日本では、森林の面積が一番広く、全国土面積の約三分の二を占めている。気候が温暖で、雨が多いので、木材の生育に適しており、世界でも指折りの森林国である。また国土が南北に長いため、杉、ひのき、松などの針葉樹から、なら、ぶな、くぬぎなどの広葉樹まで木の種類が多く、日本の山地には約22億m3におよぶ木材資源がある。中でも木曽(長野県)のひのき、吉野(奈良県)、秋田、天竜(長野県)の杉、青森のひばなどは美林として有名である。また、北海道の蝦夷松、椴松はパルプ材として有名である。
日本の森林はその所有者の違いによって、国有林、公有林、私有林に分けることができる。杉やひのきなどの美林やパルプ材を産出する大森林などは、国有林やパルプ会社、大山林地主の私有林になっている所が多い。こういうところでは伐採や運搬の機械化も進んでいる。しかし、私有林所有者の多くは1ヘクタール未満の小山林所有者である。近年、森林の面積は年々減っていたため、人工林を増やすことを重視している。
水産資源
日本のまわりには暖流と寒流が流れているので、魚の種類も量も大変多い。また、日本の領海の多くは大陸棚で、水深200mぐらいまでのゆるやかな海底で、海藻が生育し、陸地の河川から流れ込む栄養分も豊富なため、魚介類が沢山集まっている。日本はこのようによい条件に恵まれているので、世界でも屈指の豊漁地になっている。日本でとれる魚類にはにしん、鮭、鱒、鱈、たらば蟹などの寒海洋性のものもあれば、鰹、まぐろ、鯛、鰤、秋刀魚、いわしなどの暖海洋性のものもある。
日本は世界一の水産国で、1993年の水あげ量(813万t)は世界の第三位を占めている。日本の漁業のやり方には、遠洋漁業、沖合漁業、沿岸漁業などがある。最近、栽培漁業が盛んになってきた。栽培漁業には、川や湖で魚を育てる内水面養殖と浅い海で魚を育てる海面養殖とがある。
日本は世界でも漁業人口の多い国である。しかし、大部分の漁民は家族だけで漁をする。また、一部分の漁民は農業などほかの仕事を兼業しており、漁業だけで生活している専業漁民は少ない。日本は海岸の出入りが多いので、各地によい漁港ができているが、大きな漁港は太平洋岸に集まっている。特に水あげが多いのは釧路、稚内、八戸、石巻、銚子などである。
日本周辺の大陸棚では海洋開発の一環として石油、天然ガスなどの開発が進められている。また、大洋底でも鉄、コバルト
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