静まりかえってなんの動く気配もみせず、まだ笑うこともできない赤ん坊のようだ。ぐったりとしおたれてまるで身のおきどころもないようだ。多くの人はだれもがあり余るほどもっているのに、わたしだけはひとり、何もかも失ってしまったかのようだ。さてもわたしは愚かものの心だよ、にぶくてはっきりしないのだ。
世俗の人びとはきらきらと輝いているが、わたしだけはひとりぼんやりと暗い。世俗の人びとは利口ではっきりしているが、わたしだけはひとりもやもやしている。ゆらゆらとまるで海原(うなばら)のようにたゆたい、ひゅうひゆうとまるでどまない風のようにそよぐ。多くの人はだれもがそれぞれ何かの役にたつのに、わたしだけはひとり融通(ゆうずう)のきかない能(のう)なしだ。わたしだけはひとり、他人とは違っている、そして、母なる根本の「道」に養われることをたいせつにしているのだ。
(学(がく)を絶てば憂(うれ)い無し。)唯(い)と阿(あ)と相い去ること幾何(いくばく)ぞ。美と悪と相い去ること何若(いかん)ぞ。人の畏(おそ)るる所、畏れざるべからざるも、荒(こう)(芒)として其(そ)れ末(いま)だ央(つ)(尽)きざるかな。
衆人はききとして、太牢(たいろう)を享(う)くるが如(ごと)く、春に台(うてな)のぽに登(のぼ)るが如し。我れは独(ひと)り泊(はく)として其れ未だ兆(きざ)さず、嬰児(えいじ)の未だ孩(わら)(咳)わざるが如し。るいるいとして帰(き)すろ所なきが若し。衆人は皆余(あま)り有るに、而(しか)るに我れは独り遺(うしな)えるが若し。我れは愚人(ぐじん)の
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