理解し合うこと    
3 上のものが下のものを支配し、操作すること
4 上司が部下の性格を理解すること
(2) 都市計画の問題点を、今度は交通機関の状況から見ていきましょう。ここ20年の人口の郊外化で、住むのは郊外、仕事は都心という職住分離が著しくすすみ、郊外と都心を結ぶ交通機関の現状には大変厳しいものがあります。また、地方ではまだまだ整備されていない道路が残されており、それも問題になっています。
たとえば、1980年の一世帯あたりの乗用車保有台数を見てみると、都市では一世帯当たり、0.65台所有している一方で、地方都市では0.82台と多くなっています。これは両者とも5年前に比べると25%の伸びになっています。
ところが道路整備水準を見てみると、都市では524%、地方では46.4%となっていて、地方での整備が遅れていることが分かります。
【問い】文章の内容とあっているのは、次のどれか。
1 車を持っている人は都市のほうが多いが、道は地方のほうがよい。
2 車を持っている人は地方のほうが多いが、道は都市のほうがよい。
3 地方の方が車を持っている人も多く、道もよい。
4 都市の方が車を持っている人も多く、道もよい。
(3) 各地を旅行するたびに、同じ日本でも、土地が違う人々の生活も違うものだ、と痛感させられることが多い。
もちろん、たとえば「駅前の風景は全国どこでも同じようなものになった」などと言う人がいるように、平準化の傾向はある。だが、それは表面のことだ。それぞれの土地の特徴は、世の中が便利になり、情報や交通の量が多くなっても、そうかんたんには消えない。
それは土地の人と会ってゆっくり話をすれば、すぐわかる。早い話、生活の時間割りからして違う。時間の流れ方も違う。関心のありかが違う。空気がきれいかどうかという違いもある。
【問い】 「土地の特徴」とあるが、それはどこから見出すことができるか。
1 生活の便利さ
2 情報の量
3 交通の便利さ
4 人々の過ごし方
(4) ここで魚貝と食肉の消費状況について、もう少し詳しくみてみよう。消費数量も価格も伸び、したがって購入支出も伸びているのは、ハム、ベーコンといった蓄肉加工品である。塩干魚貝もこのタイプに属している。一方、消費数量は伸びているが、価格が下落気味のもの、しかし、数量の伸びが大きいため、支出額も大きくなっているものとしては豚肉、とり肉を主体とした食肉、ソーセージなどで、牛乳、バター、チーズもこれに準じている。次に、消費数量は減少しているが、価格上昇が著しく、そのため支出額が増えているのは生鮮魚貝と野菜である。生鮮魚貝は数量的には減少しているので、その意味では「魚ばなれ」が起こっていることになるが、数量を金額に置き換えると、消費はむしろ増加している。つまり、金額的に見ると「魚ばなれ」は見られないということになる。
【問い】 「その意味」とはどういう意味か。
1 価格が下落気味という意味
2 消費数量が減少しているという意味
3 価格上昇が著しいという意味
4 支出額が増えているという意味
(5) 最近、駅や道でファストフード店のサービス券を配っている。よく見ると割引券ばかりではない。一つ買うと、もう一つついてくる、つまり、一つ分の値段で二つもらえる、という券もあることに気付く。一つ食べればおなかがいっぱいになるときも、ただだからもう一つもらわなければ損をするような気になる。しかし、結局二つも食べられずに捨ててしまうこともあるのではないか。こんな売り方ができるのなら、客のために初めから値段を半分にできないものだろうか。
【問い】作者が一番言いたいのは何か。
1 最近のファストフード店はサービスがいい。
2 ファストフード店ではサービス券を使わなければ損をする。
3 ファストフード店のサービス券は客にとって本当にいいものか疑問だ。
4 ファストフード店で一つだけ食べたい客は困る。
2級 読解(4)
問題Ⅰ 次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。答えは、1・2・3・4から最も適当なものを一つ選びなさい。
渋谷駅を出たところでティシュペーパーを配っている若者がいて、花粉症を抱えている私は喜んでもらった。若者は「このティシュを見せて向こうで福引をしてください」といったが、先を急いでいたので、そのまま通り過ぎようとした。すると、後ろで「おかあさん、おかあさん」と①声がする。振り返ると、福引の箱をもった若者が、「おかあさん、福引、福引」と叫んでいる。「ごめん、急いでいるの」といって、タクシーに乗ってからふと思い出したことがある。
私の母は東京に住むようになったとき、東京の人は②わたしを「おばさん」と呼ぶ、といって③怒っていた。関西では中年女性を「奥さん」と呼ぶのが普通だった。「おばさん」はよく遠慮のない関係か、時には下目に見ても許されそうな人に使われていたのである。
④そのうち母は「おばさん」ではなく、「おばあちゃん」と呼ばれるようになった。東京にも「ご隱居」とか「大奥さま」という呼び名があったのだから、これは西と東の違いではなく民主主義がうち壊した呼称なのであろう。
今では階級意識が消えただけでなく、未婚既婚の別がわからなくなっている。「奥さん」と呼ぶべきか「お嬢さん」というべきか、見ただけではわからない。年をとっても若造りをするようになったから、「おばさん」と「おばあちゃん」の区別もつきにくい。
―――駅からズボンにセーターの、何だか大勢のいい女(つまり私)が出てきた。ばあさんのようだが、大股に人を追い抜いていくところはどうもおばあさんらしくない。( ⑤ )「奥さん」と呼ぶには、あのランランと光る目は家庭向きではないように思える。「おばさん」と呼ぶべきか「おばあちゃん」というべきか。彼(福引の人)は一瞬考え、そこで最も普遍的な「おかあさん」を考えついたのかもしれない。
⑥このことを人に話したら、そりゃ佐藤さん、ムカついたでしょうといわれたが、どうしてムカつくことがあろう。
おかあさんーーー
私は気に入った。そのほのぼのとした響き。少なくとも「先生」よりはよっぽどいい。
問1 ①「声がする」とあるが、誰が誰に声をかけたのか。
1 ティシュペーパーを配っている若者が筆者に
2 ティシュペーパーを配っている若者が通る人に
3 福引の箱を持った若者が筆者に
4 福引の箱を持った若者が通る人に
問2 ②「わたし」は誰か。
1 筆者
2 筆者の母
3 関西の中年女性
4 東京の中年女性
問3 ③「怒っていた」とあるが、それはなぜか。
1「おばさん」は中年を意味するから。
2「おばさん」は東京の女性にしか使わないから。
3見知らぬ人から遠慮無く「おばさん」と呼ばれたから。
4「ご隱居」か、「大奥さん」と呼ばれたいから。
問4 ④「そのうち母は……ようになった」とあるが、それはなぜか。
1 孫が生まれたから。
2 一目で老人と分かるようになったから。
3 関西と東京では、呼び方が違うから。
4 民主主義がさらに進んだから。
問5( ⑤ )に何を入るか。
1それどころか  2にもかかわらず  3かといって  4そのうえ
問6 ⑥「このこと」は何か。
1 筆者が「おかあさん」と呼ばれたこと
2 急いでいたのに呼び止められたこと
3 女性をどう呼ぶべきか、わかりにくくなってきたこと
4 見知らぬ女性には「おかあさん」と呼べばいいと分かったこと
問7 本文から、筆者は、ふだんどのようによばれていると考えられるか。
1おかあさん  2おばさん  3おばあちゃん  4先生
文章3:32323   14
問題Ⅱ 次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。答えは、1・2・3・4から最も適当なものを一つ選びなさい。
 (1) 人間の行動には、多くの場合、相手がある。パートナーがある。たとえ喧嘩相手であっても、相手があるということは、ないよりどれだけうれしいことかわからない。相手が有ればこそ人生には救いがある。人間というのは、とても悲しい動物では、けっして一人では生きられないのだ。
宇宙飛行士の訓練に当たって、アメリカでは、ずいぶん「孤独実験」というのを繰り返したそうだ。外界から遮断された宇宙船カプセルの模型に飛行士を一人入れて、2、3日と孤立状態を続けてみる。( ① )最初のうちは元気な人間が、だんだん活気が失ってくる。寂しさや不安を生み、人によっては、幻覚に悩まされたりする。一人旅というのは、短期間なら、気兼ねもいらず、ロマンチックなところもあって、大きいに結構だけれども、長期にわたって、一人というのは②やりきれない。つまり相手が欲しい。柳田国男先生の美しい言葉を拝借すれば、「伴いを慕う心」という心理が、人間にはつきまとうのである。人間とは、お互いに人恋しいものである。
一人で食事をする、というのも、たまにはいいけれど、いつも一人というのはたまらない。私は外国での一人暮らしという経験が何回かあるけれども、朝、昼、晩と一日に三回、一人だけで食事する日が何日も続くと、食欲がぐんと低下することを自ら発見した。アパートの壁とにらめっこして、③ボツボツと食事を口に運んでも、ちっともおいしくない。だから、私は、夕飯は必ず友人を誘うことにした。そうすることによって、体と心の健康を維持することができた。
そして、そういう経験の中で、私ははじめて、主婦のノイローゼ症状というものが分かった。とにかく、朝のうちに、夫と子供を送り出し、それから、夕方まで一人で狭い部屋の中に閉じこもっているのだから、あえて宇宙飛行士なみとは言わないまでも、相当な孤独実験に主婦たちは自ら投入しているのである。主婦の昼食というものが、一般的に言って極めて簡単であって、例えばお茶漬け、ラーメン、あるいはトースト一枚、といったものであるのは周知の事実だが、これは必ずしも主婦の倹約精神によるものではない。一人で食事をするとくには、いくらご馳走を作っても美味しくないし、楽しくもないことが多いのである。
要するに、人間は人間を相手にするとき、人間として健康なのである。キャッチボールも食事も仕事も、相手があってこそ張り合いがある。それは、人間生活の基本である、また基本的真実というものだろう、と私は思う。
問1 ( ① )に何が入るか
1そこで   2それに  3すると  4そして
問2「やりきれない」と同じような意味の言葉は次のどれか。
1面白くない   2我慢できない  3さしつかえない  4わからない
問3 ③「ボツボツと食事を口に運んで」とは、どんな感じを示すか。
1 一人で静かに食べている感じである。
2 体のために、無理にいろいろな食べている感じである。
3 つまらなそうに、しかたがないから、食べているという感じである。
4 出ているものを、次々と片付けるように食べている感じである。
問4 ④この文章から考えて、ただしいと思うものはどれか。
1 人間とは、いざとなれば、一人でも生きていける動物である。
2 筆者は主婦のノイローゼ現象には、初めから深い理解を持っていた。
3 主婦は夫や子供を送り出した後も、一人であれこれ仕事をし、食事も質素なもので我慢するという人が多い。
4 人間は、常に友を求める気持ちを抱いているのである。
3234
(2)最近、ダイエットをする若い女性が増えているそうだ。そういう私も、悩み多き年頃の女性の一人であると思っているから、ダイエットについては他人事ではない。
ダイエットは今や社会問題の一つにまでなっている。でも、それはダイエットを考えるだけで解決できるものではないだろう。私たちは、はっきり言って、太りたくないのである。やせたいのだ。そのための手段としてダイエットを選ぶことに、何か問題点があるのだろうか。
現代は生活のあらゆるところに機械が入りこんできて、われわれの日常生活はとても便利になってきている。しかしその反面、豊かになった生活は、われわれの運動量を減らすことに繋がった。運動量の減少は必然的に肥満を招くことに繋がる。食生活の充実も①それに拍車をかけるものだろう。 特に その欧米化が進んだために、心臓の病気が原因で亡くなる人の割合が高くなってきているのは問題である。
肥満を防ぐにはスポーツがいい。と言っても、それですべてが解決するわけではない。やはりカロリーを取り過ぎないようにしなくてはならない。ただ、私も含めて現代の女性たちは、太らないために、必要以上に気を使っているように思えるのだ。スポーツと言っても、何となくファッション的で長続きしないし、苦労の多そうな運動はしなくてする。
食べる量をうまくコントロールしながら、規則正しく食事をとり、適度のスポーツも進んでするようにしたい。行き過ぎたダイエットは②かえって自分の体にマイナスになるだけと信じて、生活を見直していきたいと思う。
あっ、しまった。あした彼とデートするのに 、今日もしっかりハンバーガーにスパゲテイ、そしておやつのケーキを食べてしまった。これじゃあ、だめ。夕食は抜きにして       
おっと、③いけない、いけない。ちょっと、ジョギングでもしてこよっと。
問1  ①「それ」は何を指すか。
1 運動量を減らすこと
2 日常生活
3 肥満を防ぐこと
4 食生活の充実
問2  ②「かえって」の意味は何か。
1 後に  2 次に  3 反対に  4 すぐに
問3  ③「いけない、いけない」とあるが、何がいけないのか。
1 ダイエットしようと思ったのに、たくさん食べてしまったこと
2 規則正しく食事をとると言ったばかりなのに、夕食をやめようと思ったこと
3 食べ過ぎたために、デートするときに着る洋服がなくなってしまったこと
4 食べ過ぎは行き過ぎたダイエットを同じように、体にマイナスになること
 3 3 2
(3)私は人の名前を覚えるのが苦手だ。顔を見れば、いつかどこであったに違いない、と思うのに、①それが名前となかなか一致しないのだ。うっかり、「あなたのお名前は?」と直接聞くわけにもいかないだろうし、失礼に当たるような気もして、つい尋ねるチャンスを逃したままに会話を続けてしまう。そのうちに、ごく自然に相手が自分の名前を言ってくれるように、話を持ってゆくのは、なかなか技術の要ることだ。それにこちらとしてはまだな前がわからないままに話を続いていることを、悟られてはならないのは、言うまでもない。どうもいらいらする時間だ。この苦しい一時を過ごし、別れてからすぐに「ああ、あの人は田中さんだった」と簡単に思い出して、➁悔しい思いのすることが多い。
これは、私だけの弱点かもしれないが、またひょっとすると、日本人にかなり共通のことかもしれない、とも思う。名刺を交換するという習慣があるものだから、口で自己紹介することに、③あまり本気でかからないということがあるのではないだろうか。少しぐらい名前がはっきり発音されなくても、どうせあとで、名刺を見れば分かる、などとのんきに考えてしまうのだ。
問1 ①「それ」は何を指すか。
1 名前    2 顔      3 私    4 苦手
問2 ②「悔しい思い出」の「悔しい」はなぜか。
1 相手の名前を直接聞かなかった。
2 相手の名前がわからないままに別れた。
3 相手と別れてからすぐその名前を思い出した。
4 名前をよく忘れるのは私の弱点だ。
問3 ③「あまり本気でかからない」とあるが、その原因は何か。
1 日本人には私と同じように弱点がある。
2 日本人の発音がはっきりしない。
3 名刺交換をのんきに考える。
4 どうせあとで名刺を見れば分かる。
234
問題Ⅲ 次の(1)から(5)の文章を読んで、それぞれの問いに対する答えとして最も適当なものを1・2・3・4からーつ選びなさい。
(1)最近いたずら電話が問題になっているが、電話を受けたとき、発信者の電話番号がすぐわかる留守電話が売り出される。この電話は、電話がかかってきたとき、相手に「電話番号を入力してください」とのメッセージを女性の声で読み上げる。入力しなかった場合は数秒後に「ただいま留守です。メッセージがあれば……」という。入力した場合は電話番号が示されるので、「怪しい番号や話したくないなら受話器を取らず、無視できる」と言う。
【問い】 文章の内容とあっているのは、次のどれか。
1  電話に出る前に相手が知り合いかどうかを確認したい人はこの電話を使う。
2  留守の時にもメッセージを受けられるようにしたい人はこの電話を使う。
3  相手が留守ではないことを確かめてから電話をしたい人はこの電話を使う。
4  間違えないように番号を確認してから電話を掛けたい人はこの電話を使う。
(2)解こうとしても解けない、科学の力を持ってしても、解きがたい問題、そういう謎もあります。つまり、解けない、不明であるのが謎なのです。
(       )、謎とは、天然に人類に与えられた不可解な事象を言う言葉ではなかったはずです。謎は、これが分かるかね、解いてごらんと言って提出する設問で、相手はこれを解こうとして考える。どうしても解けない謎はないはずで、もしどうしても解けないようだったら、その謎に欠陥があるためで、不出来な謎ということになります。
【問い】 (       )に入れる最もで適当な言葉はどれか。
1 また   2 なぜなら   3 しかし   4 ときに
(3)アメリカから日本に移り住んで五年あまり、日本語はかなり上手に使えるが、(     )ばかりは、いまだに使いこなせなくて困っているアメリカ女性がいる。
日本人は、親切を受けた時と次に会った時の、最低二回は謝意をあらわすということを、彼女は頭では理解していた。その上、現実の場面で、相手が、そのことばを今か今かと待ち望んでいることまで、見ぬいている。それなのに、ことばが自然に出てこない。彼女の表現リストの中には、(    _ )は入っていないので、懸命に努力しても思い出せないのである。幼い頃からの言語習慣からぬけ出して、外国語を、場面に応じて適切に使いこなすことは難しい。
【問い】 下線部に入る言葉は、次のどれか。
1 おかげさまで       2 いつもお世話になって。  
3 この間はどうも      4  こちらこそ。

(4)年寄りは礼義正しく、若者は粗野だと一般にいわれるが、そうとばかりはいえない。年配の人ほどエゴイズムがひどい。昔の大人はいつでも肩書きを背負っていて、肩ひじ張った付合いではなかったか。いまの若者は国境を越え、人種を問わず、すぐ話合いができて仲よくなる。明治、大正期には人間としてのコミュニケーションがなかった。いまは国家や民族や階層をこえた人間同士のコミュニケーションで、新しいマナーができつつある。
