- 讲师:刘萍萍 / 谢楠
- 课时:160h
- 价格 4580 元
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逆説によって人を深みへと誘う『老子』らしい特色のある文章である。己れの外にあるたれかあるいは何ものかを知るが知恵者だ、と考えるのがふつうである。しかし、そうではなくて、己れ自身を知ることが真の明智(めいち) だという。「明」というのは、第十六章で「常を知るを明と曰う」といわれていたその「明」であって、ふつうの知をこえた明智、明察である。外に走る知ではなくて、内に沈潜(ちんせん) する洞察こそが、実は内外のすべてを見ぬくというのである。同様に、「自ら勝つ者は強し」というのも、剛強な力で外にむかうのではなく鉾(ほこ) さきを内にむけて、逆に柔弱な態度を守っていくのが、まことの強だという。第五十二章では、「柔(弱) を守ることを強と曰う」といわれている。
「足るを知る」ことの大切なことは、われわれにもわかる。ただ、それでは消極的だと考えて、やはり財産をいっぱいに積みあげようといつまでもあくせくするのが、凡人であろう。真の満足を知ることが必要である。「強めて行なう」というのも、目標をもって努力しているそこにこそ、すでに目標は達成されているという。これも、形のうえの完壁(かんべき) を求めて死ぬまでじたばたするのが、凡人であろう。いずれも、頂点まではきわめないで、「止まることを知る」という思想である。最後の「死して亡びず」の句最も難解で、異説も多いが、不滅の「道」を身につけた聖人の死をさしているとみるのがよい。その詳細は、拙著(せつちょ) 『死と運命』(一九八六年、法蔵館) の初めに述べてある。まことの富とは何か、永遠の生命とはいかなるものか、それをじっくりと考えてみたい。
责编:刘卓
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