ここで言う新首都とは、東京に代わるかもしれない日本の新しい首都のことです。今回の候補地選定から建設、街開き、そして新議事堂での国会開催までの一連の作業は「首都機能移転」と呼ばれており、この巨大プロジェクトは「国会等の移転に関する法律(平成8年改正)」に基づいて進められています。しかしまだ移転先が決定していないので、移転候補地と比較して最終的な判断を下される東京も、現段階では候補の一つと言えます。最近は深刻な財政難や戦後最悪の不況が影響してやや動きが鈍っていましたが、今月中には候補地が決定か、あるいは絞り込まれ、移転と決まった場合は西暦2003(平成15年)頃に新都市の建設が始まります。
新首都へは国会最高裁判所首相官邸と中央省庁など三権が全て移ることになっています。これは一括遷都とも呼ばれるもので、昔からよく行われた典型的な遷都方法です。対照的に各省庁をその業務に一番馴染む場所や、維持費用の負担がより少なくて済む土地へ別々に移転させるというのがいわゆる分都と呼ばれるものです。こちらの方が合理的ではありますが、日本では結局最後まで採用されませんでした。今回の目的の一つに人心一新というものがありますが、これに馴染まなかったのかもしれません。現在でも一部が首都圏を中心に業務核都市としてこのような分都に近いことをしていますが、こちらを特に展都などと表現したりもするようです。
但し一括遷都とは言っても東京をニューヨークのような経済首都文化的中心地としてより発展させるために関連する官庁については残留、若しくは出張機関が置かれることになっていますし、さらに皇居については残ることが決定しています。しかし天皇の国事行為の多くが移転対象に深く関わっているので新首都には御用邸のようなものが置かれることになるでしょう。そもそも皇居だけを切り離すということ自体が非合理的なことなのですが、失礼ながら東京への置き土産的な扱いです。
今までにもあった遷都論争と大きく異なるのは、具体的な候補地選定作業が行われているという点です。1997年1月16日、移転候補地が3ブロック11地域に絞られ、北海道千歳空港周辺などの地域が対象外となりました。この3ブロック11地域は
①北東ブロック
…宮城県南部福島県阿武隈地域栃木県中北部茨城県中北部
②東海ブロック
…静岡県西部愛知県東三河南部愛知県西三河北部岐阜県東南部
③三重畿央ブロック
…三重県鈴鹿山麓滋賀県南部三重、滋賀、京都、奈良の4府県境付近
です。具体的に見えて結構今までの有力な候補地は網羅していたりします。各地域についての分析は他のサイトでも行われていますからそちらを参考になさった方が良いでしょう。
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