【問い】 「明治、大正期には人間としてのコミュニケーションがなかった」とあるが、それはなぜなのか。
1 しつけが厳しかったから。   
2 エゴイズムがひどかったから。  
3 年寄りも若者も礼義正しかったから。   
4 肩書きなどを気にしていたから。
(5)最近はリサイクル運動など、環境保護の気運が高まってきた。私たちの住む美しい地球を子供たちに残すために、いったいどんなことができるだろうか。一つの問題は資源の保存であり、二つ目は公害などによる環境破壞の問題だ。つまり、私たち一般市民が日常生活できることは、限られた資源を節約することと、これ以上環境、つまり大気や水その外の破壊しないことだ。しかし、それはかなり難しいことで、毎日の些細な行為が実は環境破壊につながっていて、現代人の生活は根本的に変化を迫られているといえる。例えば、朝起きて出かける前にするヘアスプレーは地球のオゾン層を破壊するし、車で出かけるともちろんガソリンの浪費と大気汚染。昼外食する時の割り箸やプラスチック、スプーンも、資源の無駄使いということになる。
【問い】作者が一番言いたいことは何か。
1 現代人の生活は便利である。
2 現代人の生活を大きく変えると、環境保護ができる。
3 現代人の子供は、大人より環境保護の意識が高い。
4 現代人の生活に必要な資源を節約してはいけない。
2級 読解(5)
問題Ⅰ 次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。答えは、1・2・3・4から最も適当なものを一つ選びなさい。
最近、私は、若い人からよくこんな質問を受けることがある。この間も、有るテレビ番組で、このような質問を受けた。「学校で、いろいろなことを勉強するが、いったいその何パーセントが、将来の自分の職業や人生に役立つんでしょうか」
一言で答えるには、難しい①質問である。確かに、実社会で立派に活躍している人でも、中学,高校で学んだことを現時点でテストしたら、少なくとも現実の仕事と関係のない科目では、できのよい今の中学・高校生以下の成績におわるのがオチだろう。習ったことのかすかな記憶はあっても、ほとんどのことは忘れていて、回答を出すことは容易ではない。
多くの人の体験でいえば、学校生活の②そうした記憶は勉強内容よりも、あの先生にこういう風に褒められたとか、しかられたとか、因数分解は忘れたけれども、因数分解を習っているときには苦労したとか、課外活動やスポーツでの愉しさとか、そういったことが一番印象に残っているのである。
では、なぜ人は学ぶのか。
人間の脳は、過去の出来事や過去に得た知識を、きれいさっぱりわすれてしまうようにできている。もっと正確に言えば、人間の脳は記憶したことをほんのわずかしか取り出せないようにできているのだ。( ③ )、なぜ人は苦労して学び、知識を得ようとするのか。私は、それに対して、「知恵を身につけるためだ、と答えることにしている学ぶという中には知恵という、目に見えないが生きていく上に非常に大切な物が作られていくと思うのである」この知恵が作られる限り、学んだことを忘れることは④人間の非とならないのである。例えば、忘れたことをもう一度必要に迫られて取り戻そうとするとき、一度勉強したことのない、全然聞いたことも経験したこともない人と違って、最低、心の準備ぐらいはできるし、時間をかければさほどくろうしなくても⑤そのことを理解できることだって有る。
知恵にはそういう側面がある。私はそれを⑥「知恵の広さ」と呼んでいる。さらに、その「知恵」には、ものごとを深く見つめる「深さ」という側面がある。そして、物事の決断力を促す「強さ」という側面もある。
人は、なぜ、( ⑦ )という問に対して、私は、そういった「知恵」を身に付けるためだと言うことを回答にしている。
問1 ①「質問である」とあるが、だれがだれにした質問か。
1 筆者が若い人に
2 若い人が筆者に
3 テレビ局の人が筆者に
4 テレビ局の人が若い人に
問2②「そうした記憶」とは何か。
1 現実の仕事と関係のない科目を勉強した記憶
2 悪い成績をとった記憶
3 中学・高校で学んだことの記憶
4 テストの回答を出すことが容易ではなかった記憶
問3 ( ③ )に何が入るか。
1 それから  2 それゆえ  3 そのために  4 それなのに
問4 ④「人間の非とならない」とは、どういう意味か。
1 人間のせいではない。
2 人間らしくない。
3 人間としてはいけない。
4 人間の欠点ではない。
問5 ⑤「そのこと」は、なにを指か。
1 過去に学んで覚えていること
2 過去に学んだが、忘れていること
3 一度も勉強したことがないこと
4 心の準備ができること
問6 ⑥「知恵の広さ」は、どういうことを意味しているか。
1 できるだけ多くの知識を幅広く記憶すること
2 一度知識を得ておくと、いつか必要な特に何らかの形で生きてくること
3 記憶した記憶をすぐに取り出せるように広げておくこと
4 物事を深く見つめたり、決断力を促したりする側面を持っていること
問7 ( ⑦ )の中には、次のどの文を入れるか。
1 ものを学んでも、すぐ忘れるのか
2 ものを学ばなければならないのか
3 学校で学んだ方が良いのか
4 知識を求め続けるのか
文章3: 23442 22
問題Ⅱ 次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。答えは、1・2・3・4から最も適当なものを一つ選びなさい。
(1)おじさんの中学校のときはどうだったろう。
いたずらすきのA仲良しだったときがある。野球のうまいBや、頭のいいCや、家が貧しいけれど真面目なDと仲良しだったときもある。でも、クラスが変わるたびに友達が変わっていき、①中学の3年間を通じて一人の友達と深く付き合うことはなかった。Dとは夏休みに一緒にアルバイトをやったりして「親友」みたいだったのに、いつの間にかつきあわなくなっている。
これは、誰でもそうじゃないかと思うんだ。友達は変わってゆく。その場限りの付き合いといえば言えなくはないけど、自分の求めているものがかわってゆくから、相手を自然に変えてゆくのだと思う。
おじさんの場合、いたずら好きのA仲良しだったときは、おじさんもいたずらがしたかった。いたずらをして気持ちがスカッとすることを求めていた。でも、いたずらで本当に気持ちがスカッとしないことにやがて気ずいて、Aとつきあわなくなった。BやCやDについても、その時々におじさんが求めていたものを、彼らがあたえてくれたんだね。意識したわけじゃないけど、そのときの自分の益になる相手を求めて、付き合う相手がおのずとかわっていったのだと思う。だからといって、②こうした相手を「友だち」と呼べないかというと、そうではないんだね。
利己のようだけれど、「友だち」というのは自分に「益」になる相手のことなんだ。その相手と付き合うで自分が「得」をする。しかし、その「益」なり「得」なりの中身が問題なんだね。(中略)
たった一度しか会わなくても、その影響が人生にすばらしく作用すれば、これは立派な「友だち」だ。実際には会わなくたって、例えばその人のことをテレビで観たり本で読んだりしただけで、すばらしい影響を受けたら、これは「友だち」なんだね。
もっとも実際に会わなければ、厳密には「友だち」とはいえないけれど、生きるうえで心に影響を受ける相手とはそう何人も出会えるものではないことも、おじさんの経験からいえる。
しかし、君自身がそれを求める心構えでいなかったら、中学生のときはおろか、一生 「友だち」には出会えないだろう。
問1 ①「中学の3年間を通じて一人の友達と深く付き合うことはなかった」とあるが、それはなぜか。
1 野球が嫌いだったから。
2 夏休みにアルバイトをしたから。
3 よくけんかをしたから。
4 求めるものが変わったから。
問2 ②「こうした相手」は、どんな相手のことか。
1 いつも自分の利益になる相手
2 中学時代に自分の利益になる相手
3 その時々に自分の利益になる相手
4 大人になってからも自分の利益になる相手
問3 この文章に出てくる「おじさん」はだれのことか。
1 筆者自身    2 筆者のおじ   
3 中年の男性   4 友だちのおじ
問4 結論として筆者はどんな「友だち」を求めるべきだと言っているか。
1 その場かぎりの友だち
2 長く付き合っていける友だち
3 経済的に助けてくれる友達
4 人生に影響を与えてくれた友達
4314
(2) ウインター・スポーツとして最近は、スキーが流行している。日本は世界の中でも、かなり雪の多い国である。夏、海で真っ黒に日焼けしたり、さわやかな高原でアウト・ドア・スポーツを楽しんだ若者たち。冬になるまでそこそこに勉強し、アルバイトに①精を出す。12月になると雪が待ち遠しい。情報誌でスキー場やホテルを調べたり、テレビや新聞、あるいは旅行会社のパンフレットなどからいろいろな情報を集めるのだ。いくつかの新しいスキー用具を買い揃え、さらに予算の許す者は、新しいウエアをそろえたりする。後は雪が十分に降るのを待つだけである。
メチャクチャに遊んだ以前の若者に比べると、確かに最近の若者に遊び上手になってきたと思う。少し前までは、会社に入る前に十分楽しんでおこう、会社に入ったら遊べないからなという声をよく耳にしたものだ。しかし、このごろはちょっと違っている。会社に入っても自分の時間はできるだけ大切にしながら生活する。残業はあまりしないし、会社の行事に積極的に参加しようとする者も少なくなった。その分、家族や友人、自分自身を大切にしようという者が増えてきたと思う。
何かあると小さく一つに固まりたがる日本人、と言われて久しいが、今、静かに個人の時代が進んできているようだ。➁それが寂しくて、本能的に仲間だけで固まろうとする若者もいるが、日本社会が本当に自由で開かれた社会、豊かでしかも平等な社会になっていくためには、まず一人一人が自分自身の足でしかっりと大地に立つことが必要だろう。③こうした点で、自由勝手に青春を楽しんでいるように見えるこのごろの若者だが、すこしおおきくなったなと、私は思っている。
問1 ①「精を出す」とは、どういう意味か。
1 気力を十分大切にする。
2 気持ちを大きくする。
3 一生懸命にがんばる。
4 体力を全部使ってしまう。
問2 ②「それ」は何を指すか。
1 個人の時代になって、一つに固まってはいけなくなったこと
2 個人の時代の進みがゆっくりしているので、一つに固まれないこと
3 個人の時代の進み方が、とても静かでゆっくりしていること
4 個人の時代が、ゆっくりと静かに進んできていること
問3 ③「こうした点」は、どういう点か。
1 一人一人が自分の考え方をしっかりと持っているという点
2 一人一人の足が以前よりも健康丂でしっかりしているという点
3 一人一人が自分の足をどう鍛えるか考えなくてはいけないという点
4 一人一人が自分で大地の立ち方を考えなくてはいけないという点
問4 次の1,2,3,4からこの文章と合っているものを一つ選びなさい。
1 現代の若者は、勉強もアルバイトもよくやらないようになった。
2 現代の若者は、昔の若者と比べるとよく遊んでいる。
3 現代の若者は、自分たちの時間を大切にするようになった。
4 現代の若者は、家族よりも自分の仕事を大切にするようになった。
3413
(3) 本を読むことは、よいことだ。たとえ、それが住居の貧困の反映であっても、個人が自由な想像力によって、それぞれの①精神の個室をもつのは望ましいことだ。実際、そもそも「個人」というのは、そういう風にして成長してゆく物だからである。
しかし、家庭の中の書物という物を考えてみると、これはずいぶん、不思議な品物のような気がする。なぜなら、本は家庭の備品の一つではありながら、結局のところ、個人に属するものであるからだ。家庭の本棚に並んでいる何十冊、あるいは何百冊の本の背表紙は、家庭のみんなが毎日眺めているのに、その中身は、家族共有のものではないのである。その点で、②家族にある他の諸々の備品と書物とは、性質が違うのだ。
それはそれでよい。丁度、個室を覗き込まないことが礼儀であるように、精神の個室ものぞき込まない方がよいのかもしれぬ。お互い、好きな本を読んで、それぞれの世界を楽しめば、それでよい、というべきなのかもしれぬ。
しかし、本は、一方で個人に属するものでありながら、同時に、誰でもが入ることのできる個室、つまりホテルの部屋のような社会性も持っている。誰かが使用中であるかぎり、そこに踏み込んではならないが、空室になった時には、誰が使ってもかまわない。主婦が買い込んだ文学全集を夫や子供が読むことはいっこうに差し支えないことだし、子供の漫画を親が読んだっていい。表題はまったくちんぷんかんぷんであっても、夫の読んでいた経営学の本を、妻がひもといてみてもかまわないはずだ。
そして、私は、そういう密室の交換がこれからの家庭では大変大事なことであるような気がする。
問1 ①「精神の個室を持つ」とは、この場合どんな意味か。
1 自分の考えを他の人に話さないこと
2 部屋の中で、一人でいろいろなことをすること
3 家族一人一人が自分の部屋を持つこと
4 一人で本を読み、いろいろなことを考えること
問2 「家族にある他の諸々の備品」として考えられない物はどれか。
1本棚   2食器  3日記   4電話
問3 この文章の題として適当なものは何か。
1 正しい書物の選び方
2 読書と精神の成長の関係
3 個室を持つことの重要性
4 家庭における書物
434
問題Ⅲ 次の(1)から(5)の文章を読んで、それぞれの問いに対する答えとして最も適当なものを1・2・3・4からーつ選びなさい。
(1) 日本に住む外国人へのアドバイスとして、「郷に入れば 郷に従え」つまり、日本にいる間は日本の文化や習慣を学び、まねすること、というものがあります。自分の国の国の生活習慣を捨てて日本式に生活すればよいというものです。しかし、長期間の滞在となれば、このようなことが続けられるとも思えません。それでは、日本式を無視して、日本にいても自分の国のやり方で生活する、というのはどうでしょう。自分の生活スタイルを通そうとして、いろいろなトラブルが起きそうです。どちらかに偏ることもなく、その時によって、日本式か自国式かを使い分ればいいのではないのでしょうか。これだ、と言い切ることはできないと思います。要するに、個人の判断力ですね。
【問い】文章の内容とあっているのは、次のどれか。
1 外国人が日本で生活するなら、すべて日本式にすべきだ。
2 外国人が日本で生活していても、自分の国のやり方ですればいい。
3 外国人が日本で生活するための良い方法はない。
4 外国人が自分で状況を判断して、いいと思った通りにすればよい。
(2) 人は自分の中にいろんな人間を抱え込んでいる。役者になろうと決心してから、おれはその作業を意識的にやってきた。ささいなことでは、劇団を組んだ仲間のひとりに、やたら_____を連発する人がいた。何かあるたびに_____と人に頭を下げる。その行為だけで、非常に人当たりがよく見えた。人に頭を下げることの苦手なおれは、彼を見ているうちに、こういうふうにやってみたらどうかなと、試してみることにした。それで事が丸く収まると、なるほど、こんな簡単なことで、今までぎくしゃくしていたことがスムーズに進むこともあるのだと感心した。
【問い】 この文章の下線の部分には、次のうちのどれが入るか。
1 「いらっしゃいませ」
2 「おめでとうございます」
3 「お元気ですか」
4 「すみません」
(3) 日本では、子どもの数が減っていることが近年ずっと問題となっているが、他国の出生率はどのように変化してきただろうか。下のグラフは、日本、スウェーデン、イタリア、イギリス、旧西ドイツの5か国の出生率の過去における変化を示したものである。1978年には、日本とイギリスとイタリアはほとんど肩を並べていた。しかし、その後、イギリスの出生率は80年まで上がり続け、一方、日本とイタリアは下がった。特にイタリアの減少傾向が目立ち、その後も87年まで下がる一方だった。1978年以前は5か国中最高であった国が、1986年以降は、最も出生率の低い国となっている。逆に上がり傾向が目立つのはスウェーデンで、子ども2人の水準に達しているのは5か国中この国だけである。
【問い】 グラフのA~Eが示す国の組み合わせとして、正しいものはどれか。
1 A 旧西ドイツ B イギリス C スウェーデン D イタリア   E日本 
2 A イギリス B 日本 C旧西ドイツ D スウェーデン  Eイタリア
3 A イタリア B スウェーデン C イギリス  D日本  E旧西ドイツ
4 A スウェーデン B イギリス  C 日本  D旧西ドイツ  E イタリア

 (4) なにかいやなことがあって、いらいらした気分を抑えるためにショッピングをする人が居ます。必要のないものにお金を使うなんて馬鹿なことだと理性的な人は言うでしょうが、それでも人間の精神のバランスをとるために費用をかけたと思えば、それはそれでいいんじゃないでしょうか。
【問い】文章の内容とあっているのは、次のどれか。
1 どんな時でも、買い物をすることはいいことだ。
2 精神の安定のために、何かをするのはいいことだ。
3 必要のないものにお金を使うのはつまらないことだ。
4 いやなことを忘れるためには、買い物が一番いい。
(5) 人生に失敗は付き物だ。しかし、何かをやる前に失敗を予想してはいけない。積極的な見通しを立てられれば、それでもう事は成功したようなものだ。それでもなお失敗した場合には、素早く立ち直り、対処し、また前進していく。「失敗は成功の元」という言葉もある。失敗しても、最後に成功を勝ち取ることはできる。
【問い】 次の四つの文から、上の文章に合うものを一つ選びなさい。
1 人生で失敗するのは当たり前だが、いつも失敗するとは限らない。
2 何かをやる前に、失敗を考えないことだ。もし失敗しても、諦めないで、失敗した所を直し、前進すれば、成功につなげることができる。
3 失敗を予想することは、既に失敗したことになる。積極的に物事を進めれば、失敗しても最後には必ず成功する。
4 人生に失敗は付き物だから、失敗しても諦めずに立ち直ることが大切だ。
2級 読解(6)
問題Ⅰ 次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。答えは、1・2・3・4から最も適当なものを一つ選びなさい。
