看看日本人如何评价三国人物（1）

　　周瑜、字は公僅である。

　　周家とは漢王朝において名門中の名門である。古くは後漢書に伝を立てられている周栄を祖先に持ち、従祖父の周景は大尉に任命された人物で週景の子の周忠も同じく大尉に任じられている。周瑜の父親の周異も洛陽の令という立場におり、周家がいかに名門の家柄であるかが分かる。

　　その周瑜は幼少の頃、地元の舒にて孫策に出会う。同じ年齢であった二人はすぐに打ち解け親友となり。英邁闊達で将来を期待される若者であった。

　　しかし、二人の舒での生活は孫策の父である孫堅の戦死によって終わりを告げる。孫策は舒を離れ、徐州に向かうのであった。一方、周瑜は丹楊の太守となった叔父の周尚の下に身を寄せる。離れ離れになった二人だが、常に手紙にお互いの近況を連絡しあっていたようである。

　　諜報力

　　194年、周瑜は孫策より劉繇を攻めるという手紙を受け取った。周瑜は叔父の周尚に孫策の援軍に行きたいことを告げ、軍を借りて親友のために物資を揃えて孫策を暦陽で迎えた。久々にあった親友は色々な苦難を乗り越え王者の風格を備えていた。

　　一方の周瑜も平穏に周尚の下にいたわけではない。彼は、孫策と離れ離れになっていても手紙で密に連絡を取っており、劉繇との戦いを睨んでありとあらゆる情報を集めていた。周瑜はこの頃から諜報力の大事さに目をつけ、着実に最強の軍師への道を歩んでいた。

　　劉繇との戦いは、周瑜が孫策に牛渚を攻めることを進言したことから始まる。牛渚を攻め落としてから、孫策軍は連勝に連勝を重ね、あっという間に劉繇を曲阿に追い詰め撃破する。

　　周瑜の牛渚攻めの進言はまさしく、巨大な堤防であった劉繇を決壊させる蟻の一穴であった。そして、周瑜はこの戦いにおいて自分の諜報力を最大限活用する。周瑜の的確な情報により、孫策は常に劉繇の先手を取ることが出来、負けることは無かった。

　　周瑜が勝利までの戦略構想をたて、情報収集をし、その情報をもとに孫策は随所で戦術をたてそして自分の武力を発揮する。完璧なコンビである。

　　袁術配下

　　劉繇を撃破した孫策は周瑜に呉郡、会稽郡の攻略は自分の軍だけで充分だと告げて周瑜を丹楊に返す。孫策にしても周瑜にしても、この先一緒に戦いを続けたいという気持ちは本心としてあったには違いない。しかし、周瑜は丹楊の平定に来た袁術配下の援軍であり、呉郡、会稽郡までは援軍にはいけない立場であった。

　　周瑜が丹楊に戻ってしばらくすると、袁術は自分の従兄弟の袁胤を派遣し、周尚に変えて袁胤を丹楊の太守にした。その頃、袁術は周瑜の才能を高く評価し周瑜を自分の直属の配下にしようとするが、周瑜は袁術に居巣の県長になりたいと願い出て袁術を説得する。

　　袁術の軍部に組み込まれてはいざというときに孫策のもとに行けなくなるかもしれない。居巣の県長であれば地理的にも孫策に近づく。こうして、周瑜はいつでも袁術のもとを去って孫策のもとに行けるようにしたのである。

　　居巣にいる間も周瑜は情報収集を怠らなかった。彼はその頃、魯粛という人物の名を聞き、魯粛と友好を結ぶ。これらの行為は全て、将来孫策の下で働くときのことを考えていた行動であったと思われる。

　　さて、会稽を平定して戻ってきた孫策は丹楊の太守として居座っていた袁胤を追い出した。そして、劉繇を撃破した際に袁術のもとに返した叔父の呉景、孫賁等に旗下に入るように呼びかける。当然、周瑜にも呼びかけた。そして周瑜は、かねてから予定していた通り魯粛と共に居巣を出て孫策のもとに行くのである。