毎年4月になると、必ずと言っていいほど、大学に入学したばかりの新入生が、急性アルコール中毒で病院へ運ばれたというニュースを耳にする。中には運ばれただけではすまなかったケースもある。
たいてい新入生歓迎コンパでのできごとである。大学生と言えば体も心ももう立派な大人であり、限度を越えた量の酒を飲めばどうなるか知っている。それに、週末の夜、盛り場を歩けば、見たくなくても行儀の悪い酔っ払いの姿がたくさん目に入る。その多くは自分よりも年上であり、自分だけはああいう大人になる①まいと日頃誰もが思っている。( ② ) 、大学生の急性アルコール中毒のニュースは、一向に③後をたたないのが実情である。
以前、急性アルコール中毒になって、病院へ運ばれた男子学生、何人かに話を聞いたことがある。「どうしてそんなに飲んだの」
「大学に合格できたことがうれしくて、つい……」
「みんながどんどん飲んでたから、自分も飲まないとかっこ悪いと思って……」
「隣に座った女の子や先輩にすすめられて、断れなくて……」
「受験勉強のために今までずっと我慢してきたから……」
理由はだいたい似たり寄たりである。
彼らは日頃決して意志が弱い人間たちではないし、道徳のないものたちでもない。その証拠に、高校を退学処分になることもなく、一所懸命して競争率の高い大学の入学試験に無事に合格しているのである。みんな、酔って駅のホームを汚している人を見れば、いけないことだと思うにちがいない若者たちである。意識がなくなった晩もこのまま飲み続ければどうなるか知っていたはずである。
病院で、元気になった若者たちはみんな反省していた。
「④今度の試験を忘れないで、まわりの人に迷惑をかけない、ちゃんとした大人になろうと思います」
しかし、彼らはまた同じことを繰り返すかもしれない。( ⑤ ) 、飲み過ぎてはいけないのだと思っているからである。迷惑がかからないところではまた同じ失敗をするかもしれない。
飲み過ぎないということは本来、道徳の問題ではない。人は寒くなれば、服を着る。暑くなれば脱ぐ。けれども、道徳によって服を着たり脱いだりする人はいない。病気にならないようにそうするのである。そうやって自分の命を守っているのである。⑥それが人間の生き物としての知恵というものである。飲めばどうなるか わかっていながら、意識がなくなるまで、あるいは死ぬまで酒を飲むということは、⑦そういう知恵が欠けているのだと知るべきである。
問1  ①「まい」と同じ使い方の「まい」は次の中のどれか。
1 こんな大きな事故はもう二度とあるまいと私は思った。
2 あの人はもう二度とここへは来るまい。
3 こんな大きな事故はもう二度とおこすまいと私は心に決めた。
4 傘を持って来なかったが、雨は降るまい。
問2 ( ② )の中に何が入るか。
1 したがって 2 それどころか 3 だからといって 4 にもかかわらず
問3 ③「後をたたない」とはどういう意味か。
1 全然なくならない。
2 全く増えない。
3 つぎつぎに来ない。
4 いつまでも始まらない。
問4 ④「今度の試験」とあるが、これはどんな経験のことか。
1 飲み続ければ意識がなくなることを知っていたこと
2 急性アルコール中毒になって筆者のインタビューを受けたこと
3 急性アルコール中毒になって病院へ運ばれたこと
4 一所懸命に勉強して競争率の高い大学に入学したこと
問5 ( ⑤ )の中に何が入るか。
1 今度のことを反省しないで
2 今度の試験を忘れないように
3 人に迷惑がかからないから
4 人に迷惑をかけるから
問6 ⑥「それ」は何か。
1 人間はみな飲み過ぎればどうなるか知っていること
2 飲みすぎないということは本来道徳の問題ではないこと
3 人間はみな生き物として知恵を持っているということ
4 自分の命を守るためにはどうすれば良いか知っていること
問7 ⑦「そういう知恵」は、どんな知恵のことか。
1 酒を飲みすぎないという知恵
2 命を守る、生き物としての知恵
3 生きていくには道徳が必要だという知恵
4 人に迷惑をかけないようにする知恵
文章3: 34134 42
問題Ⅱ 次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。答えは、1・2・3・4から最も適当なものを一つ選びなさい。
(1)日本人はたいていふるさとの山を持っている。山の大小遠近はあっても、ふるさとの守護神のような山を持っている。そしてその山を眺めながら育ち、( ① )。どんなに世相は変わっても、その山だけは昔のままで、あたたかく帰郷の人を迎えてくれる。
私のふるさとの山は白山であった。白山は生家の二階からも、小学校の門からも、鮒釣りの川辺からも、泳ぎに行く海岸の砂丘からも、つまり私の故郷の町のどこからでも見えた。真正面に気高く美しく見えた。それは名の通り一年の半分は白い山であった。
純白の冬の白山が春の更けるのにつれて斑になり、その残雪があらかた消えるのは6月になってからであった。そして秋の末から再び白くなり始める。最初は冬の先触れとして峰のあたりにわずかの雪をおく。それがだんだん拡がって十二月の中頃には、もう②一点の染みもなく真っ白になってしまう。そしてそれが翌年の春まで続くのであった。シベリアから日本海を渡ってくる寒い季節風が白山という大障壁にぶつかって、雪に化してしまうのである。
おそらく諸君の多くは日本の中部の山から、北に当たって遠く、雲の上に浮かんだ白山を見逃しはしなかっただろう。そしてそれは孤高の気品をもって諸君を打ったに違いない。わが国でアルプスと八ケ岳についで高いのは白山である。古くから駿河の富士山、越中の立山、加賀の白山は、日本三名山と呼ばれた。厳密に言えば、白山は加賀、越前、飛騨にまたがっているのだが、それをあえて加賀の白山と呼んだのは、③そこから見た姿が一番すぐれていたからであろう。
その加賀の平野でも、私のふるさとの町から眺めるのが最上であることを、私は自信をもって跨ることができる。峰の御前と大汝を均衡のとれた形で眺め得るのみでなく、白山の持つ高さと拡がりを、最も確かに、最も明らかに認め得るのは、私の町の付近からであった。戦後私はふるさとに帰って三年半の孤独な疎開生活を送ったが白山はどれほど私を慰めてくれたことか。
単語:
生家(せいか) 出生的家,娘家
鮒釣り(ふなつり) 钓鲫鱼
更ける(ふける) (季节,夜)深了
斑(まだら) 斑点,斑驳
先触れ(さきぶれ) 预告,预告通知,预兆
駿河(するが) 骏河(地名)
越中(えっちゅう) 越中(地名)
立山(たてやま) 立山(地名)
加賀(かが) 加贺(地名)
飛騨(ひだ) 飞騨(地名)
跨る(またがる) 跨越,横跨
最上(さいじょう) 最高,最好
御前(ごぜん) 前山
大汝(おおなんじ) 后山
疎開(そかい) 散开,迁走,疏散
問1( ① )にはどんな文を入れるのが適当か。
1 成人してふるさとを離れても、その山の姿は心に残っている
2 成人してふるさとを離れると、その山の姿は心の中から消えてしまう
3 成人する前にふるさとを離れると、その山の姿はなかなか思い出せなくなる
4 成人してからふるさとを離れるのであれば、その山の姿を心に残すこともできる
問2 ②「一点の染みもなく真っ白になってしまう」とあるが、「染み」とは何のことか。
1 残雪
2 雪のないところ
3 雪におおわれたところ
4 雪がとけたところ
問3 ③「そこ」とは、どこか。
1 加賀 2 越前  3 飛騨 4 私のふるさとの町
問4 筆者は、どんな読者のことを考えて、この文章を書いたか。
1 白山の近くに住んでいる人
2 白山のことをよく知っている人
3 よく本を読む人
4 よく山に登る人
12 14
(2)最近、普通の私鉄からJRまで、自動改札機を使っている駅が増えてきました。改札の仕事は乗車券にはさみを入れたり、出て行く人の切符を受け取ったりすることが中心ですから、機械化したほうが便利ですし、さらに機能的だと思います。( E )
それにしても、たった一枚の小さいな切符に記録された情報を一瞬のうちに読み取って判断することのできるこの機械は本当に便利です。私たちの生活を快適にするという意味で、銀行のキャッシュ・カードに次ぐ大ヒットと言えるのではないかと思います。( F )
でも、この改札口を通るときにピーポーと音がして通れなくなってしまったときの気持ちは、何とも言えません。後ろの人たちに、にらまれたり、チェッと舌打ちされたりすると、とても嫌な気分になります。また、大きな荷物を持った人や、体の不自由な人は、①ここを通るのにとても苦労するということです。( G )
現在、私たちの日常生活の中にはいろいろな機械が入り込んできて、それぞれ役に立っています。けれども、なかには、②首をかしげるような機械があることも否定できません。本当に、私たちの生活に役立ち、③それを豊かにしてくれるような技術の開発が望まれるし、そうした技術による、人にやさしい機械であって欲しいと思います。( H )
問1 ①「ここ」はどこか。 
1 銀行    2 改札口    3 駅      4 通り
問2 ②「首をかしげる」とは、どういう意味か。
1 よく分かったと思う。
2 よく分からないと思う。
3 どうもつまらないと思う。
4 どうも変だと思う。
問3 ③「それ」は何か。
1 機械     2 技術    3 私たちの生活  4 改札口
問4 文章の中に「まだまだ改良する点が多いと思います。」という文を入れるとしたら、どこに入れたらよいか。
1(E)  2(F)   3(G)  4(H)
2433
(3) 学校から家に帰る途中の電車の中で見たことです。私の座っているすぐ前に二人の子供を連れた若いお母さんが座っていました。子供は三つぐらいの女の子と小学校へ行き始めたくらいの男の子でした。
二人は仲良く並んで袋に入ったお菓子を食べていました。そして、男の子が自分のお菓子を先に食べ終わったことが、女の子にとって不幸の始まりでした。( ① )、男の子の手が女の子のお菓子の袋に伸びていたからです。女の子はいやいやをしていましたが、ついにお菓子を取られてしまいました。女の子は泣きながら母親に、兄のわがままな行動を説明します。すると 、母親の手が、いきなり男の子の手からお菓子を奪い取り、さらにその頭をビシャッ、とたたいたのです。ほんの少しの時間が過ぎ、男の子の目にも涙があふれてきたのを見て、私の胸は②ぎゅっとしめつけられるような感じでした。
私の国でも、子供が悪いことをしたときは、当然親は叱ります。けれども 、決して頭をたたくということはしません。頭は将来を支える子供たちの大切なところです。おしりをたたいたり、きつく言って聞かせたり、やさしく言って聞かせたりするなど、いろいろの方法でしかるのです。私は本当にびっくりしました。それにしても 、あの男の子、頭が変にならないかしら。
問1  ( ① ) には、何が入るか。
1 といって   2 というと   3 というが   4 というのは
問2   ②「ぎゅっとしめつけられるような感じ」とは、ここではどんな感じか。
1 苦しく気持ちが悪くなる感じ
2 悲しくて泣き出したくなる感じ
3 かわいそうでたまらない感じ
4 こわしく何も言えない感じ
問3   筆者の言いたいことはどれか。
1 子供はどの国でも将来のために大切だから、けっしてしかってはいけない。
2 子供が悪いことをしたときには、出来るだけ厳しくしかって教えることが大切だ。
3 子供をしかる時は、頭ではないところをたたいて教えることが必要だ。
4 子供の将来のためにも頭は大切だから、しかるときでもたたいてはいけない。
434
問題Ⅲ 次の(1)から(5)の文章を読んで、それぞれの問いに対する答えとして最も適当なものを1・2・3・4からーつ選びなさい。
(1) カラーテレビは、100ボルトの家庭電流を約二万ボルトに変圧して、陰極線を打ち出しています。高速で打ち出される電子ビームです。それがブラウン管を通って、蛍光面にあたり、画像となって見えるのです。この時蛍光面から放射線の一種であるエックス線が発生します。毎日三時間ずつ、三十年見続けると、たとえば再生不良性貧血症や白血病になるかもしれません。日本人は、今民族的規模の大がかりな実験の真最中だとも言えます。既に15年間、エックス線を浴びてきている恐れがあるのです。やがてどうなるかは、神のみぞ知るです。このところ、その不吉な兆候が現れてきています。白血病で亡くなる患者が年々少しずつではありますが、増加してきています。年八千人以上も死亡するまでになってきています。テレビの長時間視聴は、はたして無関係だと言えるのでしょうか。
【問い】 この文章で筆者が言いたいことは何か。
1 日本人はテレビから発生する放射線の有無を実験している。
2 白血病になる原因はテレビを長時間見続けるからである。
3 白血病患者の増加はテレビの長時間視聴と関係があるのではないか。
4 テレビから発生する放射線は大量である。
(2) 他人という日本語は不思議な言葉である。それは文字通りには、他の人ということであるが、しかし実際に自分以外の他の人を意味するためには他者という新しい言葉がつくられていて、それとは違う特殊な意味合いが他人という言葉には含まれている。
【問い】 下線部の「それ」とは、何のことか。
1 他人   2 新しい言葉   3 自分   4 他者
(3) 今の教育は教材も至れり尽くせりで、先生の教え方も懇切丁寧である。カリキュラムも整備され、生徒は自然に知識を身につけられる。しかし、ろくに努力もせずに、先生に何から何まで教えられるとしたら、教えられるほうはただ知識を受け入れるだけになってしまう。
【問い】 文章の内容とあっているのは、次のどれか。
1 今の教育は、教材もそろっており、教え方も丁寧で、生徒は知識を楽に身につけられる。
2 今の教育は、生徒を受身にしている。
3 今の教育は、生徒が努力をしないで知識を身につけられるよい教育だ。
4 今の教育は、生徒にただ知識を受け入れさせるだけだ。生徒は自発的に知識を身につけていない。
(4) 医療の現場では、とりあえず15歳以下を子どもとして扱い、小児科の診察対象としている。おおざっぱに、中学生まではまだ子どもということだ。
内科医だったぼくの経験から言えば、中学生はたしかに子どもだと思う(いろんな意味で)が、こと病気に関するかぎり、ほとんど内科的な考え方で診察できる。小学生も、高学年ならなんとかなる。低学年も、やや苦しいところはあるが、まあ、なんとかなる。お手上げなのは乳児(生後一年未満の赤ん坊)だ。これは恐くて手がだせない。
【問い】 筆者は医者である。専門は何か。
1 内科    2 小児科   3 小児科と内科    4 特にない
(5) 初めてこれを経験したとき、その人は立ってくれた子どもや青年に対して、その好意に感謝するとともに、自分も老人に見られるようになったかと、落胆するそうである。同じ年齢であってもみるからに弱々しく見える人と、健康で若々しく見える人がある。席を譲られるのは外見的に老人に見える人である。ある企業の管理職にある人は五十八歳であるが、小柄である上に頭がすっかり白くなっている。その人が電車で中学校から席を譲られた日は帰宅後ずっと不機嫌であったという。
【問い】 下線部の「これ」とは何のことか。
1 若い人に席を譲られること。   2 定年を目の前に迎えること。
3 外見に老いを感じること。    4 老いを自覚して落胆すること。
2級 読解(7)
問題Ⅰ 次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。答えは、1・2・3・4から最も適当なものを一つ選びなさい。
JRの京葉線ができて、東京デイズニーランドが急に近くなった。デイズニーランドのちょうど前に、駅ができたからだ。駅の名前は「舞浜」という。この駅はデイズニーランドのためにつくられたといっても良いかもしれない。
京葉線を使えば、東京から舞浜までおよそ15分で行ける。電車賃は210円。デイズニーランドから東京のほうへ帰る人は、途中の新木場で営団地下鉄有楽町に乗り換えれば、銀座方面へも簡単に出られる。デイズニーランドで( ① )あとは銀座で少し高い食事という計画も考えられるだろう。
ところが、東京駅とデイズニーランドの間にはバスも走っている。こちらの料金は600円。京葉線ができたからなくなって( ② )のかと思っていたが、意外にもそうはならなかった。私は先日、仕事でデイズニーランドの近くまで行った帰りに、初めてこのバスに乗った。
16時45分発東京駅南口行き。バスはファンタジア号という二階建てのデラックスバスで、すばらしい乗り心地であった。
( ③ )、210円に対して600円。デイズニーランドという場所を考えると、一人で乗るということは少ないから、この違いは大きいだろう。特に家族で乗るときは④大変だろうと思う。
料金だけではない。電車がおよそ15分で行くところを、私の乗ったバスはなんと1時間もかかった。夕方で、道が込んでいたからだろうが、東京の高速道路は一日中込んでいるわけだから、どの時間に乗ってもそれぐらいはかかるはずだ。
電車とバス――――。
確かにバスは乗り心地がよいが、⑤右のようなことを考えると( ⑥ )。電車の方がずっと良い。しかし、私の乗ったファンタジア号は平日なのに満席の状態だった。
どうしてだろう。
私はすぐにはその理由が分からなかったが、バスが高速道路に入り、込んでいるために早く走れなくなったころから、もしかしたら理由はそうなのかもしれないと思うようになった。それはバスの窓から見える景色だ。都会の夕景だ。
問1( ① )の中に何が入るか。
1 遊ぶ   2 遊んだ   3 遊んで   4 遊び
問2( ② )の中に何が入るか。
1 しまう  2 おく    3 みる    4 ある
問3( ③ )の中に何が入るか。
1 だから  2 しかし   3 それから  4 そして
問4 ④「大変だろう」の説明として、正しいものはどれか。
1 お金がたくさんいるから大変だろうということ
2 座る場所がたくさんいるから大変ということ
3 五月蠅いから大変だろうと言うこと
4 乗るのに時間がかかるから大変だろうということ
問5⑤「右のようなこと」とあるが、その説明としてどれがいいか。
1 東京の高速道路は、一日中込んでいるということ
2 バスは、二階建てですばらしいということ
3 デイズニーランドには、家族で行くということ
4 バスは、時間もかかるし、料金も高いということ
問6 ( ⑥ )の中に何が入るか。
1 バスのほうが電車より便利だ
2 二階建てバスのほうがすばらしい
3 バスは電車に負けてしまう
4 高速道路は使わない方が良い
問7 この文章の内容と合っているものはどれか。
1「私」は、都会の美しい夕景が見たくて、ファンタジア号に乗った。
2東京駅からデイズニーランドに行く場合、バスでも電車でも行ける。
3「私」は、ファンタジア号に乗って、デイズニーランドに行った。
4東京駅からだと、京葉線があるから舞浜より新木場のほうが遠い。
21214  32
問題Ⅱ 次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。答えは、1・2・3・4から最も適当なものを一つ選びなさい。
 (1) 「いつまで、テレビ見ているの。あと片付け①くらい、手伝ったってバチ当たらないわよ」台所から、夕食後の洗い物をしている母の声が響く。
「はーい、今、行きます。」
返事をしながらも、私の両目は画面のアニメに釘付けになったままだ。
早く父を亡くした私は、病院で働く母の手で育てられ、来春、高校を卒業する予定になっている。不規則で厳しい勤務を10年も続けてきた母であったが、私に対するしつけが厳しかったこともあって、よく反抗した。だが、このごろは一人の働く女性として心から母を尊敬するようになった。。
「あなた、来年は受験するんだから、もっとしっかりやらなくちゃね」
「ううん、私、受験しないよ。社会に出て働きたいの」
「何言っているのよ。あんなに英語が好きなくせに。成績だっていいじゃないの」進学の話になると、②言い合いになってしまうのが( ③ )悲しく感じられる。もちろん、母が私に進学を勧める気持ちはよく分かる。しかし、職業をもち、経済的にも自立した女性になろうと決心したのはかなり早い。一所懸命に働く母の姿がいつしか私の心に自立して人生を作りたいという気持ち植え付けたのかもしれない。仕事をし、しかも母の気持ちに応える道を前から考えていたが、今までそれを口に出したことはなかった。
「ねえ、ママ。私、働きながら、二部に通いたいの。いいでしょ」
「まあ、何を言うのかと思ったら。いったい……」
「④これはね、ずっと前から心に決めていたことなの。ママのように誇りをもって働きたいし、つらくてもしっかり勉強するつもり。だから……」
「わかったわ。貴方は一度言い出したら絶対に⑤あとには引かないんだから」
「⑥ありがとう、ママ」
母の洗った皿が、私の手の中でキュッキュッと快い音を立てた。
問1①「くらい」と同じ使い方の文は、次のどれか。
1 家から学校までどのぐらいかかりますか。
2 食事をする暇もないくらい忙しい。
3 彼の話は、涙が出るくらいおかしかった。
4 目玉焼きくらいなら自分で作れます。
問2 ②「言い合いになってしまう」とあるが、どうして言い合いになるのか。
1 娘が母の気持ちを理解しようとしないから。
2 母が娘の気持ちを理解しようとしないから。
3 二人とも相手の気持ちが少しも分からないから。
4 二人とも相手の気持ちそのまま強く言うから。
問3 ( ③ )には入る言葉は何か。
1 なんとか   2なんでも   3なんとなく   4何も
問4 ④「これ」は何を指すか。
1 自分の気持ちを口に出すと言うこと
2 進学しないで就職するということ
3 働きながら学校に通うと言うこと
4 つらくてもしっかり勉強と言うこと
問5 ⑤「あとには引かない」とあるが、ここではどういうことか。
1 自分の意見を後で言わないこと
2 自分の意見を変えないこと
3 自分の意見を秘密にすること
4 自分の意見を忘れないこと
問6 ⑥「ありがとう」とあるが、なぜ私はこういったのか。
1 「私」は「母」に自立することを教わったから。
2 「母」が「わたし」の性格を理解してくれるから。
3 「母」が「わたし」の希望をまとめてくれるから。
4 「私」は「母」に食器を洗ってもらってから。
問7 この文章の内容と合っているものはどれか。
1 子の母と娘はいつも娘の将来のことで対立し、仲がよくない。
2 娘は母親の生き方が理解できないが、尊敬はしている。
3 母親は娘に自分で大学の学費を払わせようと思っている。
4 娘は母親の生き方を見て、自分も母のようになろうと思っている。
44312  34
(2)みつの香りにひかれてチョウが花によってくるというと、①いかにももっともらしいが、科学的に言えば、これは完全な誤りである。
たとえば、チョウのいる部屋にホンコンフラワーを置く、すると、たちまちチョウがよってきて口吻(みつを吸う管)を伸ばしてみつを探る。
次に四角に切った色紙を針金の先につけて同様の実験をしてみる。やはり「チョウは色紙にとまって口吻を伸ばすのだ」。②以上の実験から、チョウは花のにおいや形と関係なく、ただ色だけによって花に飛んでくることが分かるのだ。実験によれば、紫と黄色によく反応するのが確かめられる。チョウが色だけを頼りに蜜を探す、と考えると③頼りない感じがしないでもないが、では、チョウにとっての花とは何だろうか。
人は花を見て、まず美しいかどうかを第一に考える。しかし、「チョウには花が美しかいかどうかは関係ない」ただみつさえあればいいのだから。
では、形はどうか。これも千差万別で、ある形を花の典型とするのは困難だ。においはどうだろう。においのない花もたくさんある。
残ったのは色だ。「チョウにとって花とは「色のついたもの」なのである」。しかし、④色のない花もあるではないか、という疑問が出てきそうだ。ところが、花粉にはほとんど色がついている。しかも黄色が多い。花びらにも花粉にも色のついていない花もあるがそれらはほとんど風媒花で、みつを持っていないからチョウには最初から問題外というわけだ。
単語
もっともらしい 好像很有道理
風媒花(ふうばいか) 风媒花
 
問1 文中の①「いかにももっともらしい」の説明として適当なものを選びなさい。
1 本土のことのように思われる。
2 別に理由があるように感じる。
3 もっとよい説明ができそうな気になる。
4 正しくはないだろうと疑う。
問2 文中の②「以上の実験から」とは、どのような実験か。
1 チョウが偽者の花と色紙のまわりを、どのように飛ぶか調べる実験。
2 チョウが部屋の中でも、上手に飛べるかどうか調べる実験。
3 花にとまったチョウが、どのように蜜を吸うか観察する実験。
4 花のどんな点に、チョウが反応するか調べる実験。
問3 ③「頼りない感じがしないでもない」の説明として適当なものを選びなさい。
1 信じられない気持ちになる。
2 よく分からなくなってしまう。
3 大丈夫なのだろうかと心配になる。
4 頼れるはずがないと感じる。
問4 ④「色のない花もあるではないか」の説明として適当なものを選びなさい。
1 無色の花もあるのではないか。
2 無色の花の場合はどうなのか。
3 無色の花もきっとあるに違いない。
4 無色の花などあるわけが無い。
11 12
(3) 昔、気象庁にこんな予報官がいたそうだ。彼は当番の日に、「翌日は快晴」の予報を出て寝た。ところが、朝起きてみると、どじゃ降りの雨である。彼は雨を見ながら、「天気によれば絶対に雨は降らない。降っているこの雨のほうがまちがっている!」といっという。まさに笑い話である。
しかし、わたしは、この話が好きだ。①笑いとばしてしまえないものを感ずる。
天気図を一生懸命調べた結果、雨は降らないと確信した。ところが、実際には雨が降りている。だとすれば、予報がまちがったのであるが、それを「雨」と言うところがいい。そういう頑固さもあっていいのだと思う。
いや、気象学においては、そういう頑固さはお笑い種かもしれない。しかし、仏教に関してであれば、(②)と思う。
たとえば、仏教の教えは、「競争をやめよ!」である。競争、競争と、血眼になって競争意識ばかり燃やしていると、わたしたちに心の余裕がなくなり、エゴイストになってしまう。競争をやめて、仲良く生きるのが、人間としてほんとうの生き方である。だが、そのようなことを言えば、必ずといってよいほど反論がある。あなたはそんな気楽なことを言うが、現実は厳しいのだ。その現実をどうする!?...といった反論である。
そんなとき、「現実]がまちがっているのです」と、わたしは言いたい。何も現実に妥協するばかりが能じゃないとわたしは思うが、おかしいであろうか...。
問1 ① 「笑いとばしてしまえないものを感ずる」とは、どういうことか。
1 この天気予報はまじめなものだと思う。   
2 別か別の意味があるように感じる。     
3 おもしろい話だが頑固さも感じられる。     
4 天気予報は正しくて雨のほうがまちがっているように思う。
問2( ② )に入る適当なものはどれか。
1 われわれは競争をやめるべきだ
2 むしろわれわれは頑固であるべきだ
3 やはり仏の教えに従うべきだ
4 われわれは心に余裕をもつべきだ
問3 筆者が良いと考える「頑固さ」について、正しいものはどれか。
1 簡単には現実に妥協しない頑固さ    
2 厳しい現実の中でがんばる頑固さ   
3 競争を絶対にしないようにする頑固さ  
4 反論に負けないでがんばる頑固さ
2  2 1
問題Ⅲ 次の(1)から(5)の文章を読んで、それぞれの問いに対する答えとして最も適当なものを1・2・3・4からーつ選びなさい。
(1)鉄道の旅は大好きだが、たばこは大嫌いという同僚の話だ。列車に乗る時はまず禁煙車両があるかないかが大問題になる。あれば何をおいてもその車両にのる。禁煙車両がない場合は、ただもうたばこ飲みが隣に来ないことを祈りつつ窓ぎわの席に座る。
運悪く、隣の客がスパスパやりはじめたら、車窓の風景を楽しむどころではない。あたりを見回して空いている席に避難する。避難する席がない時は窓をあける(窓のあかない列車もある)。
窓をあけると、寒い日や雨の日は周囲の客から露骨に白い目でみられて見がちぢむ。やむをえず、ほんのわずかだけ窓をあけ、口を窓に近づけて呼吸することになる。われながら奇妙なかっこうだと思う、と同僚はいっていた。
【問い】 文中の「スパスパ」の意味を次の四つから選びなさい。
1 惜しげなく切ったり捨てたりする様子。   
2 タバコをつづけざまに吸う様子。  
3 タバコに火をつける様子。   
4 タバコの火を消す様子。
(2) もう17年も日本中の桜を追い求め、写真を撮り続けている高波重春さんという人の記事があった。「朝日に映えて風が出てくるまでのわずかな時間、それが桜のいのち」だという。「そばに人がいるとだめ、花とふたりきりでないとシャツターを押す気になれない」ともいっていた。
ふたりきり、というあたりは相当なものだ。それぞれの人に、それぞれの桜の見方があるものだと感心した。咲き満ちる桜をみるのもいいが、    に心をときめかせるのも悪くない。朝の桜、夕桜、夜桜、雨に打たれてしおれる桜、散る桜、残る桜、墓地の桜、団地の桜、山の中の1本の山桜、桜はさまざまな姿で私たちに春の命を伝えてくれる。
【問い】 下線のところに入れる言葉を次の四つから選びなさい。
1 分咲きの桜   2 満開の桜    3 夜桜    4 咲き乱れる桜
 (3) あたりまえの会話の大切なこと、それがどれほど心の支えになっていたか、私は父の死後、急速にそのことを感じた。父との会話に、父の言葉に、私は深い飢餓状態に落ち込んでいった。そしてそこから抜け出すことは、父に代わる誰かとの会話が必要であった。父と親しかった人と会えば、それはすぐその場で満たされることは十分承知していても、用事もないのに、気安く漠然と自分のためにだけ人を訪問する勇気は、私にはなかった。
【問い】 下線部の「それ」とは、何のことか。
1 あたるまえの会話
2 あたりまえの会話が大切なこと
3 深い飢餓状態
4 父に代わる誰かとの会話の必要性
 (4) 朝の九時に仕事を始め、夕方の六時には終えるという習慣を持つようになって三年ほどになる。別に深い思いがあってのことではなく、ただの気まぐれから普通の会社勤めをしている人と同じリズムで暮らすようになっただけなのだ。しかし、一度そのようにしてみると、それはそれなりに楽しいもので、六時に椅子から立ち上がり、ラジオのスイッチを入れ、ぼんやりと窓の外を眺めながら、さて今夜はどうしよう、と考える時の気分はなかなか悪くないものだった。
【問い】 この文章から、筆者の職業は何だとわかるか。
1 サラリーマン  2 大学教授   3 農業    4 作家
(5) 人間の人柄は、その人と一緒に旅行すると一番よく分かると言われているが、それは本当であろう。自分を殺すことに慣れた人でも、24時間のべつ自分を殺しているわけにはいかない。どうしても本来の姿を示さざるをえなくなる。
【問い】
1 一緒に旅行すると、一日中一緒に旅行にいるので、その人の性格がよく分かる。
2 一緒に旅行すると、一日中一緒に旅行にいるので、我慢しなければならないことが多い。
3 一緒に旅行するには、自分のことをよく知っている人が良い。
4 一緒に旅行するには、我慢強い人が良い。
2級 読解(8)
問題Ⅰ 次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。答えは、1・2・3・4から最も適当なものを一つ選びなさい。
これはフランスで実際にあった話である。パリのある下町に、たいへん欲の深い肉屋がいた。毎日の食事や衣服を節約したり、女房にまでケチでとおした肉屋は、大変な財産をたくわえているというのでも有名だった。
ある日、その肉屋に、12歳ぐらいの女の子が肉を買いにやってきた。500フランの代金を払うという時になると、その女の子は「しまった。お金を忘れてきちゃった。おじさん、あとでお金もってくるから、①これちょっと預かって」といって、もっていたバイオリンをその肉屋にわたしていった。彼は、何気なく、そのバイオリンを店の隅のほうに置いておいた。
さて、それから30分くらいすると、一人の老紳士が、肉を買いにやってきた。1キログラムの牛肉を買い、代金を支払って店をでようとした時、その老紳士が、②店の隅にたてかけてあるバイオリンを見た。それを手に取って、じっくり見てから、大声でいった。
「このバイオリンはすばらしい。ストラディバリウスという世界的な名器だ。50万フランで買いたい。ぜひゆずってくれませんか」と熱心に肉屋に頼むのだ。
だが、肉屋にしてみれば、自分のバイオリンではない。売るわけにはいかない。そこで、肉屋は、持ち主の女の子に話して自分が買い受けてからこの老紳士に売ろうと考え、「明日の9時にもう一度ここへ来てください。③おゆずりしましょう」といって、その老紳士を帰した。
例の女の子は、すぐもどってきた。肉の代金を支払い、バイオリンを受け取ってかえろうとした。
「ねえ、そのバイオリン、④おじさんに売ってくれないかね。あまりよいバイオリンじゃないけれど、うちの子もバイオリンをこれから始めるので一つ欲しいんだよ」
女の子が、しぶしぶ売ってもよいという返事をした時、肉屋は「しめた。女の子をだました」と内心大喜びである。彼は5万フランでそのバイオリンを彼女からゆずり受けることに、まんまと成功した。先ほどの紳士に、50万フランで売れば、45フランの儲けだ。彼が喜んだのも当然だ。肉屋は、その女の子をだまして悪いと思ったのか、先ほどの肉の代金を返してやった。
彼の良心が、子供をだますことをよしとしなかったのであろう。
肉屋は、紳士のやってくるのを待った。だが、その老紳士は翌日の9時になっても⑤やってこなかった。老紳士と女の子による計画的なサギであったのである。
サギにあう人たちの中には、この肉屋のように、一獲千金を夢みる、ケチな人、欲の深い人が多い。子供をだまして、45フラン儲けようという” 欲” が、物事を冷静に見る目を失わせてしまったのである。
問1 ①「これ」は何を指すか。
1 500フラン   2 買った肉    3 バイオリン    4 衣服
問2 ②「店の隅にたてかけてある」とあるが、誰がたてかけたのか。
1 肉屋   2 肉を買いにきた女の子  3 老紳士    4 肉屋の子
問3 ③「おゆずりしましょう」とあるが、誰が誰にゆずるのか。
1 女の子が肉屋に          2 肉屋が老紳士に
3 女の子が老紳士に         4 肉屋の子が老紳士に
問4 ④「おじさん」は誰か。
1 ストラディバリウス  2 肉屋   3 女の子のおじさん  4 老紳士
問5 ⑤「やってこなかった」とあるが、それはなぜか。
1 50万フランを用意できなかったから。
2 バイオリンが欲しくなくなったから。
3 肉屋からお金を手に入れたから。
4 ほかに用事ができたから。
問6 肉屋は、女の子にバイオリンの代金としていくら渡したか。
1 50万フラン  2 45万フラン  3 5万500フラン  4 5万フラン
問7 この文章で筆者が一番言いたいことは何か。
1 大人は子供にだまされやすい。
2 子供をだますことはよくない。
3 欲の深い人ほどだまされやすい。
4 欲の深い人だますことはよくない。
 31223 43
問題Ⅱ 次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。答えは、1・2・3・4から最も適当なものを一つ選びなさい。
(1) 試験というもので、いったいなにを調べようとしているのだろうか。たぶん、「学力」といったものだろう。しかし、その「学力」というのが、知識や技能かと言うと、少し違うような気がする。
おそらく、たとえば数学なら数学の世界が、心の中にどれだけ豊かにひろがっているか、それが「学力」というものなのだと思う。たしかに、その数学の風景の一部としては、知識や技能も在るかもしれない。しかし、それ以上に、知識を忘れてもなんとかなり、技能でつまずいても回復できるほうが、「学力」のような気がする。① それは、この景色の内面化のあり方にかかわっていよう。
それはいくらか、個人の心にかかわってもいる。同じ知識を得るにも、そこに歓びがあったか、同じ技能を得るにも、それを楽しんで身につけたか、そのことが彼の②心にきざみつけられている。しかし、試験というもので、そこまで見るのは無理だろう。むしろ、③そこを断念すべきかもしれない。試験というものは、いくぶんかは断念の上にだけ成立する。心には踏みこまないというのが、試験の限界と④考えるべきかもしれない。僕の心を他人にはかられるのはいやだ。そう言って拒否してもよさそうだ。