　　壮大なる戦略

　　周瑜は孫策に熱烈歓迎された。孫策は自ら周瑜を出迎え、その場で建威中朗将の職を授け、すぐさま二千人の軍隊と五十の騎馬を与えた。周瑜はまず、孫策等が丹楊西部の平定に言っている間、牛渚の守りを任され袁術に備えた。そしてその後、春穀の県長となり丹楊西部の反乱を鎮圧した。

　　その後、江夏の太守となった周瑜に袁術死去の報せが入ってきた。そして、孫策を頼ろうとして来た袁術軍が待ち伏せをしていた劉勲軍に奪われたことも知った。

　　周瑜は集めた情報を持って孫策を訪れ、伯符よ劉勲の件は聞いたかと尋ねた。孫策は苦々しい顔をして、我々を頼ってくるはずだった袁術軍を劉勲なぞに奪われるとはなと答えた。

　　周瑜は爽やかに微笑み、そんなに気を落とすことは無い。私の情報によれば劉勲はとてもじゃないが、今回奪った袁術軍を賄いきれるほど財力はないよ。今、彼等は喉から手が出るほど物資が欲しいわけだ。そこで、考えたのだが、劉勲に豫州に物資が豊富にあると虚偽の情報を伝え、彼等がそこに向かっている間に晥城に攻め入れば無傷で袁術軍が手に入れられる。どうだろうかと孫策に言った。

　　ふむ。しかし、劉勲が我々の情報で豫州に向かうかねという孫策の問いに対して、周瑜は、君は劉勲と盟を結べば良い。豫州の情報はその手土産ってことでどうだろう。そして盟の名目は父親の敵を取りに黄祖討伐に行くことにでもすればいいさ。彼等も信じるだろうし、我が軍が動いたと見れば慌てて豫州に兵を向けるさ。

　　なるほど。孫策が小さく頷くと周瑜は続けて、晥城を失えば劉勲は恐らく黄祖を頼るだろう。その時は公約通り黄祖討伐に向かおう。周瑜の案を聞いた孫策は、君って奴はと呟いた後、大笑いをした。

　　孫策は周瑜の助言どおり劉勲と盟を結び、黄祖討伐に軍をあげた。道中、ゆるゆると進む孫策のもとに周瑜は馬で駆け寄ってきて、伯符よ劉勲は動いたぞ。今日はこの辺りで野営を組んで明後日にでも晥城に進むこととしようと声をかけた。

　　孫策軍は劉勲の主力部隊のいなくなった晥城を戦わずして落とした。予定通り、袁術軍も手に入れた。そして、恐らく周瑜は"予定通り"小喬も手に入れたのではないだろうか（大和三国志の周瑜と正史の周瑜をだぶらせるなら、そういう気がするのだが）

　　孫策伝でも述べたように、この後、孫策軍は援軍に来た黄祖軍と劉勲軍を撃破しそして沙羡において黄祖軍を大いに破り豫章を手に入れる。全ては周瑜が描いていたシナリオ通りに事が進んだ。

　　親友の死

　　その後、短期間で一気に領土を広げた孫策軍は国内平定という仕事が残っていた。孫策軍の主な武将は兵を率いてそれぞれ地方に遠征に行った。周瑜もその後、江夏を平定して巴丘まで南下している。

　　孫策と周瑜。この二人の最強コンビはその後、曹操が袁紹との戦いで苦戦している間に許を電撃の速さで攻めることを考える。まさしく天下取りに行動を移そうとしたが、それは孫策の突然の死によって実現することはなかった。

　　親友の死は周瑜に大きな悲しみを与えた。周瑜は張昭とともに孫策に後のことを頼まれた。若き孫権とまだ土台のしっかりとしてない孫呉を守らなければならない。しかし、孫策の死後しばらくは、周瑜は悲しみから立ち直れなかった。