それでも、良質な試験としては、できるだけ彼の世界を判断しようとすることはできよう。たとえば数学の試験というと、世間では答えの正否だけのように考えられかねないが、実際には、答案の表現のあり方から彼の心の世界を探ろうとするものだ。現実の大学試験の採点でも、そうしたことは試みられている。
問1 文中の① 「それ」とは何か。
1 たとえば数学なら数学の世界
2 豊かな知識や技能
3 ただの知識や技能ではない本当の学力
4 心の中の数学の世界の一部
問2 ②「心にきざみつけられている」の意味に最も近いのはどれか
1 いやな思い出として残っている    
2 思い出すのはたいへんだ   
3 忘れたいのに忘れられない  
4 よくおぼえている
問3 ③「そこ」とは何か。
1 試験で知識や技能を調べること
2 試験を楽しんで受けられるかどうかを調べること
3 知識や技能を得るときの心のようすを調べること
4 心の中の知識や技術の量を調べること
問4 ④「考えるべきかもしれない」の意味に最も近いのはどれか。
1 考えてはいけない
2 考えることができる
3 考えたほうがいいだろう
4 考えるのはむずかしろうだ
3 4 3 3 
(2) 米は日本の風土にもっとも適した穀物です。風土条件に合う穀物こそが、そこではもっとも効率的につくることのできる穀物でもあるのです。そういう穀物が主食となり、①それを中心に食生活が構成されてきたのであって、どこの国でも食生活はその風土条件に根づいた農業生産----したがってその風土条件のなかでは最も生産的な農業生産を基礎にして、伝統的につくられてきたものなのです。そして、伝統的につくられたその食生活は食文化として国民文化の一翼を構成し、②どこの国でも容易には変わらないことを特質としてきました。むろん長い歴史の過程では農業生産のあり方も変わり、したがって食生活も変わることはありましたが、わずか10年、20年で変わるようなことはなかったのです。
その意味で、“高度化”“近代化”としてすすめられた戦後のわが国の食生活の変容が、③一国の国民の食生活と農業生産との伝統的な結びつきをわずか20年で切り離したことは、きわめて特異な社会現象だとしていいでしょう。こうした急激な変容は、それぞれに多様な展開をみせてきた各国の長い歴史のなかでも、あまり例がないのです。
その結末をいま私たちは、2000キロカロリーの潜在的供給能力をもちながら1200キロカロリーの供給にとどまるという事態、一方で供給熱量の54%を構成する膨大な農産物を輸入しながら、米、牛乳、みかんなど多くの農産物について生産過剰をいわなればならない事態として迎えているのです。この事態が続くとき、現状で試算されている2000キロカロリーの潜在的供給能力すらも、崩壊の危機にさらされることになるのではないでしょうか。
単語
一翼(いちよく) 一翼,一部分任务
試算(しさん) 估算,概算,验算
晒す(さらす) 曝晒,暴露,出洋相
問1 ①「それ」は何を指しているか。
1 日本の風土に適した穀物
2 風土に適した穀物
3 効率的に作ることのできない穀物
4 風土に適し、効率的に作ることのできる穀物
問2 ②「どこの国でも容易には変わらないことを特質としてきました」とあるが、
なぜか。最も基本的な理由を選びなさい。
1 風土条件は簡単に変わるものではないから
2 国民文化は簡単に変わるものではないから
3 農業生産は簡単に変わるものではないから
4 伝統は簡単に変わるものではないから
問3 ③「一国の国民の食生活と農業生産との伝統的な結びつき」とは何か。
1 風土条件にあった穀物を中心に食生活を構成すること
2 風土条件にあった穀物以外の穀物を中心にした農業生産
3 農業生産のあり方が変わるとそれに合わせて食生活も変わること
4 “高度化”“近代化”によって変わった食生活と農業生産のあり方
問4 筆者は日本の農業の将来はどうなると考えているか。
1 生産効率が上がる
2 生産過剰になる
3 潜在的供給能力を失う
4 崩壊する
4113
(3)漢字とひらがな(およびカタカナ)の混合文である日本語文は、実は①判読に非常に適しているといえる。それだけに判読による速読•速解を身につけているか否かによって、大きな読書スピードの差が生まれるし、心読一辺倒の読み方では知識や情報に接し理解できる量が格段に劣ってしまうのである。
日本語文のどこが判読•速読に適しているのか。まず文章は重要な語句、キーワードとそうでない補助的なものとの組み合わせにより構成されている。日本語文では、普通、漢字にキーワードが多く含まれ、①それをひらがながつないでいる。つまり、キーワードを多く含む漢字とかなにより文章にアクセントがつけられているから、漢字を中心とするいくつかの語句をかたまりとしてストレートに理解に結びつけやすいのである。より多くの文字を同時にとらえ、より速く理解することは、読書スピードを引き上げることにつながる。また、漢字自体、アルファベットやひらがななどの表音文字とは違い、象形、表意文字であるから、たとえ音としては読めなくても形を見て瞬時に意味をつかみやすい文字である。
(中略)
読みやすいように読点を入れても、ひらがなだけの文章は、非常に読みにくいものである。( ② )漢字が入ると、文章の配列にアクセントがつき、見やすく、そして読みやすくなる。ひらがなだけでは、文字を見て、何をいっているのか瞬時に理解しにくいが、漢字ならば見ただけで意味がわかる。心読一辺倒の読み方なら、瞬時に理解できる文字でも音に換えたうえで理解しようとするが、判読ならば一行全部、あるいは、読点部分で区切るようにしながら、すばやく見て理解することもできる。
問1 ①「それ」とは何か。1234から適当なものを一つ選びなさい。
1 日本語文         2 判読•速読
3 文章の理解        4 キーワードを多く含む漢字
問2 本文の( ② )の中にどんなことばを入れたらよいか。1234から最も適当なものを一つ選びなさい。
1 それから   2 それでも  3 たとえば  4 ところが
問3 本文の内容とあっているものを一つ選びなさい。
1 速読•速解のためには、文字の音声化はよくない。
2 日本語には日本語のリズムがあるから、音として読めなければ本当に読めたとは言えない。
3 漢字の数が少ないほど日本語の文章は読みやすくなる。
4 日本語の文章が読みやすいのは、ひらがなを使っているためである。
4 4 1
問題Ⅲ 次の(1)から(5)の文章を読んで、それぞれの問いに対する答えとして最も適当なものを1・2・3・4からーつ選びなさい。
(1) 私の考えでは、日本人にとって足とは、特別な深い意味を持つ身体部位ではない。もちろん顔や手に比べれば、格が下がることは確かだが、足を公衆の面前に露出すること、人前裸足でいることそれ自身は、時と場所にもよるが、別に悪いことでも恥ずかしいことでもない。夏の夕方、浴衣に素足で外を歩くなど、立派な日本の伝統的風俗の一つである。
ところがイギリス人にとっては、素足はどんなことがあっても、他人に見せてはいけない身体部位なのである。その意味では恥部の一種だと言っても差し支えない。素足は寝室だけに許されるかっこうなのである。そこで、人前で靴を脱ぐことは、寝室の行為を連想させるほどの強烈な印象を他人に与えてしまう。それだからこそ、日本に来たイギリス人が日本人の家に上がる時、靴を脱がされることに強いためらいと抵抗感を示すのである。
【問い】 この文章の内容とあうものはどれか。
1 人前で素足を見せることは、日本の格調高い伝統的風俗の一つである。
2 イギリス人にとって、足は他の身体部位に比べてそれほど大した意味を持たない。
3 文化の違いによって、物の感じ方や考え方、また習慣が驚くほど違うことがある。
4 文化や習慣が違っても、イギリス人と日本人は似通った感覚や考えを持っている。
(2) 我が家では「バカ」という言葉を使ってはいけないという禁止令を出しました。何気なく口に出していた言葉、ついつい使ってしまいます。ある時「バ」まで言ってから気がついて、子供はその後「……ビブベボ」? 私は「バ……バン、バン、バン」と続けてごまかしました。起こっていた気持ちが笑いに変わりました。
【問い】 「「バ」まで言ってから気がついて」とあるが、どんなことに気がついたのか。
1 「バビブベボ」と「バカ」は同じ意味になること
2 「バカ」という言葉を言ってはいけなかったこと
3 筆者が「バカ」という言葉をよく使ってしまうこと
4 「バン、バン、バン」と言えばみなが楽しくなること
(3) 近年、町に猫が増えた。野良猫であるが、よく肥える毛並みもいい。大抵は猫好きのお婆さんなどが餌を与えいるらしい。猫は増え続け、どこへでも入り込んで排泄するから、空気の淀んだような日は悪臭がたまらないとこぼす人もいるし、ベランダに干した布団の上で猫が仔を産んだという話も聞いた。飼い主になってきちんと猫の管理をするならともかく、かわいそうだと餌をやるだけとは。そういえば猫かわいがりという言葉があった。
【問い】 筆者のいいたいことは何か。
1 猫を捨ててはいけない。
2 野良猫に餌をやる人は無責任だ。
3 野良猫はかわいそうだ。
4 野良猫を管理するのは難しい。
(4) 映画が発明された時、それが何に使えるのか誰にもわからなかった。もちろん、動物や人間の動きを記録するために発明された映画ではあったのだが、映画の発明者たちは、それ以外の使い方を考えてもみなかった。もし使われるとしても、生前の家族や知人の姿をとどめておくための記憶の手段として使われるだろうと考えていた。
【問い】「それ」の指していることばはどれが。
1 映画
2 姿の記憶
3 動きの記憶
4 知人の記憶
(5) スイミングクラブで水泳を教えることをぬきに考えた時、初めてスイミングクラブの価値が広がっていく、というのが私たちの目標でした。____、水泳を覚える、水泳を習うというためのみに、子供たちは通うわけではないし、そのために通わせようとするなら、果たして子供のためになっているのかを親たちは考えなくてはならないでしょう。
【問い】 ___には入れる最も適当な言葉は何か。
1 あるいは   2 つまり   3 でも   4 その結果
2級 読解(9)
問題Ⅰ 次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。答えは、1・2・3・4から最も適当なものを一つ選びなさい。
最近の新しい家は、とてもきれいでとても明るい。先日も友人の新築祝いのパーティーに呼ばれて、東京の郊外にある新しい住宅地まで行ってきたのだが、新築だからだろう、家の中は①隅々まで明るかった。友人は丁寧に訪問者をトイレや風呂場にまで案内して、
「どうだ、いいだろう」と、いまだにアパートに住んでいる私を羨ましがらせた。
しかし、私は何となく落ち着かなかった。確かに人間の生活の場に②光ほど大事なものはない。光のない住空間など考えられない。光がなかったら、不幸にして光のない生活をしなければならなくなった人々は別として、文章を書いたり本を読んだりすることはもちろん、人間の基本的な生活がとても難しくなる。
( ③ )、すべての場所に光が溢れているのも私はどうかと思うのである。昔、と言っても今から四、五十年前のことだが、家の中には一日中、暗い場所があった。そして、そこはなんとなく怖い場所であった。でも、私たちの先輩達は、④そこに人間の力を超えた物の存在を感じ、恐ろしいと感じながらも、そういう場所を大事にしていた。私は宗教学の専門学ではないから、こういう考え方が正しいかどうかは分からないが、昔の人が台所やトイレや風呂場には神が居ると考えたのは、おそらくそういう場所が( ⑤ )だったからだろう。人々は暗いところにいろいろなものを見ていたのである。そして、⑥こうした豊かな想像力はいつも恐ろしさと結び付いていたので、一方で人々に人間というのは弱いものであるということをも教えていたのである。
文明の進歩はすばらしいことである。( ③ )、すべての場所を明るく照らし出し、人々が日常住んでいる場所から暗くて怖いところを全部消し去ってしまうと、だんだん人間は自分たちの弱さを忘れていくような気がする。明るいということは決して悪いことではないが、暗さも大事にしたいと私は思うのである。
問1 ①「隅々まで明るかった」とは、どういう意味か。
1 どこにも暗いところがなかった。
2 部屋の下の方だけが明るかった。
3 明るいところと暗いところがあった。
4 暗いところより明るいところのほうが多かった。
問2 ②「光ほど大事なものはない」とは、どういう意味か。
1 光だけが大事である。
2 光るしか大事ではない。
3 光が一番大事である。
4 光は大事な物ではない。
問3 ( ③ )は2箇所あるが、何が入るか。
1 だから    2 しかし   3 そして    4 それで
問4 ④「そこ」は何を指か。
1 家      2 生活の場  3 暗い場所   4 明るい場所
問5 ( ⑤ )には 何が入るか。
1 人間の力を超えた場所     2 光のないくらい場所
3 神が居る怖い場所       4 みんなが大事にしていた場所
問6 ⑥「こうした豊かな想像力」とあるが、人々は何を想像したのか。
1 隅々まで明るい新築のこと
2、台所やトイレや風呂場には神が居ること。
3 暗いところにいろいろなものを見ていたこと
4 明るいということは決して悪くないこと
問7 この文章の内容と同じ物はどれか。
1 昔の人は、一日中、家の中のくらい場所にいるのが好きだった。
2 「私」も友達のように新しい家に住みたい。
3 「私」は家の中に暗い場所があるのを嫌だとは思わない。
4 昔の人は、神を信じていたから、家の中に暗い場所を造った。
13232 23
問題Ⅱ 次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。答えは、1・2・3・4から最も適当なものを一つ選びなさい。
(1)
日本にやってきたフランス人が、5月5日はなぜ祭日なのか、とたずねた。
「こどもの日です」と、私は答えた。
「私の国には、こんな、こころやさしい祭日はない」と、フランス人は、①ためいきをもらした。彼は、ある遊園地になって、これはどういうところか、と質問した。
「子供の国です」と、私は答えた。
「日本は、なんて子供を大切にする国だろう。私の国は、こんな名前の遊園地を聞いたことがない」
その、フランス人が、10年日本で暮らしてから、私はいった。
「日本の子供には、たった一日だけ、こどもの日があり、子供の国しか、子供のための場所がないのですね」
「どうも、②そうらしいです」と私は答えた。
  「こどもの日」がくると、私はそのことを、いつも思い出すのである。こどもの日が無くなり、365日を、子供を大人と共有することが出来ればよい。365日のうち、一日を、お前のものだと子供に与え、猫の顎ほどの土地を、こどもたちに、おまえ達のものだと与え、364日は、俺のものだとする大人、大部分の日本の土地から、子供を追い出した大人、空地にはかこいがされ道路は自動車が子供を追い払う。子供の遊び場は街にはなくなった。私は、その大人の子供に対する負い目を、この日になると感じるのである。
(中略)
都会の日常では、道路から、広場から、公園の芝生から、子供は追放される。そして、子供の事故死が、空地の放置された冷蔵庫が原因だと報じられる。また、大人の事故死で、孤児が生まれる。これが、子供の国を一歩出たところで起こっている日常なのである。子供は、子供らしく、学生は学生らしく、娘は娘らしく、そうした、とりつくろわれたなんとなくまっとうに響く言葉の中で、限りなく差別されて、日本の子供は生活している。そして、現在の子供は過保護を受けているという③神話が、皮肉にも、この日本で語られる。過保護が存在しないとは言わない。しかし、過保護は、社会から子供が疎外されたために、個々の親が一人一人で、自分の子供を守ろうとするところから生まれた反動であるだけだ。
実際にあるのは過保護ではなく、子供は対する過干渉だけ。私は、大人の日④が、一日だけ作られるときがくればいいと思うが。
問1 ①「ためいき」は、どのような気持ちを表すか。
1 日本が羨ましいと思う気持ち
2 日本の子供がかわいそうだと思う気持ち
3 フランスには祭日が少なくて残園だ、という気持ち
4 フランスに「子供の国」という遊園地がないのは残念だ、という気持ち
問2 ②「そう」は、どのようなことを表すか。
1 日本には子供のための場所が一つあるということ
2 日本には「こどもの日」が一日有るということ
3 日本は子供を大切にしない国だということ
4 日本は子供を大切にする国だということ
問3 ③「神話」という言葉は、この文章ではどのような意味で使われているか。
1 都会の人が日常的に考えていること
2 嘘のように思えるが、実は真実であること
3 古代の人が作り、現代までずっと伝えられている話
4 絶対に真実だと考えられているが、実は真実ではないこと
問4 この文章で筆者が最も強くいいたいことは、どのようなことか。
1 こどもの日が来ると、いつも子供に対する負い目を感じるということ
2 フランスには「こどもの日」「子供の国」がないのに、日本にはあるということ
3 日本では一見子供が大切にされているように見えるが、事実は逆であるというこ
4 日本の子供は過保護を受けているのではなく、過干渉を受けているのだということ
1343
(2)
今から既に、四十数年も前のことである。当時の第四高等学校(金沢)の山岳部員三人が、晩秋の奈良ケ岳へ登ろうとした。第一日目は谷沿いの道だった。途中でその中の一人が、なんだか木の葉から照り返す日光が、目を差すようで、どうしても行く気がしないと言い出し、不本意ながら仲間と別れて、帰ってしまった。その夜、奈良ケ岳には新雪が降り、登りに行った二人は、とうとう帰って来なかった。
これを、山へ登って帰らなかった二人は、運が悪く、引き返した一人は、運がよかったのだ、ということもできよう。しかしまた、帰らなかった二人は、① 自分の運にくらく、引き返した一人は、自分の運を予知したのだ、とも言える。行ったら死ぬということを、予知したのではない。それなら二人の友のも、帰れと勧めたことであろう。
そうではなくて、ただ何となく体感的に、進むことが不快になってきたのである。こんなのを、「②」などとも言うが、もう少し一般的な言い方をすれば、自分の運に対して、勘がきいたのだ、と言ってもよい。
勘と言うものは、しょっちゅう経験していながら、どことなくつかみどころがなく、今の科学ではまだその正体が、明らかにされていない。しかし、どうやら多分に生存と密着した、③その点では、本能に近いものであるような気がする。
山では、ここを渡渉すれば押し流されそうだとか、この斜面を横断すれば雪崩が出そうだとか言う心配にさきだって、水のざわめきや積雪のたたずまいに、何か不快なものが感ぜられ、それで前進を控えることがよくあるが、いつまでも勘に頼っていないで、④そんなときには、流速なり、積雪の密度なりを計って、危険の有無を客観的に確かめたらよいではないか、というのは、⑤山登りを知らないもののたわごとである。
私は⑥科学の価値を認める上では、人後に落ちないつもりであるが、山登りもスポーツであるかぎり、それは我々の身体に備わった、本来の能力を開発すると言う、スポーツ一般の目的に沿うものでなければならないと思う。そうとすれば、我々の祖先が、科学以前の何十万年かを、⑦それによって生きながら得てきた、この勘と言うありがたいものを、もっと大切にし、これを開発するよう心がけるべきではなかろうか。
新出単語
金沢(かなざわ) 金泽(地名)
谷沿い(たにぞい) 沿着山谷的地方
照り返す(てりかえす) 反射,反照
目を差す(めをさす) 刺眼,照在眼睛上
新雪(しんせつ) 刚下的雪
引き返す(ひきかえす) 返回,折回,相反
予知(よち) 预知,预测
体感的(たいかんてき) 身体所受感觉方面的
勘がきく(かんがきく) 有直觉,灵机一动
正体(しょうたい) 原型,真面目
渡渉(としょう) 渡过,跋涉过
押し流す(おしながす) 冲走,冲垮,冲刷
ざわめき 人声嘈杂,吵吵嚷嚷,沙沙作响
たたずまい 样子,姿势
たわごと 蠢话,傻话
人後(じんご) 人后
問1 ①「自分の運にくらく」とはどういうことか。1・2・3・4から一つ選びなさい。
1 運がいい 
2 運が悪い 
3 運をよく知っている 
4 運を知らない
問2 「②」の中にはどんな言葉を入れたらしいか。1・2・3・4から一つ選びなさい。
1 虫がいい
2 虫の息
3 虫の知らせ
4 虫が好まない
問3 ③「その点」が指す内容として最も適当なものを1・2・3・4から一つ選びなさい。
1 しょっちゅう経験している。
2 どことなくつまみどころがない。
3 正体が明らかにされていない。
4 多分に生存と密着している。
問4 ④「そんなとき」とは、どんな時か。1・2・3・4から一つ選びなさい。
1 勘が働かなくなってしまったとき
2 なぜか不快でそれ以上進む気がしないとき
3 行ったら死ぬということを予知したとき
4 危険と知りつつ前進しているとき
問5 ⑤「山登りを知らないもののたわごとである」とあるが、言いたいことは何か。
1・2・3・4から一つ選びなさい。
1 山登りの目的や意味を知らないから、そんな無責任なことが言えるのだ。
2 山登りの恐ろしさを知らないから、そんなノンキなことが言えるのだ。
3 山登りをしたことがないから、そんな冷静で客観的でいられるのだ。
4 山登りの実態を知らないから、そんな理論を振りかざせるのだ。
問6 ⑥「科学の価値を認める上では、人後に落ちない」とは、どういう意味か。
1・2・3・4から一つ選びなさい。
1 人と負けず劣らず、科学の価値は認めている。
2 人が何を言おうと、決して科学の価値は認めない。
3 科学は山登りにも不可欠で、価値を認めざるを得ない。
4 科学の価値を認める点では、人にひけをとっている。
問7 ⑦「それ」は何を指しているか。1・2・3・4から一つ選びなさい。
1 山登り  2 科学  3 勘   4 経験
4342113
(3)僕は生まれてからずっと、東京に住んでいる。といっても、子どもの頃住んでいたのは東京の田舎だし、いま住んでいるのは川崎市だ。まあ、「東京通勤圏」にすんでいる、というほうが正しい。東京は便利なところだけれど、いろいろ辛いことがあって、たとえばその一つとして通勤地獄がある。①常識では考えられないような密度で人間を箱に詰め込んで、一時間以上にわたって運ぶという非常識なことをやらざるを得ない。それでも足りなくて、列車の本数を増やしまくり、ラッジュ時には数分おきに電車が走るということになる。
(B)
また、これほど混雑してくると、②人の乗り降りにかかる時間が馬鹿になれなくなる。そこで、在京の私鉄のA社とB社では、人が素早く乗り振りできるようにドアを改良することにした。素早く乗り振りできるようにするためには個々の車両の出口を増やすか大きくしてやれば良い。③A社はドアの数はそのまま(一車両当たり片側四つ)で一つ一つのドアを大きくした。B者はドアの大きさを変えずにドアの数を増やした(片側五つ)。なんとなく、どちらでもいいように思える。ところが、結果はB社はうまくいって乗り降りの時間が短縮されたが、A社はうまくいかず、むしろ余計に時間がかるようになってしまった!全く不思議な話だ。
(C)
もし、これが満員電車ではなくて統制のとれた軍隊とかだったらこんなことは絶対に起きない。あらかじめ順番を決めておいて、ドアの幅にちょうど合うだけの人数ずつ横にならんで次々と乗り降りすることにすれば、(④)、などということはあり得ない。満員電車ではこのような意識の疎通がなく、個々人が勝手にドアに向かって突進する。
(D)
問1 次の文章は、文中の(A)、(B)、(C)、(D)のどこに入ると考えられるか。
さて、それでも足りないとなると、どうするか。いろいろな手がある。たとえば、JR山手線では座席を折り畳み式にし、ラッシュ時には座席をたたんで人が立てるスベースを広くして、もっといっばい乗れるようにした。
1 (A)   2 (B)   3 (C)   4 (D)
問2 ①「常識では考えられないような密度で人間を箱に詰め込んで」とあるが、この場合の「箱」とは何のことか。
1 物をしまっておくふたのある入れ物
2 鉄道の車両
3 三味線という日本独特の楽器
4 四角い形
問3 ②「人の乗り降りにかかる時間が馬鹿になれなくなる」とあるが、ここではどういう意味か。
1 1回にかかる時間は短いので、問題にならない。
2 1回にかかる時間は長いが、合計するとなぜか短くなるので問題だ。
3 1回にかかる時間も短いが、合計しても短くて問題にならない。
4 1回にかかる時間も長いが、合計するともっと長くなって問題だ。
問4 ③「 A社はドアの数はそのまま(一車両当たり片側四つ)で一つ一つのドアを
大きくした」とあるが、どんな車両になったのか。

1 1)   2 2)   3 3)   4 4)
問5 人の乗り降りにかかる時間を短くできたのは、どの車両か。
1 ドアを大きくした車両
2 ドアの数を増やした車両
3 ドアを大きくしたかわりに数を減らした車両
4 ドアを小さくしたかわりに数を増やした車両
問6 ( ④ )には、次のうち どれが入るか。
1 ドアの幅が広くなっても乗り降りがはやくならない
2 ドアの幅が狭くなっても乗り降りがはやくならない
3 ドアの数が増えても乗り降りがはやくならない
4 ドアの数が減っても乗り降りがはやくならない
224321
問題Ⅲ 次の(1)から(5)の文章を読んで、それぞれの問いに対する答えとして最も適当なものを1・2・3・4からーつ選びなさい。
(1) わが国ではかなりの劇薬まで薬局へ行けば簡単に入手することができ、便利には違いないが、実際はずいぶん危ないところである。睡眠薬の中毒などは、こうした勝手な使用法で起こることが多い。近ごろ、習慣性がないことを銘打った薬で、多数の中毒者が出た。これなどは明らかに不注意な広告の責任とも言える。また一方では、簡単な風邪にでもすぐ高価な抗生剤を乱用するが、これはムダでもあるし、いざというときに効かなくなる恐れもある。欧米では薬の一般大衆への広告は禁じているところが多い。わが国の現状では不可能であろうが、よく注意してもらいたいものだ。
【問い】 「よく注意してもらいたい」とあるが、筆者は何を注意してもらいたいのか。
1 薬を買うこと
2 薬の中毒になること
3 高価な抗生剤を使うこと
4 薬の広告
(2) 今木材資源の乱用が世界的な問題になっているが、紙をゴミとして燃やしてしまうことは、木材資源を燃やしてしまうことに等しい。現在、大体年間千二百万トンの紙がゴミとして燃やされてしまっていると推定される。千二百万トンの紙を生産するために使用された木材原料は、約千七百万立方メートルである。これは、日本の南洋材輸入総量にも匹敵する量である。
最近、ワリバシガ木材の無駄使いだと話題を呼んでいるが、ワリバシに使用されている木材など、高々四十万立方メートルに過ぎない。
しかも、紙をゴミにすることは、ゴミ処理費のおそるべき増大という形で、税金の無駄使いともなっている。
新出単語
匹敵(ひってき) 匹敌
割り箸(わりばし) 一次性筷子
【問い】 この文で筆者が一番言いたいことは何か。
1 紙の原料としての木材輸入量が多すぎる。
2 ワリバシが木材資源の乱用になっている。
3 紙をゴミにすることは資源と税金の無駄使いである。
4 紙を生産しすぎたので、それがゴミとなっている。
(3) 動物の探索は食べ物を捜し出すという目的から備わったものであろう。しかし、必ずしもそれだけではない。彼らは探索そのものを楽しんでいるふしがあるという。動物学者日高敏隆氏によれば、「チンパンジーに探索を禁止すると、退屈のあまり、神経的な障害をきたし、病気になったり異常な行動を始めたりして死んでしまう」のだそうである。
【問い】 本中の「ふし」と同じ意味のものを一つ選びなさい。
1 竹にも指にもふしがある。
2 彼女の言動にはどこか怪しいふしがある。
3 この作品は彼にとって大きなふしとなった。
4 先生はその詩にふしをつけて歌った。
(4) 先進国が発展途上国向けに行った経済援助、資本投資の結果、現地生産が始まる。やがて、その商品がその国の市場の需要を満たし、輸出されるようになる。先進国へ逆輸入されて、先進国の産業と競い合う、ということも珍しくない。
【問い】 上の文に合うものを一つ選びなさい。
1 発展途上国の産業が先進国の援助を受けて盛んになり、やがて先進国の産業と競争するようになることもある。
2 先進国が発展途上国を援助しすぎて、逆に途上国の産業に追い出されてしまうこともある。
3 発展途上国は先進国の援助で作った製品を、先進国に輸出して発展していく。
4 発展途上国の産業は先進国の援助で、製品を輸出するようになり、やがて先進国の市場の需要も満たすことになる。
(5) 日本人は、水をめぐって古くから争ってきた。日本に比較的雨が多い国なので、水には不自由していないはずである。しかし、日本の川は流れが速くて利用が難しく、地下水が出るところも限られているため、水を得るには大変な苦労が必要であった。水がないために、米はもちろん、作物さえもほとんど作れない地方もあったのである。この事情は、基本的には現在も変わっていない。大きな川がない市や町では、となりの市や町に、金を払って水道の水を分けてもらっている。そのため、住む場所によって、水道料金には大きな開きが見られる。
【問い】 「この事情は、基本的には現在も変わっていない」とあるが、この事情とはどのようなことか。
1 水を得るためにしばしば争いが起きるということ
2 日本は雨が多い国なので水が豊かであるということ
3 水を手に入れるのは簡単なことではないということ
4 水が不足していて米や作物を作れないということ
2級 読解(10)
問題Ⅰ 次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。答えは、1・2・3・4から最も適当なものを一つ選びなさい。
私が半年ほど入院した、同じ病室に、完全に寝たきりになっていたKさんという人がいました。彼の毎日の楽しみは、看護婦さんに「息子から電話があったでしょうか」と尋ね、「あったわよ」と言う看護婦さんの返事を聞くことでした。当初、私は、①オヤジの病状を毎日のように電話で尋ねてくるいい息子さんだなぁーと感心しながら、Kさんと看護婦さんのやりとりと、ベッドの上で眺めていました。
ところが、②それがうそであるこどが、しばらくして分かりました。息子さんからの電話はなく、看護婦さんたちが、かかってきたかのように演じていたのです。それはKさんを励まし、希望をもたせるために、③看護婦さんたちがついた精一杯のやさしいうそでした。そして、かなしいうそでした。というのは、Kさんが入院した当初は、本当にその息子さんから毎日のように病院に電話があったそうです。トラックの運転手をしていた彼は、仕事で全国を走り回っていたため、直接、病院に見舞いに来られなかったのです。入院して以来、Kさんは何度か危険な状態ななったことがあったそうです、④そのたびに、看護婦さんが、「息子さんから電話がかかっているのよ」と声をかけると、不思議ともちなおしたというのです。
そんなある日、病院に悲しい電話が入りました。交通事故でKさんの息子さんが亡くなったという知らせでした。もちろんKさんの病状を心配して、⑤そのことはしらせないことにしたそうです。そしてその日から、看護婦さんたちの⑥幻の電話が始まったのだそうです。
(中略)
しかし、そんな看護婦さんたちのうそも長く続きませんでした。Kさんは日ごとに容体が悪化し、別れが近付いたころは、まるで看護婦さんたちの幻の電話を知っていたかのように、ただ「ありがとう、ありがとう」を繰り返すばかりでした。Kさんの遺体が病室を出て、廊下をエレベーターに向こう途中、ナース・ステーションの前を通り過ぎたところで、突然「りーんりーん」という電話のベルが鳴り、一瞬、みんな、そこに⑦立ち止まってしまいました。そして鳴り響くそのベルの音を聞きながら、看護婦さんたちがボロボロ涙を流していた光景を、10年近くたった今でも鮮明に思い出します。
問1 ①「オヤジ」は誰か。
1 Kさん
2 Kさんの父親
3 筆者
4 筆者の父親
問2 ②「それがうそであるこどが、しばらくして分かりました」とあるが、なにが
嘘なのか。
1 Kさんの息子さんが病院に電話をかけたこと
2 Kさんが息子からの電話を楽しみにしていたこと
3 筆者と同じ病室にKさんがいたこと
4 筆者がKさんの息子をいい息子だと思ったこと
問3 ③「看護婦さんたちがついた精一杯のやさしいうそ」とあるが、看護婦たちが
うそをついたのはなぜだと考えられるか。
1 うそをつくことがたのしかったkら。
2 筆者がうそをつくように頼んだから。
3 Kさんの息子に病院に来てもらいたいから。
4 Kさんにすこしでも元気になって欲しいから。
問4 ④「そのたびに」とあるが、この場合、次のどの病原に最も近いか。
1 Kさんの息子から電話があった時はいつも
2 Kさんの病状がよくなりかけた時はいつも
3 Kさんの病状が非常に悪くなった時はいつも
4 Kさんの息子が見舞いに来られなかったときはいつも
問5 ⑤「そのこと」はなにを指すか。
1 Kさんの病気が悪いこと
2 Kさんの息子が死んだこと
3 Kさんにうそをついていたこと
4 Kさんの病状を心配していること
問6 ⑥「幻の電話」は、どんな電話か。
1 本当はかけることができない電話
2 本当はかかってきていない電話
3 本当はかけてはいけない電話
4 本当はかけたくない電話
問7 ⑥「幻の電話」が始まったのは、いつからか。
1 Kさんが入院したときから
2 Kさんが亡くなったときから
3 Kさんの息子が亡くなったときから
4 Kさんの息子がいそがしくなった時から
問8 ⑦「立ち止まってしまいました」とあるが、なぜだと考えられるか。
1「ありがとう」とお礼を言われたから。
2エレベーターがまだ来ていなかったから。
3電話がないのに電話のベルが鳴ったから。
4Kさんの息子からの電話のように思えたから。
11432   234
問題Ⅱ 次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。答えは、1・2・3・4から最も適当なものを一つ選びなさい。
(1)
外国人に対して自国語の普及を推進するということは、いっう間違うと一歩まちがうと自国文化のおしつけになりかねないし、文化侵略という非難をうけかねない。戦前の外国における日本語の普及には、①そのようんきらいがあった。②現在の状況はとてもそんなことではない。積極的な普及どころか、世界の要望のまえに受け身でたたされて、その需要に応じきれないというのが実情である。
世界の中の日本語人口が増加すると、日本語はいずれ、ひとりあるきをはじめるだろう。外国人どうしのコミュニケーションに日本語がつかわれるようになるのである。日本人は日本語を自分たちの所有物であり、私有財産だとおもってきた。日本語をじょうずにあやつる外国人に対しては、なにか③自分たちの聖域をおかされたような気持ちをいだくひとがおおいのではないか。世界において日本語の使用人口が増大すると、そのような私有物感覚では対応できなくなるだろう。日本語は世界人類の共有財産の一部となるのである。日本人は、日本語を人類の共有にゆだねるべくさしだしたのである。ちょうど、柔道が世界的スポーツになったようなものである。柔道の起源は日本に発するが、いまや世界人類の共有するスポーツであって、日本の独占物ではない。
日本国民の私有物から世界人類の共有財産にうつるとともに、そこではたぶんある程度の改変作用がおこるだろう。柔道が国際化するとともに、体重別の制度が導入されたように、日本語も国際化とともに、なんらかのルールの変革がおこる可能性がある。たとえば、敬語が現状のままでおこなわれるかどうかには疑問がある。④それはそれでよいのではないか。
国際化とともに、日本人には聞きなれない奇妙な表現が外国人の日本語の中にあらわれてきてもふしぎではない。ときには、かなり聞きぐるしいこともでてくるであろう。わたしはそれを「おぞましい日本語」といっている。日本人はそのような「おぞましい日本語」をきくことにたえなければならないのである。わたしたちのつかう英語は、おそらくはイギリス人には「おぞましい英語」であろう。イギリス人は、世界でおこなわれている「おぞましい英語」にたえて、それを寛容にみとめているのである。言語の国際化とはそういうものであろう。
現在、国際語とかんがえられている言語は、いずれも⑤こういう試練を受けて発達してきたものであろう。英語なども国際化とともに、かなりかわってきたものらしい。外国人の手による改変とともに、イギリス人自身が外国人にわかりやすいものにしようと努力して、つくりかえたところがすくなくないようである。日本語もその過程をヘルのではないか。
新出単語
おしつけ 强使人接受,强迫人做
あやつる 操纵,操作
聖域(せいいき) 神圣地带,禁区
聞き苦しい(ききぐるしい) 难听,不堪入耳,听不清楚
おぞましい 讨厌,令人不愉快,令人厌烦
試練(しれん) 考验,锻炼
 
問1 ①「そのようなきらいがあった」とは、どういう意味か。
1 外国人に非難されたり、きらわれる場合があった。
2 外国との戦争という悲しい過去の事実があった。
3 自分の文化を無理やりおしつける傾向があった。
4 日本語を世界に広めるための着実な一歩があった。
問2 ②「現在の状況はとてもそんなことではない」とあるが、現在はどういう状況なのか。
1 積極的に世界の要望を受け止めて需要に応じようとしている。
2 外国からの非難を積極的に受けとめ、心からそれに応えようとしている。
3 戦前の文化侵略の反省から日本語の普及には消極的になっている。
4 世界の日本語に対する需要の方が大きすぎて十分に対応できないでいる。
問3 ③「自分たちの聖域をおかされたような気持ちをいだく」のはなぜか。
1 日本語は世界人類の共有財産だと考えるから。
2 日本語は日本人だけの物であると考えるから。
3 日本語は英語とはまったく質の違う言語だと考えるから。
4 語学は柔道のようなスポーツの場合とは異なると考えるから。
問4 ④「それはそれでよいのではないか」とあるが、何がよいのか。
1 柔道や日本語が国際化されること。
2 日本語から敬語というものが消えてしまうこと。
3 日本語に改変作用が起こるかもしれないこと。
4 柔道や日本語の新しい制度やルールに疑問を持つこと
問5 ⑤「こういう試練」とは、どういう試練か。
1 どうすれば日本語が国際化できるか研究すること
2 外国人の話す自国語にたえて、寛容にみとめること
3 イギリス人のおこなってきたことをよく理解すること
4 聖域をおかされぬよう日本語に対する意識を強くすること
問6 日本語についての筆者の考えは次のうちどれか。
1 日本語が聞きぐるしい奇妙な言語となっていくのは好ましい傾向である。
2 日本語は日本人にとって聖域であるから、外国人におかされるのはたえられない。
3 日本語は英語と違って、世界に通用する言葉になることはのぞめないだろう。
4 日本語も英語のように国際化できるよう、日本人はもっと自覚を持つべきだ。
342324
(2)
電灯からテレビ、洗濯機まで毎日の生活に欠かせない電気の性質、働きの学習は、理科の重要な柱になっている。しかし、教師に聞くと、決まって「電流や電圧の原理を理解させるのは(①)。」という答えが返ってくる。 
広島大などの研究者が2年前、八つの中学校の一~三年生約八百人を対象に、テスト形式で実態を調べた。テスト問題の正答率は、三年生でも77%だった。誤答した生徒の多くは、乾電池が同じ一個だから明るさも同じ、と答えていた。調査メンバーの一人、小倉康さんは「授業で教わりながら、相当数の生徒は、電流、電圧の違いなどの基本部分が(②)。」と話す。電気がなかなか理解されない理由ははっきりしている。直接さわったり目で見たりすることが難しい。そのうえ、学校で正式に教わる前から、子供は自分なりの、素朴なイメージを持っている。
近年、小学生らを対象に、この素朴なイメージをさぐる③研究が盛んに行われている。子どもたちの誤解部分に光を当て、そこから適切な指導法を引き出すねらいだ。
乾電池から電球への電流回路(+極から出て-極に流れこむ)については、「+-両極から出て、豆電球のとこるで衝突して光る」「電流は一方向に流れるが、電球で消費され、減ってしまう」などととらえられている。見えない電流を正しくイメージさせようと、教室では水の流れや、血の流れ、電車の運行にたとえるなどして教える方法も取られている。
生徒たちは、受験知識として法則を頭にたたきこんでいる。法則を広用する難しい問題もわけなく解く。しかし、真に理解しているとなると話は別だ。理系の大学生でもこれらの法則の意味をきちんと説明できる学生は少ないだろう。
「(④)」と「わかる」との大きな落差。理科教育の難しさはここにあるようだ。
新出単語
問1( ① )に入る言葉はどれですか。
1 おもしろい    2楽だ     3難しい     4必要だ
問2( ② )に入る文はどれですか。
1 本当にわかるようになるのです
2 本当にはわかっていないようです
3 本当にさわってみることが大切です
4 本当かどうか考えたほうがいい
問3 ③「研究」を行うのは、どうしてですか。
1 電球の電流回路を正しく理解することが難しいから
2 子どもたちの誤解を明らかにする必要があるから
3 子どもたちのイメージが素朴で正しいから
4 電流が目で見えると
問4( ④ )に入る言葉はどれですか。
1 理解する    2 覚える   3 説明する   4 とらえる
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(3)
高校生とバイクの問題をめぐる埼玉県の出来事は、聞くものに何とも①後味の悪い思いをさせる話である。
埼玉県の教育委員会が、高校生の新規バイク免許取得者の②名簿を埼玉県警から提供してもらい、学生の生徒指導担当者に閲覧させていたと言うのだ。名簿を調べれば、生徒指導担当教諭達は自分の学校のどの生徒が免許をとったかを知ることができる。そして、その生徒を処分することができる。
埼玉県ではほとんどの高校が校則で免許の取得を禁じている。違反者には、自宅謹慎や、免許を学校に預けさせるなどの処分をしていると言う。県教委によると、こういう閲覧は、毎週金曜日に県庁内で、少なくとも5年間以上続けられてきた。
この名簿閲覧を県教委は「高校生によるバイクの死亡事故を防ぐためで、指導の一環と認識している」と説明している。③背後にある基本的な考え方は、高校生に免許を持たせない、バイクに乗らせないと言うものだ。
乗ることが絶対無ければ、死亡事故は起らない。それはそうだろう。だが、隠れて乗るものが出る。死亡事故はなくならないのが実態だ。そもそも法律で免許取得が認められている。むしろ、④乗り方を教えることが大事ではないか。
バイクに乗ることに伴う危険を徹底的に教え、路上で人と自分の安全を守ることを実地に覚えさせる。自分の行動は自分の責任、ということを学ばせる。交通事故の多い現代では、市民を育てる上で極めて大切なことと思える。
何を寝ぼけたことを、禁止が一番だと言う⑤声が大きいことは承知している。だが、バイクを解禁して安全教育を順調に進めている徳島市の私立生光学園高校のような実例もある。神奈川県でも新しい考え方が出てきている。
三年間は危険から遠ざけ、違反者を名簿で捜し処分し、卒業後は勝手にと言う「安全指導」は、どうにも解かせない。
問1 なぜ①「後味の悪い思いをさせる話」なのか。
1 警察と高校が協力して学生を処分しているから
2 なにかと教育について考えさせられるから
3 高校が法律を守っていないことが分かったから
4 教育が生徒の将来のために行われているから
問2 埼玉県の教育委員会は②「名簿を埼玉県警から提供してもらい」とはなぜか。
1 死亡事故を減らすことにつながると考えたから
2 校則を守らせることに協力すべきだと考えたから
3 高校での安全指導に不可欠だと考えたから
4 高校生が免許をとることを許せないと考えたから
問3 ③「背後にある基本的な考え方は、高校生に免許を持たせない、バイクに乗らせ
ないと言うものだ」とあるが、これを筆者はどう考えているか。
1 自然な考え方
2 厳しい考え方
3 間違った考え方
4 仕方がない考え方
問4 なぜ④「乗り方を教えることが大事」なのか。
1 死亡事故が減らないから
2 免許の取得を禁止することはできないから
3 自分の行動に責任を持つことにつながるから
4 死亡事故を完全に 
問5 ⑤「声が大きい」とはどういうことか。
1 禁止が一番という人は大きい声で話す
2 禁止が一番という人は正しい
3 禁止が一番という人の数が多い
4 禁止が一番という人は怒っている
1 1 3 3 3
問題Ⅲ 次の(1)から(5)の文章を読んで、それぞれの問いに対する答えとして最も適当なものを1・2・3・4からーつ選びなさい。
(1) しかし、いくら未開人でも、もっと大きな数に直面することがあります。たとえば未開人が7匹の家畜をもっていたとします。彼は7という数詞をもっていませんから、この家畜の数を7と数えることはできないわけです。そこで彼は、この家畜の数を記憶しておくために、木の幹に刻み目をつけることがあります。
つまり彼は、一匹の家畜に対して、木の幹に一つの刻み目をつけます。そうすると、わたくしたちの目から見れば、木の幹には七つの刻み目がついているわけですが、未開人は彼の家畜が、この刻み目と一対一に対応するだけいると記憶しておくわけです。
【問い】 この文は何について書かれているか。
1 未開人の数字の書き方
2 未開人の記憶の悪さ
3 私たちと未開人の記憶の差
4 未開人の大きい数の記憶のしかた
新出単語
未開人(みかいじん) 未开化的人
幹(みき) 树干
刻み目(きざみめ) 刻出的痕迹
(2) 半導体という言葉には二つの意味があるようだ。電気的な性質を表す物質として半導体と、日常生活で使う一般普通名詞としての半導体である。前者の場合は「電気を通す導体」と「電気を通さない不・導体」の中間に位置する「半・導体」。導体は主に金属であり、不・導体はプラスチックなどさまざまな絶縁物との中間に位置する半・導体は条件次第で電気を通したり通さなかったりする物質で、具体的にはゲルマニウムやシリコン、あるいは方鉛鉱、黄鉄鉱などを指す。特に現代では、物質としての半導体と言えば、ほとんどの場合シリコンのことである。
【問い】 半導体の「電気名性質」とは何か。
1 電気を通すこと
2 電気を通さないこと
3 絶縁すること
4 電気を通したり通さなかったりすること
新出単語
ゲルマニウム 锗
シリコン 硅
方鉛鉱(ほうえんこう) 方铅矿
黄鉄鉱(おうてっこう) 黄铁矿
(3) 朝10時ごろから昼ごろまでの間に、気分が悪くなって保健室に行く子供たちを調べた結果、大半が朝食抜きであるということが判明しています。そしてこれらの子供たちの体温を測って見ますと、通常の体温よりかなり低いのが目立ちます。中には35度台の子供もいます。これは大変危険です。子供で36度未満になりますと体が冷えてしまい、場合によっては生命に危険な場合もあります。
【問い】 「これ」の指す内容はどれか。
1 気分が悪くなって保健室に行く子供たちが多いこと
2 朝食を食べないで学校に来る子供たちが多いこと
3 体温が36度未満の子供たちが朝食を食べないこと
4 子供たちの中に体温が36度未満の子供がいること
(4) 富士は見る場所によって、表情が違う。広重の温和な富士かと思うと、北斎の峻険な富士になる。その変化を楽しみながら、西へ進む。いつもなら、後は読書か睡眠だが、先週は名古屋から西の雪景色を堪能した。田んぼの畦のわずかな盛り上がり。竹やぶや屋根に降り積もった優しいふくらみ。一面の雪のはるか彼たちに浮かぶ湖面…。
【問い】 「いつも」とは、どんなときか。
1 雪がないとき
2 富士山が見えないとき
3 新幹線に乗っていないとき
4 外国人が近くにいないとき

(5) ぼくは、こどもの頃から、たいへん、ひとみしりをする質で、ひと前に出るよりは、ひとりきりでいた方がいい。学校の教室などでも、ハイ、ハイと手を上げて、われ先に自分の意見を言える子たちを見ても、ぼくにはとてもあんなふうには真似できない。だから、自分のことを、なかなか他人に伝えたり、分かってもらえなくて、悲しい思いや、傷ついたりすることも多く、ああ、なんて、ぼくは損な性格に生まれついたんだろう、と我が身が腹立たしく、くやしく思ったことも一度ならずあった。
【問い】 「ひとみしりをする質」とあるが、どんな性格か。
1 大勢の人の前で積極的に意見が言える性格
2 人の真似が上手にできなくてくやしがる性格
3 思っていることを他人に伝えるのが苦手な性格
4 すぐに腹を立てて、人を傷ついてしまう性格
2005年 2級 読解
問題Ⅰ 次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。答えは、1・2・3・4から最も適当なものを一つ選びなさい。
問題Ⅲ 次の(1)から(5)の文章を読んで、それぞれの問いに対する答えとして最も適当なものを1・2・3・4からーつ選びなさい。なものを1・2・3・4からーつ選びなさい。
問題Ⅲ 次の(1)から(5)の文章を読んで、それぞれの問いに対する答えとして最も適当なものを1・2・3・4からーつ選びなさい。
        なものを1・2・3・4からーつ選びなさい。
問題Ⅰ                         2005年2级
問1 問2 問3 問4 問5 問6 問7
4 2 3 4 2 1 1
問題Ⅱ
(1) (2) (3)
問1 問2 問3 問4 問1 問2 問3 問4 問1 問2 問3
3 1 4 2 2 1 1 2 3 2 1
問題Ⅲ
(1) (2) (3) (4) (5)
 問1 問2   
1 4 3 3 2 4
海には多種多様な、そして膨大な量の生物が生息している。それらは、その生存のためにさまざまな有用物質を生産している。海はまさに有用物質の宝庫である。それを利用しない手はない。海洋バイオテクノロジーはますます盛んになるだろう。
【問い】文章の内容とあっているのは、次のどれか。
1 海は有用物質の宝庫なので、大切にしなければならない。
2 有用物質の宝庫である海を利用した海洋バイオテクノロジーは、これからも大いに研究、活用されるだろう。
3 海の生物が生産する物質が注目されて海洋バイオテクノロジーになるだろう。
4 有用物質の宝庫である海は、海洋バイオテクノロジーを利用して開発されている。
僕の学生の頃は受験の時、英語の単語をたくさん覚えた物です。単語中心の本を使って500語とか1000語とか目標もって覚えました。でも、近頃はすぐに使える英語かどうかが問題です。だから、英語だけ覚えてもしょうがない。それで、短い文が500文ぐらい載っている本が人気なのです。一つの文の中によく使う単語や熟語が入っていて、この文さえ覚えれば会話はもちろん、文も書けるようになったというわけです。
【問い】文章の内容とあっているのは、次のどれか。
1 最近、500語ぐらい載っている単語中心の本が売れています。
2 最近、簡単な会話例が500ぐらい載っている本が売れています。
3 最近、よく使う単語や熟語の入った会話中心の本が売れています。
4 最近、よく使う単語や熟語の入った短い文中心の本が売れています。
親友ということになりますと、別れて5年たっても10年たっても、お互いに、あいつだったらこの期間についてはこう考えるだろう、こういう困ったときには、こうするだろうと頭に浮かんでくる。そういう人間関係だと思います。5年、10年とたってから会っても、お互いに、きのう別れたばかりのような気がします。すこしも変わらない気持ちの交流があるのです。
【問い】文章の内容とあっているのは、次のどれか。
1 親友でもしばらく会わないと、今何を考えているのかわからなくなる。
2 親友と別れるときは、長い別れになることを考えておく必要がある。
3 親友だったら、会わなくても気持ちの上ではお互いに相手のことを思っている。
4 親友だったら、5年や10年会わなくてもいろいろな交流の方法がある。
  モーターでブラシを動かして歯を磨く電動歯ブラシに関心が高まりつつあります。発売当初、業界では「怠け者商品の代表」とまで言われていたが、歯や歯ぐきの病気の予防に効果があるということで、消費者の間で、その効用が見直され始めたのです。最近は、各メーカーとも新タイプの充電式の歯ブラシを売り出し、人気を集めているようです。
【問い】文章の内容とあっているのは、次のどれか。
1 電動歯ブラシは、怠け者の人のために作られた。
2 電動歯ブラシは、歯の病気の予防に効果的だ。
3 最近,歯や歯ぐきの病気にかかる人が多くなった。
4 最近、安くて便利な電動歯ブラシが発売された。
高度化する科学技術文明の中で、人々はともすれば、自分で作り出した機械や組織や規則に縛られて、自由な心を失いがちです。今ほど、物にとらわれない自由で新鮮な遊びの精神が必要な時代はないでしょう。
【問い】文章の内容とあっているのは、次のどれか。
1現代は社会的節約が強い。だからこそ、自由な考え方やゆとりが必要なのだ。
2社会的節約が強い時代には、自由とか遊びとかは社会に受け入れられにくい。
3現代は社会的節約が強い。その社会で生きていくためには、自由を犠牲にしなくてはならない。
4社会的節約が強い時代は、かえって自由や遊びを求める人が増える。
朝、目がさめたときに、非常に暗示にかかりやすい。朝の状態で、その日の活動が決まるとも言える。そこで、朝、気分が悪いときには音楽を聞いて、自分をよい方向に変える「音楽健康法」をやってみよう。自分の感性にビッタリくる曲を選んで、出かける準備をしながら流しているだけで気持ちよく出かけることができる。
【問い】文章の内容とあっているのは、次のどれか。
1 朝の状態は一日を左右するほど大切なものなので、ゆっくり音楽でも観賞して気分を整えたほうがいい。
2 朝の状態は一日を決めるので、暗示をかけるように音楽を聞いたほうがいい。
3 朝の状態は一日の中でも大切なので、音楽を聞きながら出かけたほうがいい。
4 朝の状態は一日を左右するほど大切なので、調子が悪いときには、音楽でも聞いたほうがよい。
筋肉を使う作業でも知的作業でも、長く続けていれば疲れ、休めば回復します。しかし、忙しい現代社会では、十分に休息できないためにストレスがたまり、それがやがては体調を崩したり病気となって現れます。正しい休息をとること、これが実は一番大切なことなのです。適切な休息をとれば、回復後、作業能力の向上が見られます。これは「超回復」といわれるもので、スポーツに限らず、学習などにも見られます。無理をして頑張るより、休んでしまう方が、かえって効率がよくなるのです。
【問い】文章の内容とあっているのは、次のどれか。
  1 「超回復」とは、作業の後で十分に休息をとることです。
  2 「超回復」とは、適切な休息の後に能力が向上することです。
  3「超回復」とは、スポーツや学習の効果を向上させることです。
  4「超回復」とは、正しい休息をとって無理をしないことです。
ゴミを燃やすということは、ゴミをなくすことではない、ゴミの中で姿を変えて気体、たとえば、炭酸ガスや水蒸気になる部分を空中に放出していることである。熱を加えても気体にならない物はすべて後に残炭として残る。その量は普通ゴミ総量の1割から2割である。残炭は必ずどこかに埋めなければならない。だから、ゴミ焼却は、ゴミの滅量と存在形態の固定化であって、最終的な処理ではない。中間処理である。家庭からのゴミの発生量が減らない限り、焼却という処理は根元的なゴミ対策にはならない。
【問い】文章の内容とあっているのは、次のどれか。
  1 ゴミ対策は、現在では焼却処理することが最も有効である。
  2 家庭からのゴミの発生量を減らしても、ゴミ対策にはならない。
  3 ゴミは焼却しても残炭が残るので、焼却は結局根元的な対策にはならない。
  4 ゴミを燃やすと大気が汚れるので、焼却はゴミ対策としては有効ではない。
仕事というものは、たいてい本質的には面白くないけれども、そのような仕事にも大きな長所がある。仕事があれば、難易をするかを決める必要もなしに、一日のかなりの部分をつぶすことができる。たいていの人は「好きなように時間を使ってもいい」となると、時間の使い方に困ってしまう。また、何かをやると決めたにしても、ほかの事のほうがもっと面白いのではなかろうかという感じに悩まされるものである。
【問い】文章の内容とあっているのは、次のどれか。
1 仕事とは面白くないもので、仕事以外のことのほうが面白そうに見えるものである。
2 人間は自分ですることを決めるのは難しい。その点、仕事には、することを決めな
くてすむという利点がある。
3 仕事が好きな人は、仕事がないとすることがなくて困っていしまうものである。
4 仕事は、時間つぶしのためにするのではなく、自分自身で好きに時間を使うために
するものである。
旅は本来無目的であってもいいはずなのに、外国へ行くとなると仕事とか勉強とかを口実にする人が多いようです。ちょっと人と会って話してただけなのに「仕事」、ちょっと見たり聞いたりした程度のことを「勉強と」称し、自分満足するのは怠惰ではないでしょうか。そんないい加減な態度をとるより、「遊びに行くんだ」と宣言したほうがよほど立派だと思います。
【問い】文章の内容とあっているのは、次のどれか。
 1 いろいろ見たり聞いたりして、勉強するようにした方が良い。
 2 外国での仕事や勉強は大変だと言うことを、覚悟しておいたほうがいい。
 3 何かはっきりした目的を持って行動したほうがいい。
 4 無理に目的を作ったりしない方が良い。
早口の方は、まずゆっくりと、はっきりした言葉で話すことが大切です。しかし、それだけでは十分ではありません。新しい言葉は、話の初めに盛り込むことです。それは、聞いている人の期待感を高めることになるのです。
【問い】文章の内容とあっているのは、次のどれか。
1 話が上手になるために、話の初めに新しい言葉を入れるのが特に大切です。
2 話が上手になるために、新しい言葉をたくさん使うのが特に大切です。
3 話が上手になるために、はっきり話すのが特に大切です。
何を食べてもうまいとも言わず、まずいとも言わず、味に無関心な人とは食事をしても楽しくないものだ。おんかを満たせばそれでいいという様子で、ガツガツ黙って食べる人とは、なるべくならテーブルを別にしたいものだ。
【問い】文章の内容とあっているのは、次のどれか。
  1 この人は味に無関心な人なので、黙ってガツガツ食べるほうだと言っている。
  2 この人、まずいとも言わないように人と一緒に食事をしたいと言っている。
  3 この人、味に無関心な人とは一緒に食事をしたくないと言っている。
  4 この人、なるべくなら話の好きな人とは一緒に食事をしたくないと言っている。
東京から特急で約2時間半、伊豆半島の明るい自然が目に入ってくるころ、早くも電車は中伊豆の修繕寺に着きました。ここからさらにバスで30分、湯が島は静かな美しい自然とともに私を迎えて(  )。①ここは温泉場としても有名で、昔から多くの文人たちが好んで訪ねたところです。( ② ) 、「伊豆の踊り子」は有名で、たびたび映画化されるほど、人々に親しまれています。
私の泊まった( ③ ) は、決して近代的なホテルではなく、立派な造りの旅館でもありません。でも、とても 気持ちのよい宿でした。広広とした明るい和室に通されて、一人窓のすぐ下を流れる川を眺めていたら、もう一人前の文人になったような気分になりました。夕食まで少し時間があったので、さっそくお風呂に入ろうと思いました。露天ぶろに入っていると、旅の風情のようなものが感じられ、思わず目頭が熱くなりました。一人で入る露天ぶろもなかなか良いものです。
風呂から出て浴衣を着ると、もう(④)ここに何日も泊まっているような気がしてくるから不思議です。食事も部屋まで運んできてくれたので、⑤心ゆくまで味わうことができました。いのしし鍋は、この土地の冬の名物だそうです。わさび漬けも名物ですが、これは刺激的な味でした。
食事を終えると、少し散歩をしたくなったのですが、宿のおかみさんが、伊豆は暖かいと言っても、冬の夜はやっぱり冷えるわよ、というので、じゃあ部屋で一杯やろうかなと思いました。 ⑥思いついたのが、今、あなたの読んでいる、この文章を書こうということでした。①②③④⑤⑥⑦⑧
旅行といえば、最近は海外旅行が流行しています。でも、国内旅行だってなかなか⑦捨てたものではありません。ずっと都会に住んでいると、いつのまにか、人間らしい心を失った自分に驚くことがあります。やはり少しでも暇を見つけて、あちこちへ出かけるのがいいと思います。そして、少しでもその土地の生活に熔け込み、その土地の人々と語り合うことが大切ではないでしょうか。人間が人間らしい心を保持していくために、旅はなくてはならないものだと思うのです。
問1 ① 「ここ」はどこか。
1  修繕寺     2  湯が島    3  伊豆半島  4  私が泊まった宿
問2 ( ② ) の中に何が入るか。
1  そういうと   2  そういって  3  そういっても 4  そういえば
問3 ( ③ ) の中に何が入るか。
1  ところ     2  もの     3  こと    4  とき
問4 ④ 「ここ」はどこか。
1  私の泊まった宿  2  旅館    3  露天ぶろ  4 ホテル
問5 ⑤ 「心ゆくまで」は、どういう意味か。
1  十分に時間をかけて食べ終わるまで
2  おなかがいっぱいになるまで
3  気持ちが十分に満足するまで
4  気分がすっきりとするまで
問6 ( ⑥ ) の中に何が入るか。
1  しかし    2  また  3  そこで  4  たとえば
問7 ⑦ 「捨てたものではありません」の意味は何か。
1  やめてしまうのがいい
2  あきらめるにはもったいない
3  捨ててもかまわない
4  面白くてしようがない
 241 1332
 
大企業では、六日と十日とかいった長い夏休みが定着してきているようだ。しかし私のようなフリーのアナウンサーには夏休みがない。週数回、決まった仕事をいただいているので、「休みたいとは申しわけない」と思ってもみる。
( ① )、「休めない」とか「忙しい」といった言葉に少しはずかしさも感じている。大学三年の時『パパラギ』という本を読んで以来だ。
『パパラギ』というのは『白人』という意味で、二十世紀初頭に、初めて文明社会を見た南太平洋のある島民の語るはげしい文明批判だ。彼は文明社会に感心するどころか、お金や物、②⑤仕事、時間、情報に追い回される毎日を笑う。
彼の島ではだれも忙しいなんて言わない。しかし文明社会の人々は自分自身が作り出した忙しさに疲れ、いざ暇ができると遊びたいという欲望までなくしてしまっている。彼は「文明社会の③⑥こんな貧しさを我々はけっしてまねしてはいけない」と言う。
この本は「発展」や「勤勉さ」などの近代をささえる⑦価値観をくつがえしてしまうから、納得してもすぐさま実行する[ ④ ]。でも、あふれる情報、短い時間の中で本当に有意義なものだけを味わう余裕を持てば、少しは豊かになれるかもしれない。
新出単語
いざ 一旦
覆す(くつがえす) 颠覆,推翻
問1 文中の( ① )の中にどんな言葉を入れたらよいか。
1 それで  2 だから  3 だが  4 そこで
問2 ②「仕事、時間、情報に追い回される」の意味を次の4つから選びなさい。
1 仕事、情報、時間を探している
2 仕事、情報、時間を作ろうとしている
3 仕事、情報、時間に動かされている
4 仕事、情報、時間に追いついている
問3 ③「こんな貧しさ」はどんな意味か次の4つから選びなさい。
1 物のためにお金を使ってしまう
2 だれも忙しいと言わないこと
3 自分自身で作り出した忙しさに疲れていること
4 文明社会を感心すること
問4 ④「価値観をくつがえしてしまう」はどんな意味か次の4つから選びなさい。
1 価値観を否定してしまう
2 価値観を認めてしまう
3 価値観を許してしまう
4 価値観を古くしてしまう
問5 文中の( ⑤ )の中にどんな言葉を入れたらよいか。
1 ほうがいい 2 わけだ 3 どころだ 4 わけにはいかない
問6 上の文章の内容と合っているものを一つ選びなさい。
1 大企業ではまだ六日とか十日といった夏休みが一般的ではない。
2 島民は文明社会にとても感心した。
3 島民の考え方は絶対に実行できない。
4 筆者は『パパラギ』という本の中に、学ぶべきものがあると感じている。
33 3124
電話がかかってくる。こちらが出ると、たいてい、「電話で誠に失礼ですが…」と相手は言う。
そういうのが礼儀らしい。しかし、電話でものを頼むのは、そんなに失礼なことであろうか。それでは、何のために電話があるのか分からない。
私は自分の結婚式の仲人をお願いするのも、電話で頼んだ。大学者のK先生である。すると、それを聞いた某氏が立腹したらしい。K先生に対して失礼ではないかというのである。
私に言わせれば、学者というような方の時間を少しでも無駄にしたくなかった。尋ねてゆけば、当然お茶くらい出されるであろう。
電話というものがあれば、①そのほうが手っ取り早く、かつ②合理的ではないか。
某出版社はとりわけ礼儀正しく、執筆の依頼に編集者が来訪してくる。これはまあよい。そのあと、そこらを通ったからといって、締め切り日ははるか先なのに、ちょくちょく様子を窺いに来る。
もともと、昔の文士(これは偉いものとされているが)がいけなかったらしい。彼らは、出し抜けに来訪されて、様子などを聞かれ、それではというので原稿を書く。ちっとも激励に来ないと、プライドを傷つけられたりしたらしい。
③まるで子供である。
私は、いったん引き受けた以上、締め切りぎりぎりになったりしたことはこの六年間に一度しかない。いつも、締め切り日はるか前に原稿はできている。そういう目算が立たぬ限り、初めから引き受けない。④この方が、よほど現代的で立派ではないか。
( ⑤ )、本当は気が弱いのである。電話なら、相手を見ないで済む。人間がやってきて、その依頼を断らなければならぬ時、とてもイヤな気がする。神経がメチャクチャになる小さな中学生などが出し抜けにやってきて、講演などを依頼され、断るのに必死になって帰ってもらった後、長いこと私の胸は痛む。そしてどうしてもこう思う。なぜわざわざ苦労して私の家を探してくれるのか。(私は生理的に講演はできないせいである。)
編集者が電話をかけてきて、ちょっとお会いしたいと言う。この「ちょっと」が恐い。本当は電話で用が足りるのである。それをわざわざやってくるのは、面と向って情けに絡んで、相手を口説き落とそうという魂胆であろう。こういうのは精神的強姦以外の何ものであろうか。
そういう胆を照りあわせてとか、情けに絡むと言うことは私は大嫌いだ。ところが、この世の大半は⑥それで成りだっているらしい。その結果、自分で自分が嫌になる仕事を押し付けられるのである。
近頃、「電話で誠に失礼ですが…」という文句を聞いても腹が立ってくる。その閑にさっさと用件を言ったらよい。この世には、そんなみみっちい形ばかりの礼儀作法より大切なことが沢山ある。
とにかく、私は生きた人間の実物より電話のほうが好きだが、さらに本音を吐けば、電話と言うものもうるさいものだから、一片の紙片の手紙のほうが好きである。
新出単語
ちょくちょく 时常,往往
出し抜け(だしぬけ) 突然,冷不防
プライド 自尊心,骄傲
口説き落とす(くどきおとす) 说服对方,使对方同意
魂胆(こんたん) 计谋,阴谋,企图
閑(ひま) 空闲
みみっちい 吝啬,小气
本音(ほんね) 真话,真心话
問1 ①「その」は何を指しているか。
1 訪問して依頼すること。
2 訪問してお茶を出されること。
3 電話で依頼すること。
4 電話で「失礼ですが」ということ。
問2 ②「合理的ではないか」とあるが、筆者はどうしてそう考えるのか。
1 時間もかからないし、手間もかからないから。
2 礼儀正しく、失礼ではないから。
3 他の人が腹を立てることがないから。
4 形ばかりの礼儀作法を言う必要がないから。
問3 ③「まるで子供である」とあるが、筆者がそう考える理由として考えられるのは
次のどれか。
1 締め切り日が守れるという目算が立たないのに依頼を引き受けるから。
2 いつも編集者がそばにいて、かまってくれないと怒るから。
3 突然に訪問するなど礼儀作法を心得ていないから。
4 締め切り日まで時間があるのに、ちょくちょく様子を見に来るから。
問4 ④「このほうが、よほど現代的で立派ではないか」とあるが、何と比べて近代的で
立派だと言っているのか。
1 電話と言う近代的方法があるのに、わざわざ訪問して依頼するような態度と比べ
て。
2 締め切り日が守れないと思う原稿の依頼は引き受けないと言うような態度と比
べて。
3 近くを通りかかった時にも様子を窺い、原稿を早く書くように頼むような態度と
比べて。
4 編集者に見守られて、締め切り日ぎりぎりまで原稿が出来上がらないような態度
と比べて。
問5 ( ⑤ )にはどんな言葉を入れるのが適当か。
1 といったら 2 というより 3 といえば 4 というからには
問6  ⑥「それ」が指すものとして、たとえばどのようなものがあるか。
1 相手の気持ちに訴えてものごとを進めること。
2 論理的にものごとを進めること。
3 実質だけを考えてものごとを進めること。
4 礼儀的にものごとを進めること。
問7 本文の内容から考えて、筆者が一番嫌いな頼み方として、どのようなものが考えら
れるか。
1 挨拶がたくさん書かれている手紙で仕事を頼む。
2 編集者がたびたび訪ねてきて、その上で仕事を頼む。
3 編集者が電話をかけてきて、その場で仕事を頼む。
4 実質的な依頼内容だけを手紙に書いて頼む。
3124212
かつて政治家の選挙事務所の取材をした。選挙運動中は、応援者や街の人々、取材記者など、さまざまな客が事務所を訪れる。そのときもしも、コーヒーあるいは紅茶でもてなすと、それは選挙法違反になる。ところが、日本茶では違反にならないそうなのだ。当事者の説明によると、
「つまり基本的に日本茶は、お金がかからないという先入観念があるから、賄賂にはつながらないのでしょうな」
( ① )実際には日本茶も、紅茶やコーヒー同様に、相応の経費がかかっているのである。
あれから十年以上の歳月が経っているので、その後の②日本茶問題がどういう方向に向ったかは知らないが、とにかくその話を聞いたときは、おお、なんて③日本茶はかわいそうな存在である ことかと深く同情したものっだ。そして私だけではなく、日本人の多くが日本茶を不当に扱っていることを確信した。
そういう意味ではなんとなく、日本茶は亭主にとっての奥さんの存在に似ている。
奥さんがどんなに健気に家中を走りまわって家を整理整頓しようが、たくさん洗濯をしようが、おいしいご飯を作ろうが、④亭主はあたりまえだと思っている。あえて評価する気も、改めてお駄賃を支払うつもりもさらさらない。養っている以上、主婦がそれだけの仕事をするのは当然だと、考えているのだろう。しかし主婦の側に立ってみれば(って、たったことないんですけどね)、毎日のこととはいえ、もう少し感謝の気持ちを表してくれてもいいんじゃないかと、⑤内心寂しく感じている のではないか。
日本茶はそんなところが主婦に少し似ているような気がする。飲食店に入れば、挨拶がわりにサービスされるものだと思い、わざわざメニューに目を通して選ぶほどの飲み物とは考えていない。
新出単語
健気(けなげ) 坚强,奋不顾身,值得赞扬
駄賃(だちん) 运费,脚力钱,报酬
問1( ① )に入る適当な言葉は次のどれか。
1 しかし 2 つまり 3 やはり 4 それで
問2 ②「日本茶問題」とは何のことか。
1 日本茶はかわいそうな存在であること
2 多くの日本人が日本茶を不当に扱っていること
3 日本茶も経費がかかっているのに選挙違反につながらないこと
4 選挙運動中に客にコーヒーあるいは紅茶、日本茶をごちそうすること
問3 ③「日本茶はかわいそうな存在である」と筆者が思う理由はどれか。
1 日本茶は賄賂につながらないという法律があるのは不当だから
2 日本茶はお金を払わなくてもいい飲み物だと軽く考えられているから
3 日本茶は選挙運動中にも客に出されないから
4 日本茶は選挙運動中に出しても、客にあまり喜ばれないから
問4 ④「亭主はあたりまえだと思っている」のは、なぜか。
1 奥さんはあまり元気ではないから
2 奥さんは洗濯をしているから
3 それぐらいの仕事をするのは、奥さんの責任だと思っているから
4 奥さんは評価されても、うれしくないから
問5 ⑤「内心寂しく感じている」のは、誰なのか。
1 筆者
2 奥さん
3 主人
4 政治家
問6 「日本茶」と「奥さん」が似ているところはどんなところか。
1 相手に感謝されるところ
2 あってもなくてもいいと思われているところ
3 経費がかかるところ
4 存在していることがあたりまえだと思われているところ
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责编:刘卓

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